新帝国の奴隷Ⅱ 第３話
「…ククク…!!」
目をギラギラと光らせたプリンス・蔭山秀一が立っている。そして、その横には、
「フッフッフ…!!」
と、同じように１つ目を真っ赤に光らせているジューノイド・メッツラーがいた。
「いかがかな？オレが作り出した閉鎖空間は？」
だがその時、翔吾の視線はそんな２人よりも遥かに後方に行っていた。
「…兄…、…貴…」
秀一とメッツラーの背後にぼんやりと立っている兄・真吾。そのガッチリとした体が色褪せたグリーンツーのスーツに包まれていた。
「…フンッ!!」
秀一が鼻で笑う。
「オレ達よりも兄貴…、…か…!!」
あからさまに不機嫌な表情になった秀一が、手にしていた筒状のものを振り翳した。その瞬間、その先端から真っ白に光る電撃の帯が飛び出した。
「…ッッッッ!!!?」
それに気付くのが一瞬遅れた翔吾。だがその瞬間、
バリバリバリバリ…ッッッッ!!!!
と言う衝撃音と共に、翔吾の体に激痛が走った。
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
あっと言う間にその真っ白な電撃の帯に絡め取られ、翔吾の体でスパークする。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
グリーンツーに変身していたから良かったものの、これで変身していなかったらこの強烈な電撃にあっと言う間にやられていたかもしれない。そのくらい、翔吾はまだ経験値が低かった。
「…う…、…あ…、…あぁぁ…ッ!!」
地面をゴロゴロと転がり、苦痛に身悶える翔吾。
「…フンッ!!…所詮は二番煎じか…!!」
秀一が見下すようにそう言うと、
「メッツラーッ!!こいつを痛め付けろッ!!」
と言った。すると、
「…ククク…!!」
とメッツラーが低く笑い、ズカズカと言う足音を響かせて翔吾の目の前までやって来た。そして、左手のペンチで翔吾の首を挟み、ゆっくりと持ち上げ始める。
「…あ…ッ、…ああああ…ッッッッ!!!!」
引き摺られるようにしてヨロヨロと立ち上がった時、メッツラーの１つ目がギラリと光った。そして、右手のレイピアが空で弧を描き、
バシッ!!バシバシッッッッ!!!!
と言う音と共に、それを翔吾の体に叩き付けたのだ。
「ああッ!!…ク…ッ、…ああ…ッ!!」
その衝撃に翔吾の体がヨロヨロとよろめく。
「メッツラービームッッッッ!!!!」
次の瞬間、メッツラーが両手をクロスさせ、目から光線を放った。
バアアアアンンンンッッッッ!!!!バアアアアンンンンッッッッ!!!!
翔吾の目の前で爆発が起こり、
「うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う悲鳴を上げて地面を転がった。
「…く…ッ、…クソ…ッ!!」
何とかして立ち上がる。そして、
「…兄…、…貴…ぃ…ッ!!」
と呻くように言った。
「…フンッ!!」
プリンスは相変わらず鼻で翔吾を笑う。
「無駄だ!!真吾さんにはお前の声はもう届かないッ!!」
「…な…、…んだ…、…と…おおおお…ッッッッ!!!?」
粗方予想は付いている。だが、実際にそれを言われるとムカッ腹が立つ。そんな翔吾をバカにするかのように、秀一はゆっくりと歩いて行くと、真吾の背後へと回った。
「…秀一…様…？」
「…ッッッッ!!!?」
その呼び方だけでも鳥肌が立つ。
「…ククク…!!」
真吾の背後で秀一はニヤニヤと笑っている。そして、その両手をゆっくりと真吾の体の前へ回し、筋肉質な胸の辺りで這わせ始めた。
「…あ…ッ!!…んふ…ッ!!」
その細くしなやかな指が真吾の筋肉質な体の上で妖しく蠢く。そして、それが真吾の厚い胸板の上に浮き出た２つの突起を刺激するたびに、真吾が甘い吐息を漏らす。
「…止めろ…!!」
その時、翔吾は真吾の体の変化に嫌悪感を覚えていた。
「…あ…ッ!!…あ…ッ!!」
ピクッ、ピクッ、と体を痙攣させながら身悶える真吾。その目が虚ろで、口元はやや綻んでいる。
「…しゅ…、…い…ち…様…!!」
「…気持ちいい、…真吾さん？」
「…はい…。…滅茶苦茶…、…気持ちいい…です…!!」
そう言う真吾のガッシリとした２本の足の付け根部分に息づく、真吾の男としての象徴・ペニス。それは今、色褪せたグリーンツーのスーツの中で大きく勃起し、先端のきれいなフォルムを形成した状態で臍へ向かって真っ直ぐに伸びていたのだ。
「…フフッ!!…真吾さん、体は正直だね…!!」
秀一の右手がゆっくりと真吾の体を下りて行く。
「…ほら…。…弟さんが見ているよ？」
そして、その右手が真吾のペニスを優しく包み込んだその瞬間、
「んはああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、真吾は腰をくの字に折り曲げて何とも情けない声を上げたのだ。
「止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
顔を真っ赤にした翔吾が物凄い勢いで駆け出す。だが秀一は、
「…ククク…!!」
と笑っているだけだ。
「…バカなヤツだ…!!」
その時だった。
グンッ、と体が背後へ引っ張られる感覚がし、翔吾の体が大きく仰け反った。
「…え？」
誰もいないのに体が引っ張られる。それどころか、指一本動かせない状態になっていた。
「…ま…ッ、…まさか…ッ!?」
「左様。そのまさかだ!!」
声が聞こえたその瞬間、翔吾の目の前に銀色のゴツゴツしたジューノイド・サイゴーンが現れた。
「ぬううううううううッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
サイゴーンのゴツゴツとした右手の指がゆっくりと握られて行く。それに合わせるかのように、翔吾の体が更に仰け反り始めた。
「…痛て…ッ!!…痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ここまで曲がるかと言うくらいに大きく弓なりになる翔吾の体。
「痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!…かッ、…体が…ッ!!」
「…貴様の体…、…へし折ってやろうかぁ…？」
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じて叫ぶ翔吾。
「痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…フンッ!!」
そんな光景を見て、秀一は相変わらず鼻で笑う。
「おいおい、サイゴーン。あんまりお子ちゃまをいじめてやるなよ？」
「…ん…、…だと…オオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!??」
バリバリバリバリッッッッ!!!!
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その時、秀一は電撃を放ち、翔吾はその電撃に再び絡め取られた。そして、
「…フンッ!!」
と、秀一が右手をさっと上げた時、翔吾は体が不意に軽くなるのを感じた。そして、
「…う…!!」
と呻き声を上げて、翔吾は地面の上に倒れ伏していた。