ちぎれた翼Ⅲ 第22話(最終話)

 

『…愚かなる人間共よ…!』

 その日の夕刻、テレビ局と言うテレビ局の電波には、薄暗闇の中で静かに腰掛けるホークコンドルの姿が映し出されていた。

「…なッ、…何、あれ…ッ!?

 スカイキャンプにいたブルースワロー・早坂アコが悲鳴に近い声を上げる。

「…ッ!?アコさんッ、あれッ!!

 同じようにスカイキャンプにいたホワイトスワン・鹿鳴館香が画面を指差し、呆然とその場に立ち尽くした。

 薄暗闇の中で静かに腰掛ける美青年・ホークコンドル。その背後には、大きな3つのカプセルのようなものがあり、その中に光沢のある鮮やかな白と赤、白と黒、白と黄色のスーツに身を包んだ3人の人間が十字架に架けられていた。彼らはその十字架の上で大の字に拘束され、両手首と両足首には金属製の拘束具が取り付けられていた。更に、彼らの頭部を覆っていたはずのマスクはどこにも存在せず、素顔が大きく晒されていたのである。

 いや、それだけではなかった。

 大きく広げられた彼らの2本の足の付け根。そこに息づく彼らの男としての象徴・ペニス。光沢のある鮮やかな赤、黒、黄色の競泳用水着を模ったようなデザインのその中で静かに息づいている部分に電極のようなものが取り付けられていたのだ。

『…オレは地球侵攻を開始する。…総攻撃だ…!!

 ホークコンドルの目がギラリと光を放つ。そして、チラリと背後を見やると、

『…この男達は、かつては貴様達を守る戦士・ジェットマンだった者達だ。だが、今ではすっかりオレのイヌに成り下がった。…ほら、…この通り…』

 と言うと、3人の股間部分に突き刺さっている電極に青白い光の電流が流れ始めた。

『うぐッ!?

『くああッ!?

『ああッ!!

 3人が三様に声を上げ、ビクンと体を跳ねらせる。

『…うう…ッ!!…うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 光沢のある鮮やかな白と赤のスーツを身に纏ったレッドホーク・天堂竜が体を仰け反らせ、叫び声を上げる。そして、

『うおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、光沢のある鮮やかな白と黒のスーツを身に纏ったブラックコンドル・結城凱が咆えれば、

『うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、その隣りで同じように光沢のある白と黄色のスーツを身に纏ったイエローオウル・大石雷太が悲鳴を上げた。

『ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 その時だった。

 大きく広げられた3人の足の付け根。3人の男としての象徴であるペニスが電極の刺激を受けてムクムクと大きく勃起し始め、スーツの中でベルトを窮屈そうに押し上げ始めたのだ。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 その光景にアコは言葉を失い、

「…い、…嫌…!」

 と香が俄かに震え始め、ポロポロと涙を頬に伝わらせる。そして、

「…嫌…、…嫌ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と絶叫したかと思うと、気を失い、その場に倒れ伏した。

 それはつまり、そのあまりに衝撃的な展開に、視聴者も画面に釘付けになったことを意味していた。

 やがて。

『ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!イクッ!!イクッ!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と竜が声を上ずらせて絶叫し、腰をグンと突き上げた。その瞬間、

 ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!

 と言う鈍い音と共に、レッドホークの真っ赤な競泳用水着の中で大きく勃起している竜のペニスの先端から濃白色な液体が物凄い勢いで飛び出し、カプセルの側面のガラスにぶつかり落ちた。

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 今度は凱が咆えた。そして、

『イクイクイクイクッッッッ!!!! イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と咆えたかと思うと、腰をガクガクと何度も小刻みに前後へ動かす。

 ドブッ!!ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブブブブッッッッ!!!!

 鈍い音が聞こえ、竜と同じようにブラックコンドルの真っ黒な競泳用水着の中で大きく勃起している凱のペニスの先端から濃白色な塊が飛び出した。

『ふああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 竜や凱とは違い、やや甲高い声を漏らす雷太。

『…だッ、…ダメだああああッッッッ!!!!…イクッ!!イクッ!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 ガタガタと十字架を揺らしながら叫ぶ。そして、

 ブピュッ!!ブピュブピュブピュブピュッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!

 と同じようにイエローオウルの鮮やかな黄色の競泳用水着の中で大きく勃起している雷太のペニスの先端から濃白色の液体を溢れさせた。

『…はぁ…ッ、…はぁ…ッ…!!

『…っく…ッ、…うう…ッ…!!

『…あ…、…あひ…!!

 竜、凱、雷太はそれぞれのカプセル内で大きく呼吸をしていたが、

『…うう…ッ…!!

 と呻いたかと思うと、ガクリと首を垂れ、動きを止めた。

『…ククク…』

 ホークコンドルの手元には、3人が出したばかりの淫猥な液体が、妖しげに光を放つグラスに集められていた。

『…フン…!』

 それをグイッと飲み干す。その瞬間、ホークコンドルの体がポウッと妖しげに輝いた。

『…ククク…!!

 再び、含み笑いを始めるホークコンドル。

『残るジェットマンは女2人。赤子の手を捻るよりも簡単だ…!…蹂躙の限りを尽くすとしよう…!』

 満足気な笑みを浮かべながらホークコンドルはそれだけ言うと、静かに立ち上がった。

『…お前達の絶望の悲鳴を聞きながら、…オレはゆっくりとこの3人と楽しむとするとしよう…』

 ホークコンドルがそう言った時、全ての電波が途絶え、モニターと言うモニターからホークコンドルの、いや、ホークコンドルだけではなく、レッドホーク・天堂竜、ブラックコンドル・結城凱、イエローオウル・大石雷太の姿も消えたのだった。

 そして、ホワイトスワン・鹿鳴館香、ブルースワン・早坂アコは呆気ないほどにホークコンドルに処理され、ホークコンドルの言葉通り、文字通り、壊滅を迎えたのであった。

 

ちぎれた翼Ⅲ 完