僕だけのヒーロー 第16話
翌日――。
「…じゃあ、シオン。…オレ達、営業に出かけて来るから、留守番頼むよ?」
竜也さんがニコニコしながらそう言うと、タイムブルーのアヤセさん、タイムピンクのユウリさんは相変わらず無言のまま、玄関を出て行きます。
「…グフッ!!…グヘヘ…!!」
その中でタイムイエローのドモンさんだけは真剣さが窺えない状況でした。ヘラヘラと笑い、鼻の下を伸ばしています。
(…今日も女の子をナンパ…、…か…)
ふぅと溜め息を吐きました。
「どした、シオンん?」
その時、竜也さんが僕の顔を覗き込んで来ていました。
「…え?…あ、…な、…何でもないですよ…」
僕はそう言ってニッコリと笑うと、
「行ってらっしゃい!!頑張って下さいねッ!!」
と言うと、4人を見送りました。
でも、これは僕の中で演技にしか過ぎませんでした。そして、それは普段通りに振る舞っている竜也さんも同じことでした。
「…さて…」
しんと静まり返った部屋の中。僕が声を上げたその時でした。
ガチャッ!!
扉が再び開いて、1人の男の人が部屋に入って来たのです。
「…フフッ!!」
その姿を見た時、僕は思わず笑ってしまいました。
「お帰りなさい、竜也さん!!」
そう言う僕の心臓は今、ドキドキと早鐘を打っています。これから、僕にとって物凄くワクワクするようなことが待っていたからです。
「…」
それとは反対に、竜也さんはじっと僕を見つめているだけでした。しかも、その場に固まってしまったかのように動かなくなったのです。
「竜也さぁん。こっちに来て下さいよ!!」
「…」
僕がそう言うと、竜也さんは静かに僕の目の前までやって来ました。そして、
「…約束通り…、…みんなをまいて帰って来たけど…」
と、心なしか緊張した面持ちで、ちょっと顔を赤らめて言いました。
「…ねぇ、…シオン…。…オレは…、…どうすればいいんだい?」
半ばぶっきらぼうに、半ば諦めたように竜也さんが言います。そして、キッと僕を睨み付けたかと思うと、
「オレの体ッ、シオンの好きにさせてやるよッ!!」
と言ったのです。
「…フッ!!」
僕は笑うと、
「まぁまぁ。そんなに慌てないで下さい」
と言いました。
その時、僕はとても興奮していました。まさか、竜也さんの口から「シオンの好きにさせてやる」なんて言う言葉が出るなんて。そして、その言葉を聞いただけで、僕の男としての象徴は痛いくらいに勃起しました。
「…竜也さぁん…」
僕は少し甘えた声を出すと、竜也さんに抱き付きました。そんな僕の行動に、竜也さんは体を硬直させています。
「…竜也さぁん。…僕を…、…抱き締めて下さい…」
「…ッ!!」
僕がそう言った時、竜也さんの腕が伸びて来て、背後でギュッと僕を抱き締めました。
トクン…。トクン…。
竜也さんの温もりと同時に、竜也さんの心臓の音が聞こえて来ます。
「…竜也さん…。…あったかい…」
僕も竜也さんの背中に両手を回し、ギュッと抱き締めます。
「…竜也さん…」
「…」
「…キス…、…して…下さい…」
僕はちょっと竜也さんを見上げて言うと、竜也さんは無言のまま僕の頭を抱えるようにしました。そして、ゆっくりとその唇が僕の唇に近付いた時、
…チュッ!!
と言う、くすぐったくも静かな音がしました。
…チュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!…クチュクチュクチュクチュ…ッッッッ!!!!
最初は啄むだけのキスが、いつの間にか、舌を絡め合う情熱的なキスに変わっていました。
「…ん…ッ、…んふ…ッ!!」
「…は…ッ、…はあ…ッ!!」
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
お互いに強く抱き締め合い、唇を貪る僕達。そのキスが永遠のように感じられたその時でした。不意に竜也さんの唇が僕のそれから離れ、
「…シオン…」
と、僕を呼んだのです。
「?」
竜也さんの顔が真っ赤になっています。
「…シオンの…、…好きに…、…していいんだよ?」
そう言うと、竜也さんは更に顔を真っ赤にして、
「…シ…、…シオンのアソコ…、…オレの足に…、…当たってる…」
と言ったのです。
「…フフッ!!」
僕は笑うと、
「だぁってぇ。大好きな竜也さんと抱き合ったり、キスしたりしてるんですもん。それに、これから竜也さんをもっと甚振れると思ったら嬉しくて…!!」
と言いました。すると竜也さんは、
「…ッッッッ!!!!」
と息を呑み、顔を引き攣らせました。
「…フフッ!!…慌てないで下さいよ。ゆっくり楽しみましょうよ!!」
「…でも…」
心なしか、視線がきょときょとと忙しなく動いています。
「…早くしないと、みんなが帰って来ちゃうよ?」
「しょうがないなぁ!!」
僕はやれやれと苦笑すると、
「…じゃあ、竜也さん。クロノチェンジして下さい」
と言いました。すると、竜也さんはいきなり着ていたもの全てを脱ぎ始めたのです。
「…え?」
目の前に広がった光景を見た途端、僕は釘付けになりました。
「…こッ、…この方がいいんだろう、シオン?」
顔を真っ赤にして言う竜也さん。今、目の前の竜也さんは一糸纏わぬ状態でした。
「…竜也…、…さん…!?」
竜也さんの程よく日焼けした肉体。ゴツゴツした腕や脚。しっかりと割れた腹筋。
そして。
竜也さんのガッシリとした2本の足の中心部分に息づく、竜也さんの男としての象徴・ペニス。それはだらんと垂れ下がっているものの、その先端部分はきれいなフォルムを形成し、くびれがしっかりしていました。
「…竜也さん…。…凄い…ッ!!」
僕のアソコは大きなテントを張ったまま、僕のハーフパンツの前の部分を大きく押し出していました。
その時でした。
「クロノチェンジッッッッ!!!!」
突然、竜也さんが大声でそう言った途端、竜也さんの体は光沢のある鮮やかな赤色のタイムレッドのクロノスーツに包まれていました。もちろん、マスクは外した状態です。
「シオンもクロノチェンジしなよ」
「…じゃあ…」
それだけ言うと、僕の体はタイムグリーンの光沢のある鮮やかな緑色のスーツを纏っていました。
「じゃあ、竜也さん。ベッドに横になって下さい」
僕がそう言うと竜也さんは無言のまま、背後のベッドに横になりました。そして目を閉じ、大の字になりました。僕は竜也さんの横に座りました。
「いただきまぁすッ!!」
僕はわざと大声でそう言うと竜也さんのアソコに手を伸ばし、そっとそれを包み込みました。その途端、
「んッ!!」
と、竜也さんがピクリと反応し、体を跳ねらせました。それはまだ柔らかくて、それでも熱を帯びていて。
「…やっぱり大きいですね、竜也さんのココ…。…僕の手の中に収まり切らないです…」
僕はそう言いながら、ゆっくりと手のひらを動かし、竜也さんのペニスとその下に息づく2つの球体を優しく愛撫します。
「…ん…ッ!!…んあ…ッ!!…ク…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
竜也さんが時折、喘ぎ声を漏らし、体をビクッ、ビクッ、と痙攣させます。真っ赤になった顔は苦悶の表情を浮かべています。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
握り締めた拳がギリギリと音を立てます。
「竜也さぁん。感じちゃってるんですかぁ?」
「…る…ッ、…さい…ッ!!…んッ!!…んん…ッ!!」
口では強がる竜也さん。でも、竜也さんが吐き出す吐息とスーツに覆われているペニスは少しずつ変化を見せ始めていました。