どっちもどっち 第28話
…チュッ!!…チュクチュク…ッ!!…クチュッ!!
くすぐったい音が、しんと静まり返った部屋に響いている。同時に、
「…ん…、…ん…!!」
と言う小さな喘ぎ声も聞こえて来る。声からすると少年のような感じだ。
薄暗い小さな部屋の、小さなベッドの上。そのベッドの上いっぱいに広がるようにしてうつ伏せに倒れ込んでいる巨漢の男。光沢のある鮮やかな黒と白のスーツに覆われている。ブラックマスク・ケンタ。
「フフッ!!」
ケンタは優しく微笑むと、
「気持ちいいですか、アキラ様?」
と問い掛けた。
「…ん…」
すると、ケンタの下から声が聞こえた。
「…何か…」
先ほどの喘ぎ声と同じ声の主が、うっすらと目を開いた。
「…何か、…今までのケンタじゃないみたいだ…」
ケンタの大きな体にすっぽりと覆われるように、仰向けに横たわっている。光沢のある鮮やかな青と白のスーツに覆われている。ブルーマスク・アキラ。
するとケンタは穏やかに微笑み、
「さっきも言ったろ?もう二度と、アキラには怖い思いはさせないってな!」
と言い、アキラの体を優しく抱き締めた。
「…ケン…タ…ぁ…ッ!!」
それに釣られるかのように、アキラの両腕も、ケンタの大きな体の背中へ回っていた。
トクン、トクン、とお互いの心拍が心地良く響く。
「…アキラ様…」
じっとアキラを見つめるケンタ。
「?」
不意にケンタがニヤリと笑った。その顔にきょとんとするアキラ。
「ちょっとだけ、イタズラしてもいいですか?」
「…イタズラ?」
アキラにはこのケンタの言葉が理解出来なかった。しかし、アキラがそれを理解するよりも前に、ケンタはアキラの両手首を両手でがっしりと握ったかと思うと、それらでアキラの頭を挟むように固定してしまったのだ。
「…え!?」
アキラが驚いてケンタを見つめる。その目の奥には明らかに怯えが。するとケンタは苦笑して、
「だぁいじょうぶだってぇ、アキラぁッ!!」
と言った。そして、
チュッ!!
とアキラにキスをすると、
「これ以上のことは絶対にしない!!アキラを怖がらせるようなことは絶対にしないッ!!」
と言い、少しだけ体をアキラの足元の方へ移動させた。
「…え?」
アキラは頭を少しだけ上げ、ケンタの動きを見る。するとケンタは、アキラの胸にぷっくりと突出している小さな隆起の片方に静かに口付けた。その瞬間、チュッ、と言う音と同時に、
「んあッ!?」
と言うアキラの素っ頓狂な声が響いた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
アキラが体を仰け反らせ、目を大きく見開いてブルブルと震わせる。
「フフッ!!アキラ様って、ここも感じちゃうんですよねぇッ!!」
ケンタはそう言うと、アキラの右胸の突起に再び顔を埋めた。
…チュクチュク…ッ!!…ジュクッ!!ジュクジュクッ!!
ケンタの舌が、アキラのその突起をブルーマスクのスーツ越しに舐めたり転がしたりする。そのたびにケンタの舌と唾液、そしてアキラのスーツが擦れ合い、淫猥な音を立てる。同時に、
「あッ!!あッ!!…んあッ!!ああッ!!ああッ!!」
と言うアキラの甲高い喘ぎ声が響く。
「…やッ、…止めて…ッ!!…ケン…タ…ぁ…ッ!!」
自分の両手首を掴んでいるケンタの両手を離そうと、必死にもがくアキラ。だが力の差は歴然で、がっちりと固定された手首はびくともしない。
その間にも、ケンタはアキラの右胸の突起を執拗に責め上げる。
ジュクジュクッ!!ジュクジュクッ!!
淫猥な音がますます大きくなり、アキラは胸にじんわりとした湿り気を感じるようになった。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
喘ぐことしか出来ないアキラ。そのうち、
「…もッ、…もう、…止めて…ッ!!…ケンタああああッッッッ!!!!」
と叫び、顔を真っ赤にし始めた。そして、自身の下半身がじんじんと疼き始めるのを感じていたのだ。
「…フフッ!!」
その時、ケンタがゆっくりと顔を上げた。そして、
「…気持ちいいですか、アキラ様?」
と尋ねた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ…!!」
顔を真っ赤にして、大きく息をしているアキラだったが、
「…うん…!!」
と小さく頷いた。
「ですよねッ!!アキラ様のここ、こんなに大きくなっちゃってますもんねッ!!」
ケンタは嬉しそうにそう言うと、右手を離し、アキラの2本の足の付け根に息づく、アキラの股間を静かに包み込んだ。
「んああああッッッッ!!!!」
その途端、アキラが体をビクリと反応させ、大きく叫んだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
顔を真っ赤にしてケンタを見上げるアキラ。
「フフッ!!アキラ様ったら、こんなに大きくさせちゃって…!!」
そう言いながらケンタは、ゆっくりとアキラの股間のそれを優しく撫でる。
「…んッ!!…んんッ!!…あッ!!…ん…ッ!!」
ケンタの大きな手が、アキラの股間のそれを優しく包み、時折、アキラのそこの奥深くまで撫で上げる。そのたびにアキラはピクピクと体を反応させ、大きく身悶える。
「…気持ちいいですか、アキラ様ぁ?」
優しく問い掛けるケンタに、
「…やッ、…やっぱり…ッ、…ケンタは、…意地悪…だぁ…ッ!!」
と言うアキラ。
「え〜?全然、意地悪じゃないですよぉ!!」
ケンタは顔をぷっと膨らませると、アキラのそこをゆっくりと揉みしだき始めた。すると、
「んあッ!?あッ!!あッ!!あッ!!」
とアキラが艶めかしい声を上げる。ケンタはニッコリとし、
「前みたいに無理矢理襲ったりはしていませんよ?アキラ様が気持ちいいことしかしていませんからッ!!」
と言い、今度はアキラのそれを握り、ゆるゆると上下し始めた。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
アキラは顔を真っ赤にし、首をぶんぶんと左右に振る。だが、以前のように激しく抵抗するようなことはしなくなっていた。
「だッ、ダメええええッッッッ!!!!ケンタああああッッッッ!!!!」
不意にアキラが叫んだその時だった。
ドクンッ!!
ケンタの手に、アキラのそれが大きく脈打った振動が伝わった。
「…え?」
ケンタが驚いてそれを見つめる。
「…あ、…あぁ…ッ!!」
アキラは顔を更に真っ赤にしている。
「…あらら…!!」
ケンタが素っ頓狂な声を上げた。
「アキラ様、やっぱり感じちゃってたんですねッ!!」
アキラのブルーマスクのスーツ。その股間部分が光沢を失い、代わりに淫猥に照り輝く液体が溢れていた。