ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第5楽章 第12話(最終話)

 

「…ふぅぅ…」

 その時、貴公子ジュニアは寂しげな表情を浮かべて目の前を見つめていた。

「…アンニュイだわ…」

「…は?」

 見るからに某バンドメンバーのようにごつごつした衣装に金髪、そして唇には真っ黒な口紅を付けている男。なのにその瞳は寂しげで、よく見ると潤んでいる。

「…お前…、…大丈夫か?」

 あまりの不気味さに、ボクは顔をしかめ、思わずそう言っていた。すると、貴公子ジュニアはギロリとボクを睨み付けて、

「…相変わらず、感情のない子ねッ!!アタシが今、どんなに寂しいか、分からないのッ!?

 と聞いて来た。

「アタシはねッ、今ッ、目の前でサイゾウを取られたのよッ!?ドロドロみたいな、あんなただの下っ端の戦闘員によッ!?サイゾウの相手をするのは、このアタシだっていいわけじゃないよッ!?それなのにッ、何であんなドロドロが…!!

 そう言うと、貴公子ジュニアはハンカチのようなものを前歯で噛み、

「キイイイイイイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と金切り声を上げていた。

 ボクはふぅ、と溜め息を吐くと、

「ああ。分からないね。だって、ボクには恋愛感情とか、そんな感情はないんだもの。って言うか、そもそもそんな感情に興味はないし…」

 と言うと、

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と笑っていた。

「…こ…、…こんの…!!…小娘ええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

「別に、あの男だけがお前のターゲットだったと言うわけではないんだろ?」

 目を真っ赤に血走らせて今にもボクに掴み掛かろうとする貴公子ジュニアを遮るように、ボクは言った。

「他にも、カクレンジャーとか言う戦隊ヒーローのメンバーはいるじゃないか」

 その言葉に、貴公子ジュニアは目を大きく見開いたまま、そこに立ち止まった。

「…他にも、…いる…?」

 

 ジュブッ!!ジュブジュブ…ッッッッ!!!!

 目の前ではニンジャブルーにスーパー変化したままのサイゾウが、相変わらずもう1人のサイゾウのペニスを口に含み、ジュブジュブと言う淫猥な音を立てている。

「随分と上手くなったなぁ、サイゾウぅ?」

 もう1人のサイゾウがそう言うと、

「…ンフッ!!

 と、サイゾウが目を細めて笑うのが分かった。そして、

 ジュボッ!!

 と言う音と共に、もう1人のサイゾウのペニスを口から離した。

「…欲しい…」

「あん?」

 分かっているくせに、もう1人のサイゾウがわざと聞き返す。すると、サイゾウは、

「…う…、…あぁぁ…!!

 と声を上げながらも、

「…もう1人の…、…オレの…、…チンポ…。…欲しい…です…」

 と、顔を赤らめて言ったのだ。

「…フッ!!

 もう1人のサイゾウは鼻で笑うと、膝立ちになっていたサイゾウの背後へ回った。そして、ゆっくりとサイゾウを立たせると、

「…お前の体…、…本当に正直だよな…」

 と言いながら、ニンジャブルーのスーツを引き裂かれて飛び出したサイゾウの男としての象徴であるペニスを優しく握ると、ゆるゆると刺激し始めた。そして、左腕をサイゾウの胸へ回し、右胸の突起をクリクリと刺激したのだ。

 グチュッ!!グチュッ!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!

 淫猥な音か聞こえ始めたその途端、

「ふああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と上ずった声を上げ、体を仰け反らせた。

「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!

 時折、体をビクッ、ビクッと痙攣させて喘ぐ。

「…気持ち…いい…ッ!!…気持ちいいいいいいいいいいッッッッッッッッ!!!!!!!!

 その顔には笑みさえ浮かんで見える。

「本当に変態だな、お前は!!

「ひああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 もう1人のサイゾウの手に握られているサイゾウのペニスがビクビクと大きく脈打ったその瞬間、

「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言う甲高い叫び声と共に、

 ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!

 と言う音と共に、サイゾウのペニスから大量の濃白色な淫猥な液体が噴水のように飛び出した。

「…ククク…!!

 もう1人のサイゾウが低い声で笑う。

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 サイゾウは顔を真っ赤にし、目を虚ろにしてどこを見ているのかすら分からない。

「…じゃあ…、…ご褒美をやるよ…!!

 もう1人のサイゾウはそう言うと、サイゾウを地面に横たえた。そして、その両足を大きく持ち上げた。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 短い声を上げるも、どこか嬉しそうに微笑んでいるサイゾウ。そんなサイゾウの視線の先には、鮮やかな空色のスーツから飛び出したもう1人の男としての象徴・ペニス。それは大きく、長く、太く、その先端を真っ赤に腫れ上がらせ、ドクドクと淫猥な液体を滴らせ続けていた。

「…お前…、…本当に変態になったな…!!

 嬉しそうに笑うもう1人のサイゾウ。

「…は、…早く…!!

 はぁはぁと荒い呼吸を繰り返すサイゾウ。そのペニスは直前に絶頂へ達したばかりだと言うのに、既に大きく勃起していた。もう1人のサイゾウは、

「…しょうがねぇなぁ…」

 と苦笑すると、目をカッと見開き、サイゾウの双丘の奥の秘門へ一気にそれを突き刺した。

 ズンッ!!

「…あ…ッ!!

 サイゾウが目を大きく見開き、体を大きく痙攣させる。

「…行くぜ?」

 もう1人のサイゾウがそう言うや否や、

 ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!

 ともう1人のサイゾウの腰が上下に律動し、そこから淫猥な音を立て始めた。

「ひぃぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 サイゾウは首筋に血管を浮き立たせ、狂ったように叫ぶ。その目からは涙、口元からは涎が零れ落ちた。

「…そぉら…。…今日もたぁっぷりと注ぎ込んでやるからよ…!!

「…うん…ッ!!…うん…ッ!!

 ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!

 もう1人のサイゾウの腰の律動がテンポを上げて行く。

「…イ…、…イク…ッ!!

 顔を真っ赤にしたもう1人のサイゾウが眉間に皺を寄せ、苦悶の表情を浮かべる。

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!

 サイゾウはただただ狂ったように叫び続ける。

「…イクッ!!

 その時、もう1人のサイゾウは今までにないほどに腰を前へ強く突き出した。まるで、ズンッ、と言う音が聞こえたかのように。そして、

 ドブッ!!ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブブブブ…ッッッッ!!!!

 と言う鈍い音と共に、サイゾウの体の奥深くへ、その淫猥な液体を放ったのだった。

 

「…決めたわ…!!

「…え?」

 不意に貴公子ジュニアが零した言葉に、ボクは反応していた。

「…他のカクレンジャーのメンバーを、アタシの手篭めにするわッ!!…そうね、ニンジャレッドなんかいいかしら。屈強そうな、熱血漢な男をボロボロにするほど、燃えるものはないわよねッ!!

 そう言うと、

 ギュイイイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言うけたたましい音を響かせて、貴公子ジュニアはエレキギターをかき鳴らした。

「ぁぁぁぁああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!おうおうッッッッ!!!!

「…屈強そうな、熱血漢な男…、…か…」

 その時、ボクの脳裏にはキラメイイエローが浮かんだ。そして、

 ドキンッ!!

 と、心臓が大きく高鳴ったのが分かった。

「…な…、…んだ…!?

 その胸の高鳴りが何なのか、その時のボクには何も分からないでいた。

「…じゃあ、ボクは次の時代へ行こうかな…!!

 ボクは気分を改めるかのようにそう言うと、

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、大声で笑いながら姿を消したのだった。

 

ーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第5楽章 完