新帝国の奴隷 第12話

 

 サイゴーンの不動念力により、指1本さえ動かすことが出来ないグリーンツー・高杉真吾。

 彼は今、心なしか、小さく震えていた。その大きな瞳は小動物のように潤み、忙しなくきょときょとと動く。

「…や、…止め…ろ…!!

 小さな声で呟くように目の前にいる人物に言う真吾。体は大の字に大きく開かれている。そして、グリーンツーのマスクは目の前の人物によって取り外され、視界がはっきりとしていた。

「…ククク…!!

 目の前の人物が、手に持っていたステッキを再び口元へ持って行くと、真っ赤な舌でペロリと舐め上げながら低く笑った。

「…さぁて…。…どうやって甚振ろうかな…?」

 目の前の人物・蔭山秀一がニヤニヤしながらそう言った。

 目の前にいるのが、真吾と敵対している新帝国ギアのメンバーだったら良かった。だが、目の前にいるのは、自分達バイオマンの協力者でもある蔭山秀一なのだ。しかも秀一は、自らの意思でドクターマンの洗脳を受け、プリンスとなって目の前に現れたのだ。

 すると秀一は、ゆっくりと真吾のもとへ歩み寄る。

「…止めろ…!!…止めろぉぉぉッッッ!!!!

 真吾の野太い声が部屋中に響き渡る。その時、秀一はゆっくりと真吾の体に抱き付き、両腕を真吾の背中へ回したのである。

「…あぁ…。…真吾さん…!!

 真吾の胸に顔を埋める秀一。真吾は一瞬、ビクンと体を跳ねらせたかと思うと、怯えるような表情で秀一を見下ろした。すると秀一はニッコリと微笑んで、

「大丈夫だよ、真吾さん。酷いことはしないから」

 と言った。その瞳は、無邪気な少年のような、悪意に満ちたそれではなかったのである。

「…僕を、…優しく抱き締めてよ。…真吾さん…!」

 秀一はそう言うと、背後で真吾の動きを封じているサイゴーンをちらりと見やった。

「…あ、…あぁ…!!

 その時、サイゴーンが、突き出している左手の指を小さく曲げた。その動きにシンクロするかのように、真吾の両腕がゆっくりと動き、秀一を優しく包み込んだのである。

「…あぁ…!!

 目を閉じ、ウットリとする秀一。

「…しゅ、…秀一…君…?」

 正直、真吾は戸惑っていた。多重人格者と言うものが本当に存在するのならば、今の秀一はまさにその状態なんだろうか、真吾はそんなことをボンヤリと考えていた。

 もし、自分が秀一の奴隷になると言えば、秀一の洗脳は解けるのだろうか。それとも、この秀一の動きそのものが、真吾を突き落とすための罠なのだろうか。

「…暖かい…!」

 秀一は相変わらず目を閉じたまま、真吾の胸に顔を埋めている。

「…真吾さんの心臓の音がする。…物凄く早いよ…!」

 そう言うと秀一は目を開き、ゆっくりと真吾を見上げた。その瞳はまるで悪戯っ子のような、意地悪い瞳をしていた。

「…僕が、…そんなに怖い?…この後、何をされるのかって怯えてる?」

「…そッ、…それは…!!

 真吾がそう言った次の瞬間、

「んあッ!!

 と真吾が素っ頓狂な声を上げ、体をビクリと跳ねらせた。

「…あ…あ…あ…!!

 真吾の体が小刻みに震え続ける。

 秀一の右手が、真吾のグリーンツーのバイオスーツの中で大きく勃起したペニスを優しく包み込んでいたのである。

「…おっきぃ…!!

 秀一は嬉しそうにそう言うと、真吾のペニス全体を撫でるように、ゆっくりと手を動かし始めた。

「…んッ!!…んくッ!!…あぁ…ッ!!

 秀一の指が真吾のペニスの上で妖しく動く。そして、その細い指先が真吾のペニスの先端に触れるたび、真吾が体をピクピクと反応させ、甘い吐息を漏らす。

「…真吾さんのここ、物凄く熱いよ。…それに何て硬くて、何て太いんだろう…!!

 顔をほんのり上気させて言う秀一。

「…あッ!!…あぁ…ッ!!

 秀一の指が、真吾のペニスを挟んだり包み込んだり、妙な動きを繰り返す。その触れるか触れないかの感触が、真吾にゾクゾクとした感覚をもたらしていた。

「…フフッ!…真吾さん、…物凄く感じちゃってるね!」

 嬉しそうに言う秀一に対して、真吾は顔を真っ赤にして目をギュッと閉じた。

「もっと感じてよ!」

 そう言うと秀一は、真吾の勃起しているペニスをキュッと握り、ゆるゆると上下し始めたのである。

「…んあッ!!…ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!

 脳天を突き抜けるような感覚に、真吾が思わず声を上げる。と同時に、

 クチュッ!!クチュクチュ…!!

 と言う淫らな音が響き始めた。

「あはッ!!真吾さんったら、たったこれだけで物凄く感じちゃったんだね!!

 秀一は、真吾のペニスの先端を見て嬉しそうに声を上げた。

 真吾のペニスの先端、光沢のある鮮やかな緑のバイオスーツのその部分は、真吾のペニスから溢れ出した濡れ光る液体によって光沢を失い、淫猥に輝いていた。

「真吾さんったら、物凄くエッチだよね!」

 そう言うと秀一は、真吾のペニスの先端を指先でクリクリと引っ掻き始めたのである。

「ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!

 真吾の野太い声が大きく響く。と同時に、真吾のペニスからは濡れ光る液体がドクドクと溢れ出して来た。

「…凄い…!」

 秀一が目を輝かせる。その指には、真吾が溢れ出させた淫猥な液体が濡れ光っていた。

「…ねぇ、真吾さん…」

 不意に、秀一が真吾に密着するように、体を近付けた。

「…キス…してよ…!」

 そう言うと秀一は、自身の唇を、真吾の唇へ押し当てた。

「…んんッ!!

 突然のことに目を見開き、呻き声を上げる真吾。と同時に、秀一の手が再び、真吾のペニスを優しく撫で始めた。

「…んッ!!…んんッ!!…んふ…ッ!!

 上から下から刺激をされ、真吾の顔はますます上気し、甘い吐息を漏らす。

 とその時だった。秀一の舌が、真吾の口を割ろうと、真吾の唇に触れて来たのである。

「んんんッッ!!

 これには真吾も驚き、無意識に口に力を入れた。

「…真吾さん…!」

 秀一の切なそうな瞳が真吾の脳裏に焼き付く。と同時に、

「…うぐ…ッ!!

 と真吾が呻き声を上げる。

「…しゅ、…う…いち…君…!?

 今まで紅潮していた真吾の顔が蒼白になって行く。秀一の右手が、真吾の睾丸を、やや強い力で握り締めていたのである。

「…もっと、…ちゃんとキスしてよ…!!

 そう言うと秀一の唇が再び真吾の唇に触れる。

「…ん…!!

 また、自身の急所を握り締められてはたまったものじゃない。今の真吾には、秀一の欲望を受け入れるしかなかった。

 真吾が口を少しだけ開く。その瞬間、秀一の舌がヌルッと真吾の口の中へ割り込んで来たのであった。

 

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