刹那の夢 第11話
…ドロッ!!…ボタ…ッ!!
あまり水分のない、真っ白な液体の塊が床一面に飛び散っている。中には机の足に纏わり付くようにし、その先端を今にも滴り落とそうとしているものもあった。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
ダイナブラックに変身した星川竜。その筋肉質な体付きをクッキリと浮かび上がらせるように体に密着しているその漆黒のスーツは、今は汗ばみ、あちこちに染みを浮かび上がらせていた。
そんな染みとは別に付いた淫猥な染み。上半身の漆黒とは正反対の、光沢のある鮮やかな白色の下半身。竜の筋肉隆々な2本の足の付け根部分が引き裂かれ、そこから先端部分を真っ赤に腫れ上がらせた竜の未だに大きく勃起しているペニスが真っ直ぐに天を衝くように勃っている。そして、それは竜の心臓の脈動に合わせるようにビクン、ビクン、と脈打っていた。
「お〜い、竜さぁん!」
ダイナイエローに変身した南郷耕作がひょこっと顔を出す。そして、竜の目の前で右手をひらひらとさせてみる。
「大丈夫かい、竜さぁん?」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
だが、竜は目を虚ろにし、顔は上気したまま、時折、その体をビクッ、ビクッ、と痙攣させながら、その筋肉質な胸だけを上下に動かし続けている。すると南郷は、
「フフッ!!それにしてもいっぱい出たねぇ…!!」
と言うと、竜が飛び散らせた淫猥な液体をティッシュで拭き取って行く。
「うへえッ!!臭いも凄いよ、竜さんッ!!さっすが、若いねえッ!!」
いやいや、南郷の方が若いだろうに。そんなことを頭で思いながらも、竜は動くことさえ出来ない。どんよりとした体のだるさが竜を襲っていたのだ。
「竜さぁん。起き上がれるかい?」
暫くすると、南郷は竜の横へ戻り、その肩に手をかけた。
「…あ…」
少しだけ落ち着きを取り戻した竜は声を上げると、
「…んく…ッ!!」
と言いながら、南郷に支えられてゆっくりとその場に起き上がった。
「…フフッ!!…気持ち良かったみたいだね、竜さんッ!!」
「…は、…はは…」
ニコニコと目を輝かせている南郷に対し、照れ笑いのような笑みを浮かべている竜。そして、
「…は、…恥ずかしいものでござるな、…南郷…」
と言った。
「何言ってんだいッ、竜さんッ!!島ちゃんと実際に恋仲になったら、こんなことをやるんだろ!?その時、竜さんがリードするんだろッ!?」
「…そ、…そうで…ござる…が…」
ふんふんと鼻息を荒くする南郷にやや圧され気味の竜。
その時だった。不意に南郷がニヤリとしたかと思うと、
「じゃあ、竜さんッ!!復習だッ!!」
と言ったかと思うと、南郷は竜の目の前で仁王立ちになった。その視線の先を見た時、
「…ッッッッ!!!?」
と、竜は目を見開き、息を飲み込んだ。
ダイナイエローの、竜と同じように光沢のある鮮やかな白色のスーツに包まれた南郷の下半身。その2本の足の付け根部分に息づく、南郷の男としての象徴・ペニス。それがそのスーツの中で大きく勃起し、その姿をクッキリと浮かび上がらせていた。
ドクンッ!!ドクンッ!!
太く、長いそれは臍へ向かって真っ直ぐに伸び、南郷の心臓の脈動に合わせて大きく脈打っている。そして、その先端部分をぐっしょりと濡らし、スーツから真っ赤な先端部分が見えていた。
「…ま、…まさ…か…!?」
竜が声を震わせる。
「…そうだよ…、…竜さん…」
「…ッ!?」
その時、竜は見た。
「…な…ん…、…ごう…!?」
「…竜さん…」
冷たく光る南郷の瞳。まるで、竜を蔑むような、そんな眼差し。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
「…復習をするって言うことは、…竜さんがオレのをしゃぶるって言うことだよ…!!」
「…ウ、…ウソでござろうッ!?」
「…ウソなもんか…!!」
そう言いながら、南郷はダイナイエローの黄色のグローブで、自身のスーツのその部分を持ち上げる。そして、
「…ふん…ッ!!」
と言うと目をカッと見開き、それを左右に物凄い力で引っ張った。その途端、
…グジュッ!!…ニュチュ…ッッッッ!!!!
と言う淫猥な音と共に、竜の目の前に南郷のペニスがニュッと突き出されたのだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ドクン、ドクンと南郷の心臓の脈動に合わせるように揺れ動くそれ。太く、長いそれは体と垂直に勃っている。そして、その真っ赤に腫れ上がった先端の鈴口からはトロトロとした淫猥な液体が溢れ出し、ネットリと床に落ち、淫猥な糸で繋がっていた。
「…さぁ、…竜さん…」
「…い、…嫌だ…!!」
思わず尻で後ずさる竜。
「…そ、…それだけは…ッ!!…勘弁して下され…ッ!!」
「…フフッ!!」
それでも南郷はじりじりと竜に近寄って行く。
「…まさか、自分だけが気持ち良くなって終わり、って言うわけじゃないよね、竜さん?」
「…う…う…う…う…!!」
「竜さんだって、島をきちんとリードしたいんだろ?だったら、オレが教えたことを実践出来るか、試してみなきゃね!!」
さらっと言ってのける南郷。だがその時、竜は部屋の隅に追い込まれていた。
「…な…、…んごう…!!」
「…ほら…、…早くぅ…!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ブルブルと震える竜の右手がゆっくりと南郷のペニスへ向かって伸びて行く。
「…ククク…!!」
南郷の心の中には、言い表しようのない達成感と快感のようなものがグルグルと渦巻いていた。
(…竜さんを…!!…竜さんを、…遂に…!!)
コンプレックスを抱き続けていた相手を自分のものにした、自分が優越感に浸れる瞬間がやって来たのだと言うおぞましい感覚。
そして、黒いグローブに包まれた竜の右手が南郷のペニスを握ったその瞬間、物凄い快楽の電流が南郷の体に流れ、
「んんんんッッッッ!!!!」
と思わず呻き声を上げていた。
「…南…郷…?」
顔を真っ赤にして見上げる竜。
「…さ、…さぁ…、…竜さん…!!…オレのを…、…しゃぶってよ…!!」
竜と同じように顔を真っ赤にし、目をギラギラと輝かせ、不気味な笑みを浮かべている南郷。
ビクンッ!!ビクンッ!!
竜の右手に、南郷のペニスがビクビクと大きく脈打つ感覚が伝わる。
「…ッッッッ!!!!」
その時、竜は意を決したように目をギュッと閉じると、口を開けた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
興奮状態の南郷。心臓はドキドキと早鐘を打ち続け、体は熱を帯びたように熱くなる。そして、
「…あむ…ッ!!」
と言う声と共に、竜が南郷のペニスを口の中に含んだ。その瞬間、
「ふああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、南郷は体を仰け反らせ、大声で叫んだのだった。