処刑!メガレッドU 第28話

 

「…ッ、…ぐしゅ…ッ!!

 ブルッと体に悪寒が走った。うっすらと目を開くと、目の前に明るい光が飛び込んで来た。

「…こ…こ…は…?」

 どうやら気絶していたらしい。家庭用電流を体中に流され、メガレッドのスーツが大爆発を起こして吹き飛んだ。意識が朦朧としている健太を、巧が更に追い詰めるように、健太のペニスを、屈辱的にも巧の前で粗相をしたそのペニスを再び口に含み、その快楽に耐え切れずに巧の口の中で果てたのは覚えている。

 だが、それ以降の記憶はぷっつりと途切れていた。

「…んなッ!?

 ようやく目が覚めた健太。

「何だッ、これッ!?

 健太の目に飛び込んで来たもの。放射線状に広がる6つの大きな照明。

「…ううッ、うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 驚きと恐怖で叫んでいた。

「もう止めろオオオオッッッッ!!!!止めてくれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

 とにかく必死だった。上半身はやはり一糸纏わぬ姿。その筋肉質な体のあちこちに血が滲んだ裂傷やミミズ腫れになった傷があった。巧によってメガスナイパーやドリルスナイパーで切り刻まれた跡だった。そして、下半身は光沢のあるメガレッドのスーツが辛うじて残っていた。

 更に。

 健太は今、病院の手術台のようなところに手首と足首を冷たい金属に拘束されて寝かされていたのである。

「…たッ、…頼むううううッッッッ!!!!…もうッ、…止めてくれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!巧いいいいいいいいッッッッッッッッ!!!!!!!!

 顔を真っ赤にし、声の限りに叫ぶ健太。冷や汗なのか脂汗なのか、はたまた暑くて噴き出した汗なのか、健太の体が手術台の光に照らされ、淫猥にキラキラと輝いた。

 その時だった。

 …コツ…。…コツ…。

 静かな、だが重みのある足音が聞こえて来た。

「…ッ!?…お、…お前は…ッ!?

 その瞬間、健太の顔が真っ青になった。

「…久しぶりだな、…メガレッド…!」

 低くしわがれた声だが冷酷さを醸し出すその声。全身を黒いマントのようなもので覆い、白髪混じりの毛髪に、ところどころを紫色に染め、側面を大きく立たせている。左手には杖を突いているその男。

「…Dr.ヒネラー…!」

 一瞬、ヒネラーを睨み付けるものの、呆然とする健太。そんな健太を見て、

「…やれやれ。…何故、私がここにいるんだと言う顔をしているな…!」

 とヒネラーは鼻で笑った。

「…ま…さ…か…!?

 その瞬間、健太は目を大きく見開き、ブルブルと体を震わせ始めた。

「ようやく気付いたかのかい、健太?」

 ヒネラーの横に、巧が相変わらず不気味な笑みを浮かべて立っていた。

Dr.ヒネラーとお前らに呼ばれているのはオレの伯父貴なんだよ。言い換えれば、オレはDr.ヒネラーの甥っ子ってわけ!だから、お前の体を使っていろんな人体実験をさせてもらったってわけ!」

「…そ、…それは…!」

 みるみるうちに顔が蒼ざめて行く健太。すると巧はコクンと頷き、

「そ!お前らメガレンジャーの身体的データは全て伯父貴の手に渡ってわけさ!今頃気付くお前もただのバカだけどな!」

「…て…め…え…ッ!!

 手首と足首に巻かれた金属製の鎖を引き千切ろうと懸命に体を捩らせる健太。だが、そんな健太を見た巧は、相変わらず不敵な笑みを浮かべてフンと鼻で笑うと、

「けぇんたぁ。もうおとなしくしろって!僕の恋人になったんだからさ!」

 と言うと、健太の元へ歩み寄り、健太の剥き出しになった体の、筋肉質な胸の右の突起にチュッと口付けをした。その途端、

「んくッ!!

 と健太が呻いたかと思うと、ビクンと体を跳ねらせた。

「…う〜ん…」

 その時、巧が首を傾げた。そして、

「そろそろ薬の効力が切れて来たのかな…。…健太の反応が薄くなったように思うんだけど…」

 と言った。だがすぐにニヤリとして、

「じゃあ、もう1〜2本、お注射しておきましょうか!」

 と言うと、あっと言う間にあの忌まわしい液体が入った注射器を2本用意したのだ。

「…止めろ…!!

 健太は思わず顔を強張らせ、声を震わせる。それを見ていたヒネラーは、

「巧。私の実験データは既に揃ったのだが、いつまでコイツと遊ぶつもりなのだ?」

 と呆れたように言った。すると巧は、

「伯父貴の用事は終わっても、オレの用事はまだ終わっていないんでね」

 と言い、

「もう少し、いや、永遠にコイツには嬲り者になってもらうのさ!」

 と言ったかと思うと目をカッと見開き、手に持った2本の注射器を光沢のある鮮やかな赤色のメガレッドのスーツの、健太のペニスの下に息づく2つの球体に一気に突き刺したのである。

 ブスッ!!ブスブスッッッッ!!!!

 鈍い音が聞こえたその瞬間、

「…あ…!」

 と健太が体を大きく跳ねらせた。

 有無を言わさない、あっと言う間の展開だった。

 ジュッ、ジュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!

 鈍い音を上げて注射器の中に入っていた液体が健太の体内に注ぎ込まれて行く。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 さっきの比ではなかった。1本ずつ、時間を置いて打たれるのではなく、一気に2本分の催淫剤が体内を駆け巡り、健太の体は瞬時にして火照り始めた。

「…あ…あ…、…あぁぁ…!!

 目を大きく見開き、体を小刻みにブルブルと震わせる健太。その口からは涎がトロトロと零れ落ちる。

 そして。

 健太の2本の足の付け根、健太の男としての象徴が再びドクンドクンと大きく脈打ち始め、物凄い勢いで勃起し始めたのである。

「…あぁぁ…!!

 健太の目が更に開かれた次の瞬間、

「…ぁぁぁぁ…。…ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言う健太の絶叫が辺りに響き渡ったのだ。

「ぐうわあああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 まるで魚河岸に釣り上げられた魚のように、四肢を拘束された体をバタンバタンと、手術台が壊れるのではないかと言うほどの衝撃音を立てて暴れる健太。

「…クックック…!!

 巧は勝ち誇ったように、満足気にそんな健太の淫らな姿を見ている巧。

「…やれやれ…」

 そんな巧を見ていたヒネラーはポツリと呟くように言った。

「…巧も、…やはり私と血が繋がった者だ…。…とうとう、…自分の一線を超えてしまったらしい…」

 この時、ヒネラーの目には、巧の体にぼんやりと重なる不気味な影が映っていたのだった。

 

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