アカニンジャー消滅! 第10話
「さぁ、消えてしまう前に、とぉっても楽しいことをしてもらってから消えてもらおうか!」
勝ち誇った笑みを浮かべている闇博士・マーブロ。その横には天晴と同じ体格の男・闇のアカニンジャー。
「…消える…?」
マーブロが言っている意味が分からなかった。
「…消える…って、…どっちが…?」
するとマーブロはいきなり不機嫌な顔になり、
「もうッ!キミはどこまでおバカなんだいッ!!」
と言った。そして、
「キミは出涸らしなのッ!!言い換えれば、この闇のアカニンジャーが今はキミの本体なんだ!!消えるって言ったら、キミが消えるに決まってるじゃないかッ!!」
と言い、
「さ、闇のアカニンジャー。ご挨拶を」
とそれまでの不機嫌顔はどこへやら、ニコニコとして言ったのだ。すると闇のアカニンジャーは忍者一番刀を振り翳したかと思うと、
「…暴れて天晴!…闇アカニンジャー…!」
と言った。その言葉に愕然となる天晴。聞き慣れた声が聞こえた気がした。
「…オレの…、…声…?」
「そそ。まぁ、正確にはキミの声じゃないけどね!」
マーブロがニヤニヤして言う。そして、闇のアカニンジャーを背後にピッタリとくっ付きながら、
「この子はねぇ、ボクがキミに出会う前に攫って実験に使用した様々なスポーツ選手の命もブレンドされているんだ。つまり、様々な人間とニンジャのハイブリッドと言ったところかな!」
と言いながら、闇のアカニンジャーの上半身をさわさわと撫で始める。
「…んなッ、何やって…ッ!?」
その時だった。
「…んな、…何だ…!?」
ぞわぞわとした悪寒が天晴の体を包み込む。慌てて背後を見る。だが、誰もいない。それなのに、誰かに背後から抱き締められ、上半身を、筋肉質な胸や腹部を撫でられているような感覚がする。
「…ま…さ…か…!?」
「ピンポーン!良く気付いたねえ!」
マーブロが大声を上げる。
「この闇のアカニンジャーはねぇ、キミの本体。つまり、闇のアカニンジャーにしたことがそのままキミにも伝わるってこと!…だって…」
マーブロの目がギラリと光ったかと思うと、再び怪人態に変化していた。
「…キミは、…出涸らし…なんだもの!」
その時だった。
ドスッ!!
鈍い音がした。同時に、
「うぐッ!?」
と天晴が呻き声を上げ、目を大きく見開き、体をくの字に折り曲げた。
「…あ…が…!!」
呼吸が出来ない。顔が真っ赤になる。呼吸をしようと無理に開けた口からは涎がポタポタと零れる。
「ンフフフ!凄いだろう?いいだろう?」
マーブロが天晴の方を振り返って言う。その目の前には、腹部に拳を受け、天晴と同じように体をくの字に折り曲げている闇のアカニンジャーが。
「でもこの子はボクの最強の手下だから、どんなに酷いことをしても文句の一つも言わなければ、逆に喜んでボクの願いを叶えてくれるんだよ!まさに最強の手下ニンジャだね!」
ドスッ!!
ドスドスッッッッ!!!!
そう言いながらも、マーブロは何度も何度も拳を闇のアカニンジャーに叩き付ける。
「おごッ!?」
「ああッ!!」
「ぐおッ!?」
そのたびに天晴は呻き声を上げ、体をくの字に折り曲げ、まるで一人芝居をしているかのように勝手に飛び跳ね、勝手に地面を転げ回る。
「ん〜〜〜〜、イイネイイネイイネエエエエッッッッ!!!!」
その光景を見たマーブロが満足気に声を上げる。
「一人で勝手に転げ回る出涸らしクン!イイネイイネイイネエエエエッッッッ!!!!」
「…出涸らしって、…言うなああああッッッッ!!!!」
ドスッ!!
「ぐはああああッッッッ!!!!」
目の前で闇のアカニンジャーが背後に吹き飛んでいた。同じように、天晴も背後に吹き飛び、そこにあった木製のテーブルに体を激しく打ち付けていた。
「…ぐ…うう…ッ!!」
マーブロの度重なる攻撃に、体が激痛を訴えていた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
ヨロヨロとしながら立ち上がる天晴。すると目線の先では闇のアカニンジャーが既にマーブロの横に立っていた。
「どうだい?自分で戦わずして、相手を攻撃する。ボクってば、本当に天才だろう?」
「…最っ低だよ、お前…!!」
口元が切れたのか、天晴のそこに血が滲んでいた。
「…あら、…最低…?」
天晴の言葉を聞いたマーブロが呆然として言う。だがすぐに、
「まぁ、いいや。次はちょっと恥ずかしくなってもらおうかな!」
と言った。そして、再び闇のアカニンジャーの背後に回り、両手をその筋肉質な胸元へ持って行った。そして、その筋肉質な胸に突き出た2つの突起をキュッと摘んだのだ。その途端、
「んあッ!?」
と天晴は素っ頓狂な声を上げ、体をピクンと跳ねらせた。
「…ああ…!?」
ビリビリとした電流のようなものが体に流れ、顔が火照る。ゆっくりと視線をやると、闇のアカニンジャーも同じように体を硬直させ、顔を天に向けている。
「ンフフフ!いいだろう、アカニンジャー?誰にも触られていないのに、感じてしまうだろう?」
「…お、…お前、…何…を…?」
ブルブルと声を震わせ、天晴は闇のアカニンジャーの体の上で這い回るマーブロの手の動きを追っている。
「じゃあ、次はぁ…!」
マーブロの手がするすると闇のアカニンジャーの下半身へ向かって下りて行く。
「…や、…止めろ…!!」
顔を真っ赤にした天晴が声を上げる。だが、マーブロは、
「ンフフフ!」
と笑ったまま、その右手を闇のアカニンジャーのガッシリとした2本の足の付け根、闇のアカニンジャーの男としての象徴であるペニスが息づいているであろう場所へ伸ばすと、そこに存在するふくよかな膨らみをキュッと包み込んだ。
「んくッ!?」
これには闇のアカニンジャーも声を上げ、ビクリと体を跳ねらせる。と同時に、
「んああああッッッッ!!!!」
と天晴も声を上げた。硬直した天晴の体。その2本の足の付け根にある、天晴の男としての象徴であるペニスはまるで持ち上げられたようにそれはおろか、その下に息づく2つの球体も、アカニンジャーの光沢のあるスーツの中で盛り上がって見えた。
「イイネイイネイイネエエエエッッッッ!!!!もっともっと楽しもうよぉッ!!」
マーブロの嬌声が辺りに響き渡った。