女王の妖魔術V 第4話
その頃、ブラックマグマの広間では、ヘドリアンが相変わらず両腕をブンブンと回し、低く呪文を唱え続けていた。
「…ああああああああ…」
その唸るような声は不気味に響き渡り、それに合わせるかのように彼女の体からは不気味なオーラが漂っていた。
「…さぁ、行け、大介…。…そなたの居場所を奪ったバルシャークに屈辱を与えるのじゃ…!!」
目をギラリと光らせたヘドリアンが水晶越しにそう言った時、
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と大介が雄叫びを上げたかと思うと、ペッタンモンガーのマスクを取り付けられた他の人間に押さえ付けられているバルシャークに掴み掛った。
「お前さえいなければッ!!お前さえいなければああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…おッ、…落ち着けッ、大介エエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
鮫島が悲鳴を上げた。
青柳大介。バルイーグル・飛羽高之が教える剣道教室に通う生徒。竹刀で叩かれても叩かれても立ち向かって来る。その根性と才能は並外れたものではないことを、飛羽は感じ取っていた。だからこそ、大介に期待をしていたのだ。
「…この先が楽しみだ…!!」
呟くように言ってニッコリと笑うこともあった。
だが…。
そんな大介の心の奥底には、大介自身も気付いたことがなかったであろうおぞましい感情がぐるぐると渦巻いていたのだ。
(…飛羽が…、…憎い…ッ!!)
自信の才能を認めることなく、自身をサンバルカンに推薦してくれなかった飛羽。
(…俺は…、…強いんだ…ッ!!…今の俺なら、サンバルカンになれるんだ…ッッッッ!!!!)
そのくらい、自身の剣道の腕には自信があった。だが、飛羽はそんな話も一言もしなかった。いや、あろうことか、飛羽自身がバルイーグルであると言うことすら、大介には教えていなかったのだ。
(…いつか…!!…いつか、俺がサンバルカンになってやる…ッッッッ!!!!)
バルイーグルとしてブラックマグマと戦う飛羽。その姿は眩しく、大介にとっては憧れ以上の感情があった。それなのに、飛羽の横には、今、大介の目の前にいるバルシャーク・鮫島欣也と、自身の後ろで他の人間に地面に押さえ付けられているバルパンサー・豹朝夫がいる。
「…みんな…ッ!!…みんなッ、憎いイイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その時だった。
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!??」
突然、鮫島が素っ頓狂な声を上げた。
「アァッハハハハハハハハ…!!」
水晶越しに事の成り行きを見守っていたヘドリアンが面白そうに笑い声を上げた。
「いいぞ、大介ッ!!そのままバルシャークに屈辱を与えるのじゃ!!…そして…」
ヘドリアンの目がギラリと光る。
「…バルシャークにも、ペッタンモンガーの仮面を付けるのじゃ…!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
バルシャークに変身した鮫島。その鮫をあしらったマスクの中で顔を真っ赤にしていた。
「…だ…、…大…、…介…!?」
「…ククク…!!」
光沢のある鮮やかな青色のスーツ。そのガッシリとした2本の足の付け根部分に、大介の右手が伸びていた。そして、そこに息づく鮫島の男としての象徴であるペニスと、その下に息づく2つの球体を大介の右手が握り、やわやわと揉みしだいていたのだ。
「…や…ッ、…止めろ…ッ!!…大介…ッ!!」
こんなところでいきなり何なんだ、と言いたくなるほど、鮫島は困惑していた。
「…おッ、…おい…ッ、…大介…ッ!!」
体を動かしたくても、ペッタンモンガーのマスクを付けられた人間に取り押さえられている。腰を引きたくても、背後にいる人間が邪魔をしている。いや、それよりも鮫島の腰をグイグイと前へ押し出し、そこに息づく鮫島のそれを大介が握りやすいようにしていたのだ。まさに、何も出来ないとはこのことだった。
「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!」
「…へぇぇ…。…バルシャークが感じてやがる…!!」
「…かッ、…感じてなんか…」
言いかけた時、大介の右手は鮫島のペニスを包み込むようにし、激しく上下に動かし始めたのだ。
「うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
突然の刺激に思わず叫ぶ。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
体が仰け反り、思わず悲鳴が上がる。
「…やッ、…止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!…止めて…ッ、…くれエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
久しぶりの感覚に体中にビリビリと電気が走る。しかも、他人に刺激されると言う感覚に、自分でするよりも強烈な感覚を覚えていた。
「…ククク…!!…バルシャークのチンポ…、…少しずつ硬くなって来たな…!!」
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
鮫島のペニスに芯が入り始める。と同時に、バルシャークのスーツの中でそれは硬さを増し、少しずつ膨張し始めていた。
「…シャッ、…シャアクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
豹が叫ぶがいかんせん、大勢の人間に押さえ付けられ、地面にうつ伏せにされている。これではどうすることも出来なかった。
「…ほら…。…ほら…!!」
大介は面白そうに鮫島のペニスを時に優しく、時に小刻みに刺激する。そのたびに鮫島は、
「…あッ!!…あふ…ッ!!…あッ!!あッ!!…ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、体をくの字に折り曲げたり、仰け反らせたりして喘ぐ。
「…止めろ…ッ!!…止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
大介の手の中で、鮫島のペニスがビクビクと脈打っていた。
(…ま…、…拙い…ッ!!)
鮫島の意思とは反対に、鮫島のペニスは熱を帯び、バルシャークの光沢のあるスーツの中でその存在感を表し始める。
「ほぉら、やっぱり大きくなって来た。…ククク…!!…いい様だなぁ、バルシャーク…ッ!!」
そう言う大介の男としての象徴も、剣道着の薄い生地の中で大きく勃起し、前へ向かってテントを張っていた。
「アァッハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンが上機嫌で笑う。
「見たか!!これがペッタンモンガーの仮面を貼り付けられた者達の運命じゃ…!!」
そう言うと、ヘドリアンは静かに歩き始めた。
「一度、顔移しに遭った者は、永久に仮面から逃れられないのじゃ!!仮面の恐ろしさをもっともっと見せ付け、散々人間共を弄んでやろうと言うわけじゃ!!ンハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!」
『…止めろ…ッ!!…止めてくれエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!』
『…だッ、…大介エエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!…その手を…ッ、…離せエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!』
モニター越しに鮫島と豹が叫ぶ声が聞こえて来る。
「…ンンッフフフフ…!!」
ヘドリアンは意地悪い笑い声を上げ、
「…無駄じゃ無駄じゃ!!…いかに助けようとも絶対助ける方法などはない。ペッタンモンガーの仮面は人間共の邪悪な心を捉えて、離さないのじゃ!!」
と満足気に言ったのだった。