最高のプレシャス 第22話(最終話)

 

「…兄…ちゃん…?…本気…?」

 目の前で目をギラギラさせて笑う暁。今までにこんなに不気味に笑う暁を見たことがあっただろうか。

「…今のオレは、…野獣だ…!!…魁、…お前を滅茶苦茶にしてやるよ…!!

 ボウケンレッドにアクセルチェンジし、背後から魁の両胸の突起を執拗に小刻みに刺激を続け、その刺激に耐えかねたマジレッドに魔法変身した魁が自身の2本の足の付け根部分で大きく勃起した、魁の男としての象徴であるペニスをマジレッドのスーツごと掴み、自慰行為に耽ろうとしたその腕をも掴んだ。実際、魁の右腕は今も暁の手に掴まれたままだ。

「…兄…ちゃん…。…怖いよ…!」

 声を震わせる魁。いや、震えているのは声だけではなかった。暁はそれに気付くと、いつもの優しい笑顔に戻り、

「すまん。ちょっと、やり過ぎたか?」

 と言うと、魁を背後から強く抱き締めた。

「お前のよがり声に興奮してしまったんだ」

「…フフッ!!

 その時、安心したのか、魁がようやく笑みを浮かべた。そして、暁に掴まれていた右腕をゆっくりと背後へ回す。

「…兄ちゃん。…勃ってる…!」

 そう言いながら、魁は自身の腰の部分に当たっている硬いものをキュッと握った。その途端、

「んくッ!!

 と、暁が呻き、体をビクッと反応させた。ボウケンレッドのスーツの中で大きく勃起した暁のペニスが、魁の手の中でビクビクと脈打つ。

「…兄ちゃん…」

 ゆっくりと背後を向く魁に対し、暁は顔を近付けると、

 …チュッ!!…クチュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!

 と言うくすぐったい音を立てながら、お互いの唇を再び貪るようにキスをした。

 暁はそのまま、魁のペニスへと手を伸ばし、優しく包み込んだ。

「んんんんッッッッ!!!!

 魁は顔を真っ赤にし、眉間に皺を寄せながら呻く。

「…魁のチンポ…。…熱い…」

 その時、魁のそこからは、

 クチュッ!!クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!

 と言う音が聞こえていた。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 暁の手がゆっくりと動き、その刺激に合わせるかのように魁が短く声を上げる。

「気持ちいいか、魁?」

 暁が優しく尋ねると、魁はガクガクと首を縦に振り、

「…気持ち…いい…ッ!!…気持ち…いいよ、…暁…兄ちゃん…ッ!!

 と言い、涙を零した。

「…ずっと…。…ずっと憧れてた。…兄ちゃんに…。…僕の大好きな…、…ヒーローの兄ちゃんに…。…こうやって…、…いやらしいことを…、…されるのを…!」

「…そうか…」

 そう言う暁の、魁を抱き締める左腕に力がこもる。

「…じゃあ…」

 その時だった。

「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!

 不意に魁の喘ぎ声が大きくなり、体を仰け反らせた。と同時に、

 クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!

 と言う音も大きさを増していた。

「…やッ、…やああああ…ッッッッ!!!!…暁…ッ、…兄ちゃああああんんんん…ッッッッ!!!!

 暁の左手は魁の右胸の突起を小刻みに刺激し、右手は魁の男としての象徴をさっきよりも速度を上げて刺激している。

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 魁はその刺激に頭をぶんぶんと振り、顔を真っ赤にして叫び続ける。

「お前がオレにしたことに比べたら、こんなこと、何でもないよなあ?」

 ニヤニヤと笑いながら魁を刺激し続ける暁。その言葉にはっとした魁は、

「…う…」

 と言ったかと思うと、

「…ごめん…なさい…」

 とあやまって来たのだ。だが暁は、

「別にあやまらなくてもいいさ」

 と言い、魁の頬にキスをした。

「…実を言うとな、…魁に魔法で射精を封じられ、滅茶苦茶にされた時、よがり狂ったオレはその快楽に酔い痴れていたんだ」

「…え?」

 顔を赤らめ、苦笑している暁。

「オレだって男だ。気持ちいいことは大好きだからな!」

 と言い、

 チュッ!!

 と、魁の唇にキスをした。

「だが、今はお前を気持ち良くする番だからな!」

「…え?…あッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!

 すぐに現実に引き戻され、魁が短く喘ぐ。

 グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 魁のペニスからはドクドクと淫猥な液体が溢れ出し、グチュグチュと言う淫猥な音も大きくなる。

「やああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!…さッ、暁兄ちゃああああああああんんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!

「…魁のチンポ、…硬さが増してる…。…そろそろかな…?」

 暁の右手は魁のペニスをマジレッドのスーツごと握り、小刻みに刺激を繰り返す。

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 魁は頭をぶんぶんと左右に大きく振り、暁の大きな体の中でよがり狂う。

「…兄…ちゃん…!!…兄ちゃん…!!…兄ちゃああああああああんんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!

「好きだぞ、魁!!

 その時、暁が魁の耳元で囁くように言った。

「…うん…!!

 魁の顔に笑みが広がった時、その目から涙がぽろぽろと零れ落ちた。

「…僕も…、…僕も…!!…兄ちゃんが…、…兄ちゃんが大好き…ぃ…ッ!!

 その瞬間、

「うああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と、魁が大声を上げて、体を更に仰け反らせた。そして、

「イクッ!!イクッ!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と声を上ずらせたその瞬間、

 ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!

 と言う物凄い音を立て、魁のマジレッドのスーツを突き破るかのように白濁の液体が後から後から溢れ出し、魁の体の上とその周りに飛び散ったのだった。

「…フフッ!!

 暁は満足気に笑うと、

「いっぱい出たなぁ…!」

 と言い、

「…気持ち良かったか、…魁?」

 と尋ねる。魁は、

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 と、大きく呼吸を繰り返し、呆然としている。その間に、暁は手早く魁が放った淫猥な液体をティッシュペーパーで拭き取り、横へ置いた。

「大丈夫か、魁?」

 いつもと変わらない、優しい笑み。トクン、トクンと言う穏やかな心音。

「…兄…ちゃん…」

 ぽつりと呟く。

「…兄ちゃん…。…大…好き…!!

「…ああ…。…オレも、…魁が好きだ…!!…大好きだ…!!

 その暖かい腕に包まれ、魁は静かに目を閉じた。

 

「じゃあ、行って来るな!」

 それから暁と魁は、魁の勉強が終わるたびに体を重ね合った。暁は魁に魔法で甚振られ、その中で快楽を貪り、魁は暁に優しく抱かれ、その大きな腕の中でよがり狂った。

「気を付けてね、兄ちゃん!」

 暁が本職であるサージェスのメンバーとしてプレシャスを回収に行く前には、暁は必ず魁の家へ立ち寄っていた。

「また暫く会えないけど…」

 そう言いながら、魁を優しく抱き締める暁。

「大丈夫だよ!」

 ニコニコと微笑む魁。

「約束だろ?兄ちゃんは絶対に死なないって!」

「…そうだな!」

 暁もニッコリと微笑み返す。

「オレは“不滅の牙”って言う異名を持つ男だからな!」

「でも、僕の前では兄ちゃんは“不滅の牙”じゃないんだよねぇ♪僕の魔法と責めでよがり狂うくせに♪」

 悪戯っぽい笑みを浮かべる魁に対し、暁は顔を真っ赤にし、

「それは言うなって言ってるだろうッ!?

 と大声を上げた。

「アハハハハ!!

「…ったくぅ…!!

 暁も苦笑する。

「んじゃ、行って来るな!」

 暁が気を取り直すように言うと、

「うん!!気を付けてね!!

 と魁が暁の腕を握る。そして、ちょっと背伸びをしたかと思うと、

 チュッ!!

 とキスをしたのだった。

 

最高のプレシャス 完