力、絶体絶命! 第15話
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
生徒会室の前で、力は思わず蹲っていた。
ドクンッ!!ドクンッ!!
心臓が大きく高鳴り、呼吸が苦しくなる。
(…かッ、…体が…ッ!!…熱い…ッ!!)
眩しいくらいに真っ白な野球部のユニフォームを着た力。その顔がそのユニフォームの色とは反対に真っ赤になり、額からは大粒の汗が浮かんでいた。
(…どッ、…どうして…ッ!?)
今日も今から生徒会長である万里小路の屈辱を受ける予定になっていた。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
毎日のように呼び出され、野球部のユニフォーム姿だったり、レッドターボに変身させられたりして、その姿で筋肉質な胸に浮き出た2つの突起や、力の男としての象徴であるペニスを刺激された。
「…お前の野球部のその姿、そして、レッドターボの姿。…どちらも興奮するのさ…!!」
そう言いながら、万里小路は冷たいイメージのフレームの奥から見える瞳をギラギラと輝かせて力に屈辱を与える。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その刺激に抗い切れずに、力は何度も射精して果てた。
(…オレは…ッ!!…オレは一体、どうなってしまったんだ…!!)
嫌で嫌で堪らないはずなのに、ペニスは正直に反応し、眩しいくらいに真っ白なユニフォームの下に穿いたアンダーパンツの中で大きく勃起し、その形をクッキリと浮かび上がらせていた。いや、形を浮かび上がらせていただけならまだしも、そのきれいな形を作っている先端部分の鈴口からトロトロと透明な淫猥な液体を溢れさせ、それがシミとなって滲み出ていたのだった。
そして、今日。
「おい、力ぃ」
いつものように呼び止められ、力は一瞬、目を閉じる。
「今日も授業が終わったら、いつものところな」
「…ああ…。…分かってる…」
相変わらず、冷たいイメージのフレームの奥にある瞳をギラギラさせて、万里小路が冷たく言い放って来た。
本当のことを言えば、こんな屈辱的な行為は断じて受けたくなかった。男によって男の大事な部分、しかも、自身のプライドとも言えるべき性器を弄ばれ、刺激され、抵抗し切れずに射精して果てる。そんな無様なところを何度も何度も見られていた。だが、そんな力の心の内を見透かしているかのように、
「…もし、断ったらどうなるか、分かってるよな?」
と言うと、鼻でフンと笑う。
「…ああ…。…分かってるさ…!!」
顔を真っ赤にし、握り締めた拳をブルブルと震わせて絞り出すように言う力。
(…今日こそ、絶対に耐えてやる…!!)
そう思っていたはずなのに…。
「…遅かったじゃないか…」
生徒会室の奥の椅子に深々と腰かけた万里小路。その冷たいイメージのフレームの奥の瞳が、今は力を蔑むように見つめていた。
「…ちょ、…ちょっといろいろあっただけだ…!!」
そう言って強がる力。だが、その様子がどこか落ち着きがないことくらい、万里小路には分かっていた。
「…フン…ッ!!」
革製のふっくらとした椅子から立ち上がると、万里小路は力のもとへゆっくりと歩みを進める。そして、
「…約束は…、…ちゃんと守ったんだろうな…?」
と言うと、リュウの筋肉質な胸に浮き出ている2つの突起のうち、右側の突起をくりくりと刺激し始めた。
「…ん…ッ!!…んく…ッ!!」
顔を真っ赤にした力。その目がギュッと閉じられ、体がビクッ、ビクッ、と痙攣を繰り返す。
「…さぁ…」
「…レッド…、…ターボ…!!」
力がそう言った時、力の体が光り、光沢のある鮮やかな赤色のスーツを身に纏っていた。力がレッドターボに変身したのだ。
「…フフッ!!…相変わらず触り心地のいい体だ。…しかも、…俺だけがお前のレッドターボとしての姿をじっくりと拝むことが出来る…」
万里小路がニヤリと笑い、そう言うと、
「…そッ、…それ…が…ッ!!…お前の…ッ、…望み…だろう…ッ!?」
と言った。
「…ああ…。…そうさ…」
フンと鼻で笑う万里小路。その手がゆっくりと下へ下りて行く。
ドクンッ!!ドクンッ!!
心臓がさっきから大きく高鳴り続けている。体中の血液が煮えたぎるように熱く感じ、それが力のペニスへ集中しようとしている。
(…それ…だけは…ッ!!)
眉間に皺を寄せるほどに硬く目を閉じ、拳に力を入れる力。だが、力のペニスはその願いを裏切るかのように、レッドターボのスーツの中でその姿を大きくし、更には、そのスーツの裂け目から飛び出し、臍へ向かってそそり立っていたのだった。
約束。それは以前、万里小路が引き裂いたレッドターボのスーツを着て、万里小路の目の前で自身の大きく勃起したペニスを晒すことだった。
「…ククク…!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
おぞましいほどの自分の欲望が嫌になる。その時だった。
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビリビリとした電流がリュウの体を駆け巡り、力は悲鳴を上げ、体を仰け反らせていた。
「…相変わらず、お前のチンポは熱いな…!!」
顔を赤らめ、万里小路はウットリとした表情でスーツから飛び出した力のペニスを握っていた。
「…太さも…、…硬さも…、…全く申し分ない…」
「んくッ!!んあッ!!ああッ!!ああッ!!」
力の大きく勃起したペニスは今、万里小路の細くしなやかな指に静かに撫でられていた。
「…や…、…めろ…!!」
目を虚ろにし、はぁはぁと荒い呼吸をしている力。だが、そんな力を更に追い込むように、万里小路が言葉を続ける。
「…野球部のためだろう?…それに、…お前がレッドターボであることを知られたくないだろう…?」
「…ぉぉ…ま…ええええええええ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
だが、そう呻くように怒鳴るのが精一杯だった。野球部を存続させるため、野球部の予算を勝ち取るため、そして、自身がターボレンジャーのレッドターボであることを誰にも知られないため。
(…オレが…。…野球部のエースじゃなかったら…。…レッドターボじゃなかったら…!!)
何度考えただろう。もはや、自分の運命を呪うしかなかった。
「別にいいじゃないか」
はっと我に返った時、目の前では万里小路がしゃがみ込んでいた。
「…お前は、俺の愛撫を受けて気持ち良くなるんだから…」
「…ッ!?…おッ、…お前…ッ、…そのために…ッ!?」
「フフッ!!今頃、気付いたのか?」
そう言うと、万里小路はその細い右手を力のレッドターボのスーツの裂け目から中へ忍ばせた。
「止めろッ!!止めてくれッ!!」
だが、その時には、力のペニスは万里小路によって直接握られていた。
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
さっきとは違う悲鳴が部屋の中に響き渡る。
「…さぁ…」
万里小路の右手がゆっくりとそこから出て来る。それはつまり、力のペニスも一緒にそこから出て来ることを意味していた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
万里小路の目の前で仁王立ちになり、その光景をただ見つめることしか出来ない力。
「…大きい…!!」
万里小路がホウと溜め息を吐く。
「…止めろ…!!」
「…止めろと言うわりには、お前のチンポ、俺の手の中でビクビクと脈打っているのだが…?」
力のペニス。その大きく、太いそれは万里小路の右手には収まらないほどに大きくなっており、力の心臓の鼓動に合わせるかのようにビクッ、ビクッ、と脈打っている。
「…それに…。…先端の割れ目からはトロトロといやらしい液体が溢れて来ているのだが…?」
力のペニスの先端。真っ赤に腫れ上がったその鈴口からは透明な液体が溢れ出し、ポタッ、ポタッ、と淫猥な粘着質な液体を零し、床とを繋いでいた。
「…行くぞ?」
万里小路の目がギラリと光る。
「止めろッ!!それだけはッ!!」
目の前の万里小路が口を開いている。そして、その顔を力のペニスへ近付けて行く。
「止めろッ!!止めてくれッ!!」
そのペニスが万里小路の口の中へと消えて行く。そして、根本付近まで消えたその時、
…ジュブッ!!
と言う音を立てて、万里小路の口が閉じたのだった。