そして僕らは大人になる 第31話
その瞬間、俺の周りだけ時の流れがゆっくりになったように思えた。
「…え?」
コウと小太郎が一斉に俺に抱き付いて来た。コウは俺の左、小太郎は俺の右。その激しい衝撃に、俺の視線が動いて行く。
「…はえ?」
コウの部屋の壁を見つめていたはずなのに、その視線が少しずつ上を向いて行く。
「…お…?…お…?」
やがて、その視線は壁と天井の境界を見つめていた。その瞬間、まるで物凄い力が俺の体に加わったかのように重い衝撃が体に伸し掛かった。その時、
「のわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と俺は悲鳴を上げ、ドサッと言う音と共にベッドの上に倒れ込んでいた。もちろん、コウと小太郎を抱きかかえたままで。
「…リキ…。…リキいいいい…ッッッッ!!!!」
「リキ兄ちゃんッ!!リキ兄ちゃああああんんんんッッッッ!!!!」
コウと小太郎が俺にぎゅうぎゅうと抱き付いて来る。
「…ちょ…、…コッ、…コウ…ッ!!…小太郎も…ッ!!…重いよ…ッッッッ!!!!」
「リキいいいいッッッッ!!!!リキいいいいッッッッ!!!!」
「リキ兄ちゃんッ!!リキ兄ちゃああああんんんんッッッッ!!!!」
まるで子供のように俺にしがみ付いて来る2人。
「…フ…ッ!!」
思わず微笑んでしまった。
「…かわいいな、お前ら…」
2人の背中へ両腕を回したその時だった。
「んあッ!?」
突然、俺の体に言いようのない電流が流れた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
もぞもぞと2人の手が俺の体の上で蠢く。蠢く、と言うより、キングレンジャーの全身タイツだけになった俺の体を弄っているような、そんな感じ。
「…あ…ッ!!…んく…ッ!!…くあ…ッ!!」
2人の手が俺の首、肩、腕、胸、腹、太腿などを容赦なく撫でているんだ。いや、撫でるだけならまだしも、指を立ててクリクリとくすぐるようなこともする。全身タイツと言う薄い生地で作られたそこへそんな刺激を加えられたら、とてもじゃないけれど、耐えることは出来ない。
「…や…ッ、…止めろよ…ッ!!…コウ…ッ、…小太郎オオオオ…ッッッッ!!!!」
だが、2人は無言のまま、俺の体を刺激し続ける。
「…や…ッ、…止めろ…、…って…!!…く…ッ、…くすぐ…ったい…!!」
その時だった。
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
それまでとは違った電流が俺の体に流れ、俺は思わず体を仰け反らせていた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
俺の2本の足の付け根部分。そこに息づくふくよかな膨らみ。男としての象徴・ペニス。そして、その下に息づく2つの球体をコウの右手が優しく包み込んでいたんだ。
「…コッ、…コウ…ッ!!」
「…ククク…!!」
その時、コウは低い声で笑っていた。
「…罠に掛かったな、リキぃ…ッ!!」
「…な…、…に…?」
「オレはリキに近付くのを、いや、リキと体を密着させるのをじっと待ってたんだ。小太郎と一緒になあ…ッ!!」
「…え?」
「…ククク…!!」
小太郎までが意地悪い目付きで笑っている。
「ゴメンね、兄ちゃん。そう言うことだから!!」
そう言うと小太郎はゆっくりと起き上がり、俺の足元へ移動して行く。それと同時に、コウは起き上がると俺の頭の方へ移動して来た。
「…な…ッ、…何を…ッ!?」
ヤバい。ヤバいなんてもんじゃない!!そうこうしている間にも、コウはあっと言う間に俺の上半身を持ち上げ、その下に両足を投げ出して座った。そして、小太郎は俺の両足を思い切り持ち上げていたんだ。
「…止めろ…!!」
あの頃の思い出が甦って来る。
「こうなることは、最初から決まっていたのさ!!」
コウがニヤニヤと笑いながら言う。
「クリスマスパーティーの話を小太郎にした時、リキとエッチなことをすることを小太郎にも伝えておいたのさ!!」
「…な…ッ、…何だ…と…オオオオ…ッッッッ!!!?」
「そう言うこと!!」
今度は小太郎だ。
「…あ、…全身タイツのことは知らなかったけどね。でも、みんながヒーローになるって言うことはさ、やっぱり、こう言うことをしちゃうって言うことでしょ?昔みたいに、さ!!」
その時、小太郎がコグマスカイブルーの明るい空色の生地に包まれた右足を上げ、ゆっくりと俺のペニスに下ろしたんだ。
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その刺激に、俺は悲鳴を上げた。
「…た…ッ、…頼む…ッ!!…それだけは…ッ、…それだけは…ッッッッ!!!!」
ついこの間やられたあの感覚。それをまたやられるのかと思った時、
ドクンッ!!
と、俺の心臓が大きく高鳴った。そして、俺のペニスがビクビクと反応し始めたんだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
「あれあれえッ!?兄ちゃんのチンポ、オレの足の下で大きくなって来てるよぉッ!?」
「マジかッ!?」
コウが明るい声を上げる。
「うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…フフッ!!…兄ちゃあん。…本当は昔みたいに早く甚振られたくて仕方がないんでしょ?」
小太郎が意地悪い目付きで俺を見つめている。
「…んな…、…んなわけ…、…ねえ…ッ、…だろうが…ッ!!」
「ああ、無駄無駄。…リキぃ…、…お前のチンポ、ビンビンに勃たせておいて、それは説得力がないぜ?」
「…く…ッ!!」
コウに図星を指されて、俺は何も言い返せない。
「…じゃあ…、…始めるか…!!」
コウはそう言うと、小太郎と目を合わせた。
「…やれ!!」
「やッ、止め…ッ!!」
その時だった。
「おりゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
小太郎の右足が俺のペニスの上で小刻みに、しかも高速に動き始めた。
「ああッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!」
ペニスを伝わって来る心地良い感覚。
「…や…、…止め…!!」
止めろ、と言いたいのに、何も言えない。小太郎が与えて来る刺激に、俺はあっと言う間に流されていた。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
小太郎の電気アンマに、されるがままの俺は大声を上げて身悶えていた。