毒牙 第12話
引間の細くしなやかな指が自身の筋肉質な両胸の突起に触れた時、強烈な電流が流れた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
目を大きく見開き、体をブルブルと震わせる洋平。その顔は真っ赤になっている。
「どうしたの、洋平君?」
知っているのにわざと意地悪な質問をする引間。すると洋平は、
「…え…、…え…っと…」
と口ごもる。
「…フフッ!!」
引間は笑うと、両手で洋平の上半身の上に広がっているオイルをゆっくりと広げ始める。
…グチュッ!!…グチュッ!!
洋平の筋肉質な胸、クッキリと割れた腹筋を時に優しく、時に強く撫で、そのオイルを塗り込むようにする。そして、その両手がゆっくりと上がって来ると、洋平の首から肩、そして両腕を片方ずつ、丁寧に揉み込んで行く。
…グチュッ!!…グチュッ!!
暖かく、ほんのりといい香りがするそのオイル。
(…気持ち…、…いい…!!)
強めの香りがするアロマと、それとは正反対に心地良い匂いを放つオイルに、洋平の意識はぼんやりとし始めていた。
「…洋平君、本当にいい体付きをしているよね…」
「…そう…、…ですか…?」
言い掛けた時だった。
「痛てててて…!!」
急に現実に戻されたかのように、洋平はビクンと体を跳ね上げる。引間が右の二の腕をグイグイと揉み込んでいたのだ。
「我慢して。今日の疲れは今日のうちに取っておかないとね」
「…で…ッ、…でも…」
…グリュッ!!
「ぐわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
あまりの痛みに、洋平は悲鳴を上げていた。
引間が洋平の右の二の腕を肘から肩の方へ向かってグイグイと押し上げていたのだ。
「リンパの巡りも良くなるようにしているんだ。痛いけど、これをやれば、腕が軽くなるから、少しだけ我慢して!!」
そう言った時、引間は洋平の顔に自身の顔を近付ける。
「…先…、…生…?」
涙目で引間を見つめる洋平。すると引間は、
「…この痛みを我慢したら…、…後で、たぁっぷりとご褒美をあげるから…!!」
と、ウットリとした眼差しで洋平を見つめた。その途端、
ドクンッ!!
と、洋平の心臓が大きく高鳴り、
「はうッ!?」
と、洋平は声を上げ、体をビクリと跳ねらせた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
洋平のガッシリとした2本の足の付け根部分に息づく、洋平の男としての象徴・ペニス。それは今、その姿をすっかり変え、光沢のある鮮やかな青色の競泳用水着から大きく飛び出し、臍へ向かって真っ直ぐに伸びていた。
「…フフッ!!…たったこれだけのことで、もう大きくなっちゃっているのかい?」
「…ち…ッ、…違…ッ!!」
ドクンッ!!ドクンッ!!
心臓が大きく高鳴り、それに合わせるかのように洋平のペニスまでもがビクビクと脈打つ。
「…じゃあ、続き、行くよ?」
そう言うと、引間は再び洋平の腕をゆっくりと揉み込み始めた。
…グチュッ!!…グチュグチュ…ッッッッ!!!!
引間の手に絡み付くオイルが空気に触れて淫猥な音を立て続ける。それに合わせるかのように、
「…あぁ…、…あぁぁぁ…」
と、洋平は虚ろな表情で口を半分だけ開け、呻き声のような、喘ぎ声のような声を上げ続ける。
(…オレは…、…オレは…)
ドクンッ!!ドクンッ!!
体がじんわりと熱くなって行く。そして、それに合わせるかのようにペニスが大きく勃起し、ビクッ、ビクッ、と脈打つ。
(…オレは…。…先生に…、…チンポをしゃぶられたがっている…?)
その時だった。
「…うッ、うあッ!?」
突然、左の二の腕に激痛が走り、はっと我に返った。
「…ああ…ッ!!…く…ッ、…ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
左の二の腕を再び肘から肩の方へ向かってグイグイと押し上げる引間。その腕が脇の下、腕の付け根部分へ来ると、更に激痛が走る。
「うがああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
だがその時、洋平の体は弓なりに仰け反っただけで、決して暴れることはなかった。
ドクンッ!!ドクンッ!!
洋平の心の奥底に潜む、おぞましい感情。
(…これを…、…これを我慢すれば…!!)
この激痛に耐えた時、洋平の体は再びあの快楽に包まれる。
「…うああああ…ッッッッ!!!!」
思わず声を上げていた。すると引間は、
「どうしたの、洋平君?」
と尋ねた。
「…なッ、何でもないですッ!!」
咄嗟にその場を取り繕う洋平。だが、引間は全てを見抜いていた。
「…フフッ!!」
すると、引間は、今度はオイルを洋平のガッシリとした太腿へ垂らした。そして、また同じように塗り込み始めたのだ。
…グチュッ!!…グチュッ!!
再び淫猥な音が聞こえ始め、オイルの暖かさが洋平の両脚を包み込む。
「…あぁ…、…あぁぁぁ…」
その心地良さに、洋平の意識がぼんやりとした時だった。
「…んんんん…ッッッッ!!!!」
突然、体にビリビリとした感覚が押し寄せ、洋平は思わず呻き声を上げ、体をビクリと跳ねらせた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
引間の細くしなやかな指が洋平の股の間奥深くへ入り込んでいる。そして、洋平のペニスの下に息づく2つの球体に振れるか触れないかの絶妙なタッチで刺激を繰り返していた。その刺激がビリビリと伝わり、そのたびに洋平は、
「…あ…ッ!!…んあ…ッ!!」
と言う声を上げ、体をビクビクと痙攣させていた。
「脚も随分と柔らかくなって来たね」
…グチュッ!!…グチュグチュ…ッッッッ!!!!
「はうッ!!ああッ!!ああッ!!」
その頃になると、引間の両手は洋平のペニスの下に息づく2つの球体に直接触れるようになっていた。まるでその2つの球体をぽんぽんと弾くように当たる。そのたびに洋平は、
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
と声を上げ、体をビクッ、ビクッ、と跳ねらせた。だがすぐに、
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う悲鳴を上げる。
「ここも十分に解しておかないとね」
引間の手が洋平の股の付け根部分をグイグイと押し上げるようにする。
「…い…ッ、…痛い…ッ!!」
「我慢我慢ッ!!」
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
天国と地獄を一度に味わったようなその感覚に、洋平はただひたすら叫び声を上げていたのだった。