力、絶体絶命! 第2話(最終話)

 

 どのくらい時間が経っただろう。

 万里小路と無我夢中で快楽を貪り、お互いにお互いの情熱をぶち撒けた。

 男に男のプライドとも言うべきペニスを刺激され、挙句の果てには絶頂へ導かれた。ただでさえ、屈辱的な行為だったのに、いつの間にか、力はそれを快楽として受け止め、更に、万里小路を自ら犯すようになっていたのだった。

 トクン、トクン…。

 お互いの体の温もりを感じながら、今、力は上へ伸し掛かった万里小路の華奢な体を抱き締めていた。

「…」

「…」

 お互いに無言のまま、静かに抱き合っている2人。お互いがお互いに満足感に浸っていた。

「…力ぃ…」

「…」

 意識がぼんやりとしているのか、力は答えようとしない。すると、万里小路はフッと笑って、

「余程気持ち良かったようだな…」

 と言うと、力の顔に自身の顔を近付けた。そして、

 …チュッ!!

 と言う音と共に、力の唇に自身の唇を押し当てていた。

「…」

「…フフッ!!

 ウットリとした表情の万里小路。

「…」

 まただ、力はそう思っていた。

 ウットリした時の万里小路の表情は、レッドターボとしての自身を見つめる子供達の羨望の眼差しと同じだった。

(…オレが…)

 その時、力の両腕は万里小路を強く抱き締めていた。

「…力…?」

 万里小路が驚いた様子で力を見つめる。

「…オレが…、…お前を…、…守る…!!

「…え?」

 言うが早いか、力は万里小路の唇に自身の唇を押し当てていた。

「…ん…」

 万里小路が小さく呻く。

 …クチュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!

 お互いの舌が絡み合うくすぐったい音が響く。

 クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!

 力は万里小路の華奢な体を抱き締め、万里小路は力の未だに大きく勃起しているペニスを握り締めている。

「…力…。…力ぃ…ッ!!

「…万里…小路…様…!!

 クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!

 くすぐったい音がいつまでも響いていた。

 

「行くぞオオオオッッッッ!!!!レッドッ、ターボッッッッ!!!!

 力がそう叫び、両手のターボブレスを操作すると、その体が眩い光に包まれる。そして次の瞬間、力の体は光沢のある鮮やかな赤色のスーツを身に纏っていた。

「…やっぱり凄いな、力は…」

 万里小路はウットリとした眼差しで力を見つめると、ゆっくりと背後へ回る。そして、

「…今日は…、…どうしてやろうか…?」

 と言いながら、力の筋肉質な胸や腹筋へ回した両手をゆっくりと上下に動かす。

「…や…ッ、…止めろ…ッ!!

 力はその腕を振り解こうとする。だが、決して乱暴ではない。いや、それよりもむしろ、万里小路の両腕をしっかりと掴み、自身の両胸の突起へと誘うのだ。

「んくッ!!

「…ククク…!!…本当に淫乱になったな、力ぃ」

 そう言いながら、万里小路は力の体に自身の体を密着させる。そして、力の胸の突起をくすぐるように刺激し始めた。

「…あ…ッ!!…んあ…ッ!!…く…ッ!!

 ピクッ、ピクッ、とその体が跳ねる。

「…止めろ…ッ!!…変態…ッ!!

「…フンッ!!

 その時だった。

 万里小路の右手がスッと動いたその瞬間、

「あッ!!

 と力が短い声を上げ、腰をビクッと引いた。

「…や…、…めろ…ッ!!

 レッドターボの光沢のある鮮やかな赤色のスーツ。力のそのガッシリとした2本の足の付け根部分。そこから力の男としての象徴であるペニスが飛び出し、それを万里小路の細くしなやかな指が静かに触れていたのだ。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 その触れるか、触れないかの絶妙なタッチに、力はビクッ、ビクッ、と体を痙攣させる。

「…ククク…!!…相変わらず、いやらしいチンポだ…。…そんなに俺の愛撫を待ち侘びているのか…?」

 そう言うと、万里小路は右手で力のペニスを握ると、親指で力のペニスの先端をゆっくりと刺激し始めた。

 グリュッ!!グリュグリュッッッッ!!!!

「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 力の体がビクンと跳ね、仰け反る。

「…ククク…!!…相変わらず、お前のチンポはヌルヌルになっているじゃないか…!!

 グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!

「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!

 力のペニスを前後に刺激する万里小路。その刺激に合わせ、力が喘ぐ。

「…今日もお望み通りにイカせてやろう…」

「止めろッ!!止めてくれッ!!

 そう言いながらも、力のペニスはビクビクと脈打つ。

「…なぁ、力ぃ…」

「…は…、…い…」

 ペニスがグチュグチュと言う淫猥な音を立てるその音を聞きながら、力は万里小路に返事をした。

「…気持ちいいか?」

「…は…、…い…!!

 その顔には恍惚な笑みが浮かんでいる。

「…力ぃ…」

「…は…、…い…」

「…好きだ…」

「…オレも…、…です…!!

 グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!

「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 万里小路の右手の動きが加速度を増す。

「…さぁ、レッドターボ。…お前の処刑の時間だ…!!

 万里小路はニヤニヤと笑っている。

 グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!

「止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 力が叫ぶ。そして、万里小路の手の中のペニスがビクビクと何度も大きく脈打った次の瞬間、

「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と絶叫した。そして、ブチュッ、と言う鈍い音が聞こえた時、

 ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュウウウウッッッッ!!!!ビュクビュクビュクビュクッッッッ!!!!

 と言う音と共に、力の真っ赤に腫れ上がったペニスの先端の鈴口から大量の濃白色な、強烈な臭いを放つ淫猥な液体が物凄い勢いで飛び出したのだった。

 

 今、力と万里小路はお互いに抱き合いながら眠りに就いている。

 高校では今まで通り、友人とも取れないほどの距離を置いている。だが、お互いにこっそりと連絡を取り合い、授業が終わると逢瀬を重ねている。

「止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!止めてくれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

 力は時には野球部のユニフォーム姿で、そして、時にはレッドターボに変身し、万里小路が与えて来る快楽を甘受していた。そして、ひとたび行為が終われば、力は万里小路の体を優しく包み込み、万里小路は、レッドターボのスーツや野球部のユニフォームから飛び出した力の男としての象徴であるペニスを握り、眠りに就く。

 そのどちらの顔にも、満足げな笑みが浮かんでいるのだった。

 

力、絶体絶命! 完