女王の妖魔術 第15話
…ビュクッ!!…ビュクッ!!
淫猥な音が聞こえるのと同時に、
「…ん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
と言う鮫島の呻き声が聞こえる。
光沢のある鮮やかな青色のバルシャークのスーツ。超高圧電流を浴びて爆発を起こし、既に光沢を失ったそれの2本の足の付け根部分から腹にかけて大きな染みが広がっている。そして、ボロボロに引き裂かれたスーツの隙間から、濃白色な粘着質のある液体が溢れ出していた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ヘドリアンの策略にまんまと乗せられてしまった鮫島。ヘドリアンの妖魔術によって操られたバルパンサー・豹朝夫に自身の男としてのプライドでもあるペニスを足で刺激され、更にヘドリアンの妖魔術によって体中の性感帯と言う性感帯を刺激され、為す術もなく絶頂へ達してしまった。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じる。握り締めた拳がブルブルと震える。今更後悔をしてももう遅い。
カッとなりやすい性格が鮫島の弱点だった。一度我を忘れてしまうと、見境が付かなくなる。それで何度もピンチに陥って来たと言うのに…。
「アァッハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンの勝ち誇った高らかな笑い声が聞こえる。
「バルシャークが生け贄のエネルギーを出しおったッ!!これで2人目じゃッ!!アァッハハハハハハハハ…!!」
一頻り甲高い皺枯れた声で笑うと、軽く咳払いをし、
「…では、…その生け贄のエネルギーをいただくとするかの…」
と言い、何度目かの両手を前へと差し出した。そして、
「…ああああああああ…」
と、何やら怪しげな呪文を唱え始めた。
「ベーダー妖魔術マンダラ、ベーダー妖魔術マンダラァァァァ…」
「うぐッ!?」
その時だった。
鮫島が目をカッと見開き、ビクンと体を大きく跳ねらせた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その体が小刻みにブルブルと震える。その体の表面を覆う、毒々しいほどに真っ赤な靄のようなもの。
「ベーダー妖魔術マンダラ、ベーダー妖魔術マンダラァァァァ…」
ヘドリアンは目を大きく見開き、両腕を大きく振り回す。
「…ぁぁぁぁ…!!」
するとどうだろう。鮫島のペニスが、鮫島の体と垂直になるように独りでに勃ち上がったではないか。と同時に、
「ふおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!?」
と言う豹の素っ頓狂な声も聞こえ、豹のペニスも同じように体と垂直に勃起していた。そして、その体の周りにも毒々しいほどに真っ赤な靄のようなものが纏わり付いていた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
「…ンフフフフ…」
ヘドリアンがニヤリと笑う。
「…バルシャークが生け贄のエネルギーを出したのと同時に、バルパンサーも再び生け贄のエネルギーを出しておったのか…!!…ならば…!!」
ヘドリアンは再び目を大きく見開き、
「ベーダー妖魔術マンダラ、ベーダー妖魔術マンダラァァァァ…ッッッッ!!!!!!」
と呪文を唱え始めた。それに呼応するかのように、鮫島と豹の体を包み込んでいる毒々しいほどに真っ赤な靄が不気味に輝く。そして、
「「ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」」
と言う2人の叫び声がその場に響き渡った。
「ベーダー妖魔術マンダラ、ベーダー妖魔術マンダラァァァァ…ッッッッ!!!!」
「「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」」
鮫島は仰向けに引っ繰り返ったまま、その場でまるで魚河岸に釣り上げられた魚のようにビクッ、ビクッ、と何度も体を跳ねらせ、豹は自身の大きく勃起したペニスを両手で覆ったまま、ゴロゴロと転がる。
「カアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして、ヘドリアンが一際甲高い声で叫んだその瞬間、
「「出るッ!!出るッ!!うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」」
と言う鮫島と豹の絶叫が聞こえ、
ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!
と言う音と共に、2人のペニスの先端から大量の濃白色な、強烈な臭いを放つ液体が物凄い勢いで飛び出した。
「モンガアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして、マジンモンガーが真っ赤な目を光らせた途端、その液体はマジンモンガーの元へと集まり、大きなガラス瓶の中に入って行った。
「…ぉぉおおおおおおおおぉぉ…!!」
ヘドリアンはウットリとした表情でそれを見つめる。
「…何と濃く、何と良い香りのする液体じゃ…!!…これを使い、最強のモンガーを誕生させ、この世を一気に支配してみせようぞ!!…アハハハハハハハハ…!!」
「…ぐ…、…う…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
ぼんやりとする意識の中で、鮫島はヘドリアンの高らかな笑い声を聞いていた。
(…何…とか…)
鮫島が出した淫猥な液体を吸い取られる瞬間、強烈な痛みが鮫島の意識を遠退かせた。そして、次に気が付いた時には自身の淫猥な液体はマジンモンガーが手にしていたガラス瓶に収まっていた。
(…何とか…、…しないと…!!)
鮫島の横には、ピクッ、ピクッ、と体を痙攣させて横たわっている豹がいた。
「…おい…、…豹…ッ!!…豹…ッ!!」
懸命に力を振り絞り、豹の体を叩く。だが、豹は、
「…あ…あ…あ…あ…!!」
と言ったっきり、目をパチクリさせている。
「…しっかり…しろ…ッ、…パンサアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「フフン!!」
「…ッッッッ!!!?」
気が付いた時、ヘドリアンが自身の真上に立っていた。その目をギラギラと輝かせ、不気味な笑みを浮かべて。
「無駄じゃ、バルシャーク。こやつは既に我々ブラックマグマの操り人形と化しておる。そして…!!」
ヘドリアンが目をカッと見開いた時だった。
それまでグッタリと横たわっていた豹の目がカッと見開き、物凄い勢いで立ち上がったのだ。
「…ククク…!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
絶望。鮫島の脳裏のその2文字が過ぎった。
「…ひょ、…豹…」
精気を吸い取られたかのように真っ黒な瞳。だが、確実に獲物を仕留めようとするほどにギラギラと輝き、その口元には不気味な笑みと涎が零れていた。
そして。
バルパンサーの光沢のある鮮やかな黄色のスーツ。その薄汚れた2本の足の付け根に息づく、豹の男としての象徴・ペニス。それが今、バルパンサーのスーツを引き裂いて飛び出し、ビクンッ、ビクンッ、と大きく脈打っていた。
「…こやつのペニスは勃起しても皮を被ったままのようじゃな…!!…アァッハハハハハハハハ…!!」
ビクンッ、ビクンッ、と脈打つ豹のペニス。その先端の蕾からはトロトロと淫猥な白い液体が溢れ出し、ポタポタと零れ落ちていた。
「…く…っそ…オオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
鮫島は目を閉じ、呻くように叫ぶ。
「…さぁ、バルパンサー。…バルシャークを好きにするが良い…!!」
ヘドリアンの声が聞こえた時、
「…うう…ッ、…うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う雄叫びを上げて、豹が鮫島に飛び掛かった。