ちぎれた翼 第21話(最終話)
「…次は、…レッドホークでも狙うかな…?」
トランの発した言葉に、結城凱は思わず体を凍り付かせた。
「…ど、…どう言う…、…ことだ…?」
ブラックコンドルにクロスチェンジし、トランに奴隷として散々な目に遭わされていると言うのに、今度はレッドホーク・天堂竜を狙うと言う。トランはチラリと凱を見ると、
「…簡単に言えばぁ、キミには飽きたってこと?…あ、いや、奴隷が2人いるのも面白いかも…!」
と言い、ニヤリと笑った。
「奴隷が2人もいたらさ、ボクは両側から抱き締めてもらって眠れるんだね!それに奴隷2人がエッチなことをするところを見るのも面白いしね!」
「…て…んめ…え…ッ!!」
凱がブルブルと体を震わせる。ブラックコンドルにクロスチェンジしているため、白いグローブで包まれた拳がギリギリと音を立てる。
「と言うかさ!」
するとトランは、ぐったりと地面に大の字に伸び、頭だけ上げている凱のもとへ歩み寄り、しゃがみ込んだ。
「キミとは全く正反対の性格のレッドホークが、ボクがキミにしたようなことをしたらどうなっちゃうのかなぁ?真面目な性格のレッドホークが性の快楽に溺れ、壊れてしまうところ、キミも見たくないかい?」
「ふっざけんなああああッッッッ!!!!」
今まで必死に押し留めていた感情が一気に噴き出したかのように、凱は大声を上げ、スクッと立ち上がった。
「これ以上ッ、仲間に手出ししやがったら、このオレがただじゃおかねぇッ!!」
大きく息をし、トランを睨み付ける。最初は呆気に取られていたトランだったが、フンと鼻で笑い、
「その格好じゃ、全然説得力ないんですけど…?」
と言った。
「…ク…ッ!!」
確かにそうだ。ブラックコンドルにクロスチェンジしているとは言え、そのバードニックスーツには凱が出した濃白色の、異臭を放つ大量の精液が飛び散っている。また、股間からは凱のプライドとも言えるべきペニスがブラブラと揺れ、その中に残されていた淫猥な液体が糸を引いていたのだ。
「いいかッ!これだけは言っておくッ!」
凱はそう言うと、ブリンガーソードを抜いた。
「オレはどうなろうと構わねぇッ!!だがなッ、オレの大事なダチをバカにするのは、絶対に許さねぇッ!!」
凱の目には闘志の炎が宿っていた。だが、トランは一向にそれに怯むことなく、
「あっそ。じゃあ、どうにかなっちゃってよ、ブラックコンドルぅ!」
と言うと、さっきまで凱の体を弄っていたグリナム兵3体に目配せした。その瞬間、その3体は不気味な声を上げながら凱に襲いかかったのである。
「はああああッッッッ!!!!」
凱は物凄い勢いで飛び出して行ったかと思うと、ペニスが突き出していることに構わず華麗な技を決め、あっと言う間にグリナム兵3体を倒してしまった。
「残るはてめえだけだッ、トランッ!!」
だがトランは、
「…哀れだねぇ…!」
と言い、
「…キミ、…自分の体がどうなっているのか、忘れたのかい?」
と言うと、キーパッドメタルトランサーに手をかけた。
ピッ!!
と言う音がした瞬間、
「んあッ!?…ああッ!!…ぐううう…ッ!!」
と凱が声を上げた。
「んんんんッッッッ!!!!」
凱のペニス。射精した後はすっかり萎え、ブラブラと揺れていたそれが、今ではザワザワと音を立てるかのように上下運動を独りでに行っている。その刺激に懸命に耐えようとしているのか、凱が体をブルブルと震わせながら下半身に力を入れ、グッと立っている。だが、体は正直で、刺激されている凱のペニスはムクムクと勃起を始めていた。
「…こうなったら、…本当にキミのおチンチンを使い物にならなくしてあげるよ!」
トランがムスッとした表情で凱を見つめる。だが凱は冷や汗を垂らしながらも、
「…それでも、…オレは…!…お前に、…一矢報いる…ッ!!」
と言い、ブリンガーソードの刃先をトランの方へ向ける。その時、トランはキーパッドメタルトランサーに手を伸ばした。
ピッ!!
と言う甲高い音が再び聞こえたその瞬間、
「ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!」
と凱の悲鳴が聞こえた。そして、体を仁王立ちにさせたかと思った次の瞬間、
ドビュッ!!ドビュドビュドビュッッッ!!!!ビュクビュクビュクッッッ!!!!
と言う音が聞こえるほど、凱のペニスの先端から大量の精液が放たれた。
「…はぁ…ッ!!…はぁ…ッ!!」
腰からガクンと体を折り曲げるようにし、ブリンガーソードを杖にして何とか立ち上がる凱。それでもその瞳は、トランを懸命に睨み続けている。
「…何か、腹が立って来た…!!」
明らかに不機嫌顔のトランがそう言う。そして、キーパッドメタルトランサーに再び手を掛けた。
ピピッ!!
明るい音が連続して聞こえた次の瞬間、
「ぐぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う凱の絶叫が響き渡る。
「がああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ぐおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
凱のペニスが独りでに上下運動を繰り返している。いや、良く見るとしっかりと剥け切り、真っ赤になった先端を抉られるように強い刺激が与えられているのが分かった。射精直後の敏感になった先端を責められ、激痛が凱を襲う。
「…ま、…負ける…かぁぁぁッッッ!!!!」
顔を真っ赤にし、体をブルブルと震わせながらも、トランに立ち向かおうとする凱。だがトランは明らかに余裕な表情を見せ、
「そう言えば、キミに伝えていなかったことがあったね」
と言った。
「…な…に…?」
「キミとの奴隷契約書の第3条だよ」
一瞬、嫌な予感が凱の頭を掠める。
「第3条。この奴隷契約を解除する際は、奴隷は命を以ってその代償を支払う」
トランがそう言い放ったその瞬間だった。
「ああッ!?ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!」
突然、凱のペニスが再びざわざわと激しく上下運動を始め、その刺激に凱が叫び声を上げる。更に、凱のペニスの下に息づく2つの睾丸がぐにゅぐにゅと揉み込まれるように蠢いていた。
「やッ、止めろオオオオッッッッ!!!!」
下腹部から這い上がって来るじんじんとした痺れ、そして睾丸を揉み込まれることによる鈍痛。その2つの感覚が凱を襲う。
「ぐわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
とうとう耐え切れなくなり、凱は地面を転げ回り始めた。
「フフフ…!…じゃあ、さよならだね、ブラックコンドルぅ!!」
そう言ったトランの手が、再びキーパッドメタルトランサーにかかった。
ピーッ!!
甲高い長い音が響き渡った。その瞬間、
「がああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!イクッ!!イクッ!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と凱が絶叫し、腰をグンと突き上げた。そして、
ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!
と物凄い量の精液が凱の真っ赤に腫れ上がったペニスから飛び出したのである。そしてそれは再び大きく弧を描き、凱の体、凱の顔、そして凱が倒れている周りへビチャビチャと言う派手な音を立てて落ちた。
それでも、凱のペニスへの刺激は止まらず、相変わらず勃起したままだ。
「ひがああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!まッ、またッ!!イクッ!!イクッ!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!
凱は更に射精を繰り返す。そのたびに凱は腰を何度も何度も跳ね上げ、その振動で凱のペニスがビクンビクンと大きく揺れ、濃白色な精液が弧を描く。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
やがて、凱の顔が真っ青になり始めた。だが、ペニスは相変わらず勃起をし続け、
ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!
と射精を繰り返した。
そして、何度目かの射精の時、
グシュッ!!
と言う鈍い音が辺りに響き渡った。
「…ッ!?」
その瞬間、凱の目がカッと見開かれた。
「…あ…、…あぁ…!!」
凱の体がブルブルと震え、目からは一筋の涙が頬を伝う。
「あらら、大事なところが潰れちゃったみたいだねぇ…!」
トランがニヤニヤと笑いながら言い、キーパッドメタルトランサーを操作した。
ピッ!
その瞬間、凱が寝転んでいたところに穴が開き、凱の体がその中へ消えて行った。
その後、凱は、凱が最初にトランに遭遇した運命の場所で発見された。
ブラックコンドルにクロスチェンジし、股間からはペニスを飛び出させ、その下に息づいているはずの睾丸は形もなく、凱の目は閉じられ、体はピクリとも動くことはなかった。
ガンッ!!ガラン、ガラン…。
どこからか落ちて来たブラックコンドルのマスクが地面にぶつかり、派手な音を立てた。だがそれも暫く転がった後、ぴたりと動きを止めたのだった。
ちぎれた翼 完