力、絶体絶命! 第18話
コツーン…。コツーン…。
しんと静まり返る細い通路。そこに2つの足音が響く。
(…な…、…んだ…、…ここは…ッ!?)
万里小路の「屋敷」に案内された力。大きな真っ白な壁の家の真正面にある玄関から出て来た万里小路の後について行く。その真正面の玄関から入るのかと思いきや、万里小路は玄関の前でいきなり右方向へ歩みを進めたかと思うと、家の横側へ回った。そして、その角にあった扉から中へと入ったのだ。しかも、その扉の向こうには地下へと続く階段があった。力は今、万里小路の屋敷の地下へと入って行っていたのだった。
「…ここだ…」
暫くすると、明かりが灯る通路の先に1つの扉があった。
ガチャッ!!…ギッ、…ギィィィィ…。
万里小路がドアノブを捻ると、古めかしい軋み音を立ててその扉がゆっくりと開いた。
「…入れよ…」
「…あ、…あ、ああ…」
万里小路に促され、部屋の中に入る力。
「…ここは?」
中に入ると、力はきょろきょろと部屋の中を見回した。まるでホテルの1室のようにこじんまりとした部屋。だが、革製のソファ、普通のベッド、エアコンなどがあるだけではなく、シャワールームやトイレまで付いている。普通に生活する分には全く問題がないようだった。
「ここは昔、うちのお手伝いが住んでいた部屋だよ」
力の目の前に立っている万里小路が力をじっと見上げている。
「地下室とは言え、空気循環もしっかりしている。おまけにシャワーやトイレもある。プライベートも完全に確保されるわけだ」
「…今は?」
「え?」
力の言葉に、万里小路が聞き返す。
「…今は…、…いないのか?…お手伝いさん…」
「…ああ…。…そもそも、今、ここは俺だけの別荘だからな…。…家族は別のところに住んでいるし、家なんて放っておいたら傷んでしまう。だから、大学も近い俺がここを使っているのさ」
その時だった。
「…力ぃ…」
不意に万里小路が力に近付いて来たかと思うと、その両手を力の背中へ回したのだ。
「おッ、おいッ、万里小路ッ!?」
驚いた力が万里小路を振り解こうとしたその時だった。
(…あ…、…れ…?)
その時、力は呆然となっていた。
(…オレ…!?)
力のガッシリとした両腕が、万里小路の背中へ回っていたのだ。
(…オレ…、…万里小路と…、…抱き合っている…!?)
考えただけでもおぞましい光景。自身の弱みを握り、それをもとにして力を陵辱し、プライドをズタズタにした相手。やせ細った華奢な体だけに、簡単に殴り倒そうと思えば倒せるそんな相手を抱き締めていたのだ。
そして。
ドクンッ!!
「はうあッ!?」
突然、力の心臓が大きく高鳴った。
「…力ぃ?」
当然のことながら、万里小路が驚いて声を上げる。だが力は、
「…あ…あ…あ…あ…!!」
と、目を大きく見開いたまま、顔を真っ赤にし、体を小刻みに震わせていた。
(…万里小路は…、…独りでここに住んでいる…?…コイツ以外、…誰も…いない…?…いや、…オレ達、2人だけ…!?)
ドクンッ!!ドクンッ!!
体中がかあっと熱くなるような感覚を覚えたその時、
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と力は大声を上げ、体をビクリと跳ねらせ、顔を天井の方へ向けた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
体中を流れるビリビリとした感覚。
「…どうしたんだ、力ぃ?」
「…ま…ッ、…万里…小路…ッ!?」
万里小路が、その冷たいイメージのフレームの向こうの瞳をギラギラとさせ、ニヤニヤと笑っている。その右手には、眩しいほどに真っ白な野球部のユニフォームの中で大きく勃起した力のペニスを、その股間部分のファスナーを開けて入り込んで握っていたのだ。
「…お前のチンポ…、…相変わらず熱いな…。…それに、しっかりと硬い…。…そして…」
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
力の体に、言いようのない電流が流れる。
…グリュッ!!…グリュッ!!
力のペニスの先端が万里小路の手のひらに擦れ、ぴりっとした痛みを与えて来る。
「…お前…。…下には何も穿いて来なかったのか?…そんなこと、俺は一言も頼んではいないが…?」
「…く…ッ!!」
顔から火が出るほど熱くなっている。恥ずかしいことなのに、万里小路に指摘されてそれを喜ぶかのように、万里小路の右手に握られた力のペニスがビクビクと脈打った。そして、
…グジュッ!!…グジュウウウウ…!!
と言う音と共に、力のペニスの先端部分がぐっしょりと濡れたのだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
「…ククク…!!…とんだ変態になったものだなぁ、力ぃ?…でも、嬉しいよ…」
そう言った時、万里小路は力の足元へ屈んだ。
「…や…、…めろ…」
そう言う力の声が弱々しくなっている。その目が虚ろになり、その体からは力が抜けていた。
「…こいつを、どうしてほしい?」
万里小路がそう尋ねた時、
ドクンッ!!
と、力の心臓が高鳴った。
(…か…、…体…が…。…言うことを…、…聞か…ない…!!)
屈辱的なことをされているはずなのに、体が万里小路を拒否しないのだ。そればかりか、次第に意識もぼんやりとし始めていた。
「…こいつを、どうしてほしい?」
万里小路が再び聞き返す。その言葉が、力の意識を更にぼんやりとさせたように思えたその時だった。
「…食べて…、…下さい…」
目を虚ろにした力。その口が動き、そう言葉を発したのだ。
「…オレの…、…チンポを…、…しゃぶって…、…下さい…」
そして、力のペニスがビクビクと脈打ち、
…グジュグジュ…!!…グジュウウウウ…ッッッッ!!!!
と言う音を立てて、そこから淫猥な粘着質な液体が溢れ出して来た。
「…しゃぶってほしいのか?」
万里小路がニヤニヤしながら力を見上げる。すると力は、
「…は…、…い…」
と言った。
「…仕方ないな…」
それでも、万里小路は嬉しそうに言うと、力のペニスをギュッと握った。
「んんッ!!」
力が顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じた状態で一瞬、腰を引いた。
…グジュッ!!…グジュウウウウ…ッッッッ!!!!
淫猥な音が聞こえた時だった。
「…力ぃ…」
「…万里…小路…様…?」
心なしか、万里小路が照れたような、ウットリしたような表情を浮かべている。その目が潤み、その瞳に吸い寄せられるように力が声をかけた。
「…レッドターボに…、…変身…して…くれないか…?」
「…は…い…」
その時、力は目を閉じると、
「…レッド…、…ターボ…」
と言い、次の瞬間、力は光沢のある鮮やかなレッドターボの赤色のスーツを身に纏っていた。その2本の足の付け根部分には切り込みが入り、そこから力の大きく勃起したペニスが現れた。
「…相変わらず、いい形をしているな…」
万里小路はそう言うと、ゆっくりと口を開く。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
力の呼吸が徐々に荒々しくなって行く。
「…行くぞ?」
万里小路がそう言った時、ぱくっと言う音が聞こえ、
「んはああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う力の叫び声が響いたのだった。