最高のプレシャス 第20話
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!…チュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!
柔らかく、くすぐったい音が部屋の中に響く。そして、
「…ふ…ッ!!…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
と言う、やや高めの呻き声も。
「…に…ちゃ…ん…!!…兄…ちゃん…ッ!!」
はぁはぁと言う荒い呼吸の合間に聞こえて来る、兄ちゃんと呼ぶ声。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
暫くすると、大きく呼吸をする音が聞こえて来た。
「…暁…兄…ちゃん…!!」
光沢のある鮮やかな真っ赤なスーツを身に纏った少年・魁。マジレッドに魔法変身し、顔をも真っ赤にして目の前にいる男性を見つめている。その目は涙で滲み、頬にはそれが伝わった痕が幾重にもあった。
「…魁…」
そんな魁をじっと見つめる精悍な顔付きの男性・暁。光沢のある鮮やかな白と赤を基調としたスーツを身に纏っている。ボウケンレッドにアクセルチェンジしていた。
「…ありがとう、…魁…」
顔を少しだけ赤らめ、心なしか、目を潤ませて暁がそう言った。
「…オレは嬉しい。…お前の、…本当の気持ちが、…聞けて…!」
すると魁は、
「…お、…思わず、…言っちゃっただけだ…!」
と言うと、顔を更に赤らめてぷいっと横を向いた。
「…フッ!!」
そんな魁を見ていた暁がフッと笑うと、今度は魁を優しく抱き締めた。
「…暁…兄ちゃん…?」
暁の大きな体に包まれるように抱かれている魁。トクン、トクンと言う暁の心臓の音が優しく聞こえて来る。
「…魁…。…すまんな…」
その言葉にニッコリと微笑む魁。そして、
「言わなくてもいいよ、暁兄ちゃん」
と言った。
「冒険家は、兄ちゃんの夢だったもんね。だから、サージェスは辞められない、だろ?」
「…ああ…」
暁がそう言った時、暁と魁はお互いに微笑んでいた。
「…それにね…!」
その時、マジレッドの真っ赤なグローブに包まれた魁の両腕が、上に伸し掛かっている暁の背中へ伸び、ギュッと抱き締めた。
「…暁兄ちゃんのボウケンレッドに変身した姿。…凄く、…カッコいいんだ。…僕、…兄ちゃんのこと、…もっともっと好きになっちゃうよ!」
「…フッ!!」
そう笑うと、暁は右手で魁の頭を静かに撫で始めた。
「…オレも、…お前のマジレッドの姿がカッコいいと思う。…いや、…かわいい、…かな?」
「何だよ、それ!」
プッと吹き出し、魁が笑った。すると暁は、
「オレにとっては、お前は蒔人の兄弟の中で一番かわいくて仕方がないヤツってことだ!」
と言った。
「もうッ、かわいいかわいいって連発するなよなッ!!」
魁はそう言うと、それまで暁の背中へ回していた腕を下ろすと、暁の2本の足の付け根に息づく、暁の男としての象徴であるペニスをギュッと握った。その瞬間、
「んあッ!!」
と、暁が思わず声を上げる。
「…暁兄ちゃんのチンポ、…まだ大きくなったまんまだ…。…相変わらず、…硬い…!」
魁はそう言いながら、暁のペニスをゆるゆると上下に刺激する。すると暁は、
「…ん…ッ!!…んく…ッ!!…うう…ッ!!」
と呻き、歯を食い縛る。
「…フフッ!!兄ちゃんは僕の奴隷だもんね!こうされると嬉しいんだもんね!!」
そう言った時だった。
不意に暁がニッコリと微笑んだ。
「…え?」
その顔を見て、きょとんとする魁。
「…奴隷…か…」
ぽつりと呟くように言う暁。
「…魁だったら…。…お前だったら、…それもいいかもな…!」
「…え?」
その時、暁は真顔になったかと思うと、
「…魁。…やっぱり、…お前は最高のプレシャスだな…!」
と言った。
「…暁…兄…ちゃん…?」
いつの間にか、暁のペニスを刺激する魁の手の動きが止まっていた。その手の中で、暁のペニスがピクピクと脈打つ。
「…女の子との恋愛のように、お前のことをそう言う気持ちで見られるかは、正直、今の段階では分からない。…だが、…少なくとも、お前を守りたい、お前を離したくないと言う気持ちはオレの心の中にある!」
「…?」
魁は相変わらずきょとんとしている。すると暁は、
「恋愛感情かどうかは分からんが、少なくとも、今のお前はオレの中で最高のパートナーだ!!」
と言ったのだ。
「…え?」
更に聞き返す魁。すると暁は、
「さっきも言ったが、お前は、蒔人の兄弟の中で一番かわいくて仕方がない。甘えん坊で、でも努力家で。そんなお前だったから、オレはお前の家庭教師になることを二つ返事でOKしたんだ。他のやつらよりも少しでも長く、お前と一緒にいたい、そう思ったからだ」
と言った。
「…暁…兄ちゃん…?…それ、…本気で、…言ってる?」
魁の目から涙が溢れている。すると暁は顔を赤らめ、
「本気じゃなかったら、こんなこと言えるかッ!!」
と言うと、魁を強く抱き締めた。
「だが、オレは自分の夢でもある冒険家になることも諦めたくない。だからこそ、サージェスの一員となると言う厳しい道を選んだ。そして、命懸けの訓練に耐え、ようやくボウケンレッドになることが出来たんだ。…魁には本当に申し訳ないが、…オレは、ボウケンレッドを辞めたくない。いや、辞められない。それが、オレの小さい頃からの夢だったから!」
そこまで言うと、暁は魁と向かい合った。
「約束するよ」
「…え?」
きょとんとした表情で魁が見上げた先には、静かに微笑んでいる暁の顔があった。
「オレは、絶対に死なない。お前を悲しませるようなことは、絶対にしない!」
「…うん…。…うん…ッ!!」
ぽろぽろと涙を流し続ける魁。その時、暁はニヤリと笑うと、
「けどな、魁。オレにボウケンジャーを辞めさせたいからって言って、魔法を使ってオレの後を付けたり、オレを精神的に追い込んで徹底的に甚振るのは反則だぞ?」
と言い、魁と同じように真っ赤なボウケンレッドのグローブで包まれた指で、魁の額をデコピンした。その途端、
「あ痛たッ!!」
と、魁が額を押さえて叫ぶ。
「なッ、何すんだよッ、暁兄ちゃああああんんんんッッッッ!!!!」
脹れっ面をする魁に対し、ニコニコと笑っている暁。
「お前がオレのアソコを滅茶苦茶にしたことに比べたら、大したことはないだろう?」
相変わらず精悍な、爽やかな笑み。それを見た魁はニッコリと微笑むと、
「…じゃあさ…」
と言い、再び両腕を暁の背中へ回した。
「…今度は、…僕をお仕置きしてよ…!!」
「…ああ」
暁はニッコリと微笑む。
「…優しく、お仕置きしてやるよ…」
そう言った時、暁と魁の唇が再び重なった。