災魔の誘惑 第36話(最終話)
「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!…ゴーグリーンッ!!…止めるんだああああッッッッ!!!!」
薄暗い暗闇に響く、やや高めの叫び声。そして、ガシャガシャと言う金属が擦れ合うような乾いた音。
「…ククク…!!…さぁ、ゴーレッド!!お前のエネルギーをサーペントナーガ様に捧げるのだッ!!」
同時に、最初の男性よりもやや低めの声の男性がやや声を弾ませるように、はぁはぁと荒い呼吸と共に言った。
グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!
淫猥な音が聞こえ、
「…やッ、…や…め…ッ!!…ああッ!!イクッ!!イクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う、最初の男性の声が上ずった途端、
ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!
と言う淫猥な音が辺りに響き渡った。
「カアアアアットッッッッ!!!!」
声がかかったその時、照明が付けられ、辺りが一気に明るくなった。
「ご苦労様でした。ショウ君。マトイ君」
黒い丸眼鏡の男・呪士ピエールがニヤニヤとしながらやって来る。ガリガリの痩せ型だったその体型が、ふっくらしたように見えるのは気のせいだろうか…。
「君達のシリーズは実に売れ行きがいいんですよ!!」
ピエールが嬉しそうに言うと、
「当たり前だろ?」
と、目をギラギラと輝かせた、光沢のある鮮やかな緑色のアンチハザードスーツを身に纏った男が言う。2人目の男性の声はゴーグリーンに着装していた巽ショウだった。
「オレとマトイ兄ィが組めば、最強ってなッ!!」
「…ああ…」
両手首を擦りながら、光沢のある鮮やかな赤色のアンチハザードスーツを身に纏った最初に叫び声を上げていた男性が言った。ゴーレッドに着装していた巽マトイ。その目からは光が消え、ぼんやりとしている。
「大丈夫ですか、マトイ君?」
ピエールがニヤニヤしながら言う。
「ちょっとエネルギーを搾り取り過ぎてしまいましたかね…?」
「だぁいじょうぶだって!!」
ショウはニヤリとすると、
「アニキのエネルギー、オレが補充してやるよ!!」
と言ったかと思うと、そのアンチハザードスーツの股間部分に手を突っ込み、
…グチュッ!!…グジュッ!!
と言う淫猥な音を立てながら、先端を真っ赤に腫れ上がらせた、大きく勃起したショウの男としての象徴であるペニスを引っ張り出した。
「…ほら、…しゃぶれよ…!!」
ショウが目をギラリと光らせてそう言った時だった。
「…う…あぁぁぁ…!!」
マトイが呻き声を上げ、体をブルブルと震わせたかと思うと、その場に跪き、ショウのペニスを握ったかと思うと、ゆっくりとそれを口の中に含んだ。
…ジュブッ!!…ジュブッ!!…ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
マトイのツンツン頭が前後に動き、同時に淫猥な音が辺り一面に響き渡る。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ショウが目を虚ろにさせ、体を小刻みに震わせる。
「…す…っげ…ぇ…!!…アニキ、…すっげぇ、…上手い…!!」
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
マトイの頭が前後に動くたびに、淫猥な音がますます大きくなり、マトイの口の隙間からは粘着質のある液体がポタポタと零れ、床とを繋いだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!…マトイ兄ィの口の中、…すっげぇ、…温かい…。…オレの、…オレのチンポが、…とろけ…そう…だぜ…!!」
ショウはマトイの頭を両手で押さえ、体を淫猥にくねらせる。
グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!
その時、マトイの右手は自身のアンチハザードスーツから飛び出したマトイの男としての象徴であるペニスを激しく前後に刺激していた。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!
淫猥な音が上から下から聞こえて来る。
「…ああッ!!ああッ!!イッ、イキそうッ!!」
その時、ショウがそう言い出したかと思うと、体をやや仰け反らせ、意識的なのか無意識なのか、腰を前後に降り始めた。
「んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!」
同時に、マトイも同じように呻き声を上げ、真っ赤になった顔を歪ませる。
「…イッ、…イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イックウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「んんんんんんんん――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!!」
ドブッ!!ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブブブブブブブブッッッッッッッッ!!!!!!!!
ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!
その瞬間、鈍い音が辺りに響き渡った。
「カアアアアットッッッッ!!!!」
それからも、ショウとマトイが出演するアダルトビデオはシリーズ化し、撮影され、飛ぶように売れた。その売上金の一部はピエールからマトイとショウに渡された。
「…それにしても、ここまで上手く事が運ぶとは…」
ピエールが先端がカールしている髭に触れながら言う。
「…ツタカズラ。…貴様、…ヤツらに何をした?」
「…フフッ!!」
体中が皺枯れた醜い老婆の姿をした災魔獣ツタカズラが笑う。心なしか、老婆の姿をしていてもどこか妖艶に見えた。
「…彼らにはただ、本能を引き出す魔法をかけただけですわ」
「本能を引き出す魔法?」
するとツタカズラは妖艶な若い女性・鹿鳴館香の姿になると、悪戯っぽく笑った。
「…ゴーグリーンには、性欲の赴くままに生きる魔法を。…そしてゴーレッドには、そんな己の性欲に葛藤しながらも、結局はその性欲に負け、その身を捧げてしまう魔法をかけた。それが2人にとって物凄く良い方向へ動いただけのこと」
ツタカズラはそう言ってショウとマトイを見つめる。目をギラギラとさせ、2本の足の付け根部分に息づくペニスを大きく勃起させているショウと、それに対し、目を虚ろにし、心あらずのような表情をしながらも、その2本の足の付け根部分に息づくペニスを大きく勃起させているマトイ。
「このままでいいのですわ」
ツタカズラがピエールの手を取る。
「ゴーグリーンもゴーレッドも、所詮は私のおもちゃ。その体内に無尽蔵に作り出される淫猥な液体を搾って搾って、私達災魔一族の糧とすれば良いだけのこと」
「…ああ…。…そう…ですね…」
ピエールとツタカズラの目がギラリと光った。
大魔女グランディーヌが復活したのはそれから間もなくのことで、災魔一族から地球を守るために戦っていたマトイとショウの残された兄弟達、ゴーブルーに着装する巽ナガレ、ゴーイエローに着装する巽ダイモン、そしてゴーピンクに着装する巽マツリはあっと言う間に敗北を喫し、地球は災魔一族のものになった。
皮肉にも、大魔女グランディーヌを復活させたのが、マトイとショウが生み出した淫猥なエネルギーだったと言うことを知らずに…。
災魔の誘惑 完