オーマの影 第23話
「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
それからも、アナザーライダーが現れるたびに、オレは仮面ライダージオウに、そしてゲイツは仮面ライダーゲイツに変身し、抜群のコンビネーションを発揮した。
「…ウソでしょ…?」
そのコンビネーションはツクヨミさえも呆然とするほど、お互いが暗黙の了解のように物凄く的確にタイミング良く動き、アナザーライダーを圧倒して行っていた。
「…ちょ…、…ちょっと、どうしちゃったのよッ、ゲイツううううッッッッ!!!?」
って、そっちかああああいッ、とツッコみたくなるほど、ツクヨミはゲイツの元へ駆け寄る。するとゲイツは、
「…な…、…何が…だ…!?」
と、妙にオドオドし、視線を泳がせた。
「何が、って…。ア、アンタとソウゴ君がこんなに息が合った戦いをしたことがなかったじゃないのよッ!?」
「そッ、そんなことない…」
「あるわよッ!!アンタ達、物凄くいがみ合っていたじゃないッ!?50年後の未来のサイテーサイアクの魔王を倒すってこの時代に乗り込んで来たのにッ!!」
「…あ、…あのー…」
「アンタは黙っててッ!!」
ツクヨミ、物凄い剣幕なんですけど…!!
するとゲイツは、
「…はぁぁ…」
と大きな溜め息を吐き、
「…も、…もう、50年後の未来にサイテーサイアクの魔王はいないような気がする。…そもそも、オレも少しはジオウの見方が変わったと言うことだ…!!」
と言うと、ゲイツはオレをじっと見つめた。
(…え?)
ドクンッ!!
オレの心臓が大きく高鳴った。何か、少しだけ不安が過ぎった。するとゲイツは、
「…もう、…向こうの世界に帰ってもいいかもな…」
と言うと、オレに背を向けてゆっくりと歩き出したのだ。
「…ゲ…イツ…?」
ドクンッ!!ドクンッ!!
オレはその場に立ち尽くす。
(…ゲイツが…、…50年後の未来に…、…帰る…?)
確かに、ゲイツは50年後の未来からやって来た。向こうの世界でオーマジオウになり、最低最悪の恐怖政治を行っているオレ。そんなオレを、まだオーマとしての素質がないこの時代に消そうとやって来たんだ。
(…ゲイツが…、…帰る…?)
もしかしたら、もう二度と会えなくなるのかもしれない。
(…そ…んな…)
嫌だ。
ゲイツに会えなくなるなんて。離れ離れになるなんて…!!
「…あれ?」
気が付いた時、オレは家に戻って来ていた。そんな家の中はしんと静まり返っている。
「…ゲイツ…」
オレは呟くようにゲイツの名前を呼んでみる。
オレを睨み付ける顔、アナザーライダーと戦う時の顔、そして、時々、フッと笑う顔。いろんな表情のゲイツの顔が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返す。
「…ゲイツ…、…本当に帰っちゃうのかな…?」
まさか、オレにこんな感情が芽生えるなんて思いもしなかった。
「この時代のお前に恨みはない。でも、未来のためだ。消えてもらうッ!!」
「俺はお前を消したくてウズウズしてるからな!!」
胸倉を掴んでそう凄んだゲイツ。
「…ゲイツ…」
ぽろぽろと涙が零れる。胸が苦しい。心の奥から込み上げて来るその感情に耐え切れなくなった。そして、
「…ゲイツ…、…ゲイツううううううううううううううううッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫んでいたんだ。
その時だった。
ドカドカと言う足音が聞こえたその瞬間、
バアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う物凄い音と共に、オレの部屋の引き戸が開いた。
(…この光景…)
前にも同じことがあった。
オレが不意に寂しくなって、ゲイツの名前を叫びながら泣き叫んだ時だったっけ。その時、ゲイツは物凄く不機嫌な表情をしていたのに、今は何だか物凄く切なそうな、泣きそうな表情になっていた。
…え?…泣きそう?
「…ゲ…、…イツ…?」
「…ッッッッ!!!!」
泣き笑いをして立ち上がると、ゲイツは顔を真っ赤にし、握り締めた拳をブルブルと震わせていたんだ。
「…ご、…ごめん、ゲイツ…。…ちょっと…、…いろいろ…、…あって…さ…」
その時だった。
オレはゲイツの両腕にしっかりと抱き締められていた。
「…え?」
ゲイツの両腕の力が強い。その体が火照っている。そして、ドクンッ、ドクンッ、と言うゲイツの心臓の音が物凄く大きく、早鐘を打っていたんだ。
「…ゲ…、…イツ…?」
「…ソウゴ…」
「…え?」
今、オレのことを名前で呼んでくれた?
「…い…、…嫌…だよ…!!」
オレの体がブルブルと震えている。
「…ゲイツぅ…。…50年後の未来に…、…帰らないで…ッ!!」
「…ッッッッ!!!!」
その時、ゲイツが息を飲み込んだのが分かった。
「…オレ…、…オレ…ッ!!」
もう止まらない。心の奥底に眠っていた感情を止めることが出来ない。
「…オレ…ッ、…ゲイツのことが好きなんだッ!!ゲイツにいつまでも一緒にいて欲しいんだッ!!」
その時だった。
ゲイツの体が動いたかと思うと、オレと向かい合った。
「…え?」
その顔が真っ赤になっている。でも、目が物凄く潤んでいるのが分かった。と、次の瞬間、生温かいものがオレの唇に重なっていた。
…クチュクチュ…ッッッッ!!!!…クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
くすぐったい音と共に、オレの口の中で蠢くゲイツの舌。
「…んん…ッ、…んふ…ッ!!」
「…んく…ッ、…んんんん…ッッッッ!!!!」
お互いを求め合う激しいキス。お互いの口の中でお互いの舌が蠢く。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
その時だった。
「…ッッッッ!!!!」
オレの足にぶつかる硬いもの。それを感じた時、オレは全身が熱くなるのを感じた。
ゲイツのガッシリとした2本の足の付け根部分。そこに息づく、ゲイツの男としての象徴・ペニス。それが今、ゲイツのズボンの中で大きく勃起していたんだ。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
暫くすると、お互いに口を離し、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返していた。
「…ゲ…、…イツ…」
「…ソウ…、…ゴ…」
じっと見つめ合うオレ達。そして、ゲイツの口がパクパクと動いたその時だった。
「…ソウゴ…」
「…え?」
ゲイツの顔が真っ赤になっている。
「…オレを…、…犯してくれ…!!」