ちぎれた翼V 第18話

 

「…オレは、…このイエローオウルを、…オレのイヌにする…!」

 そう言った時、ホークコンドルの目がギラリと光った。

「…き…ッ、…き…ッ…!!

 顔を真っ赤にしたトランザ。その目が大きく見開かれ、血走っている。握られた拳がブルブルと怒りに震えていた。

「…フン…!」

 ホークコンドルは鼻で笑うと、

「…もう、…貴様に用はない。…オレはレッドホーク、ブラックコンドル、そして、このイエローオウルの力を得て、最強のバイオ次元獣となったのだから…!」

 と言った。

「…ぉぉぉぉおおおおのおおおおれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

 トランザがそう叫んだ時だった。

 ドンッ!!

 物凄い衝撃音が聞こえたかと思った次の瞬間、

「ぐはああああッッッッ!!!!

 と言うトランザの悲鳴が響き渡り、トランザは背後へ吹き飛んでいた。

「…ククク…!!

 ホークコンドルが低く笑う。そして、ゆっくりとトランザのもとへ歩み寄ったかと思うと、

「…分かるだろう?…今のオレはお前よりも強い。敵対するジェットマンの3人の能力を奪ってるのだからな!」

 と言うと、トランザに更に顔を近付け、

「…もしかしたら、…貴様をも陵駕するかもしれんな…!…そして、貴様の慰み物も頂くことになるかもしれん…!」

 とニヤリと笑った。

「…ッ!!

 その自信に満ちたホークコンドルの表情に、トランザの表情には明らかに恐怖が浮かんでいた。

「…か、…勝手にしろッ!!

 そう言うと、トランザはズカズカと言う足音を響かせながら、巨大魔城バイロックの闇の奥深くへと消えて行った。

「…フッ!」

 ホークコンドルが鼻で笑った時だった。

 ドサッ!!ドサドサッ!!

 雷太とホークコンドルの目の前に、2人の人間が落ちて来たのだ。

「…ッ!?

 それを見た途端、雷太の目が大きく見開かれた。

 肩から背中にかけて、鳥のようなデザインが施され、背中は赤一色。尻の部分までが赤一色で、そこから下は白。その間には黄色のラインが入っていた。

 正面は赤と白、黄色を基調とし、鳥をあしらったエンブレムと胸のVラインが入った上半身。白を基調とし、競泳水着のような形をした赤いパンツに黄色のラインが縁取られている下半身。それは全てきらきらと輝き、それを着こなしている人間の腕や足、胸などの筋肉を隆々と浮かび上がらせていた。堀の深い顔の、やや顎がしゃくれた男。レッドホーク・天堂竜だった。

 そして、もう1人。

 肩から背中にかけて、鳥のようなデザインが施され、背中は黒一色。尻の部分までが黒一色で、そこから下は白。その間には黄色のラインが入っていた。

 正面は黒と白、黄色を基調とし、鳥をあしらったエンブレムと胸のVラインが入った上半身。白を基調とし、競泳水着のような形をした黒いパンツに黄色のラインが縁取られている下半身。それは全てきらきらと輝き、それを着こなしている人間の腕や足、胸などの筋肉を隆々と浮かび上がらせていた。ブラックコンドル・結城凱だった。

「…りゅ、竜ッ!!…凱ッ!!

 雷太は思わず叫んでいた。そして、同時にほっとしている自分に気付いた。

 竜も凱も、あれだけ散々甚振られ、体中に回復することのない傷を付けられたと言うのに、どこから見ても普通の体付きに変わりはなかった。あれだけズタズタに切り裂かれたはずのバードニックスーツも、今やすっかりその形を復元し、キラキラと光沢を放っていた。

 そして。

 竜と凱のがっしりとした2本の足の付け根部分。

 竜と凱の男としての象徴であるペニス。それがそれぞれのバードニックスーツの中でその大きさを誇示していた。

「…フッ!」

 その時、ホークコンドルが鼻で笑った。

「…トランザのヤツ、自らの玩具までもを捨てたか…!」

 そう言ったかと思うと、

「…クッ…!!…ククク、…ッハッ、…アーッハッハッハッハッハ…!!

 と大声で笑い始めたのである。

「…ッ!?

 突然のことに状況が掴めない雷太は、ただ、目をパチパチとさせることしか出来ない。

「…アイツのプライドを傷つけるわけではなかったのだがな…。…だが、アイツ自身の慰み物を捨てたと言うことは、…オレにくれてやると言うことは、…オレのコレクションが一気に増えると言うわけだ…!!

「…コ、…コレクション…だと…!?

 何度も聞いた単語に敏感に反応する雷太。そんな雷太をゆっくりと見やると、ホークコンドルは、

「心配するな。貴様もオレのコレクションに加えてやるのだから」

 と言ったかと思うと右手を伸ばし、そのしなやかな指で雷太のイエローオウルの光沢のある黄色のパンツにある、雷太の男としての象徴をギュッと握ったのだ。

「んあッ!?

 突然の刺激に、雷太はビクリと体を反応させる。そして、

「…なッ、…何を…ッ!?

 と言いかけた時だった。

「…い、…嫌だ…!!

 雷太の声が俄かに震え始め、体はまるで硬直したように動かなくなった。

 それもそのはず。

 ホークコンドルの、雷太のペニスを握った右手には鋭い刃の付いた小型ナイフが握られていたのだ。

「そう。良く出来ました」

 まるで子供をあやすかのように、ホークコンドルは雷太の頭をぽんぽんと撫でる。そして、

「…貴様のここを楽にしてやろう…」

 と言ったかと思うと、

 ブッ!!

 と言う鈍い音を立てて、その小型ナイフが雷太の黄色のパンツに突き刺さった。そして、ホークコンドルがそのナイフを引っ張った途端、

 …ビッ!!…ビィィィィッッッッ!!!!

 と言う鈍い音が聞こえ、

 グチュッ!!

 と言う音を立てて、強烈な異臭と共にそこから雷太のペニスがポロンと飛び出した。

「…あ…、…あぁぁ…!!

 瞬時に雷太の顔が真っ赤になる。

「…ほう…」

 ホークコンドルはそれを手に取ると、しげしげと眺め始めた。

「…じッ、…ジロジロ見るなよッ!!

 目には涙が溢れている。そんな雷太を無視するかのように、

「…貴様のペニス…、…レッドホークやブラックコンドルとは違う…」

 と言い始めた。

「…大人らしく一応は剥けるのだな。だが、わりと小ぶりだ。それに、先端部分はきれいなピンク色をしている…」

 そう言ったホークコンドルがニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべ、

「…貴様、…童貞だな?」

 と問い掛けた。

「…んなッ!?

 その言葉に、更に顔が真っ赤になる雷太。そして、

「…ちッ、…違…ッ!!

 と言おうとした次の瞬間、

「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と言う甲高い声を上げ、体を大きく仰け反らせたのだった。

 

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