違反切符 第6話
「…ん…ッ!!…くう…ッ!!…うう…ッ!!」
自身の男としての象徴をいやらしい手付きで触られ、時折、脳天に突き抜ける感覚に思わず声を上げる上杉実。
「…く…ッ、…そぉぉぉ…ッッッ…!!」
グリーンレーサーに変身し、腰を前方へ突き出している。拳を強く握ると、白いグローブがギリギリと音を立てた。
「…フフッ!いいざまだな、実ぅ?」
実の目の前で、男子高校生がニヤニヤと笑っている。伊達健太。
「どうだい、正義のヒーローさん?男に男の大事なところを触られる気分は?」
そうなのだ。実の股間を静かに撫でているのは、女ではなく、この健太と言う少年だったのだ。女性に触られるのであれば、鼻の下も伸びて、そこも大きく勃起していたに違いない。だが、目の前にいるのは男。鼻の下も伸びなければ、そこも大きくなるはずがなかった。
「…んなもん、…言わんでも、…分かるやろ…ッ!!」
実が絞り出すように言ったその時だった。
「ぐわああああッッッッ!!!!」
突然、実のそこに激痛が走り、グリーンレーサーのマスクが思わず天を向いた。
「…あ…あ…あ…!!」
ブルブルと震えながらそれを見下ろす。
「…フフッ!」
健太が実を見上げるようにしている。その右手には、ボールのように握られた実の股間が。
「口の利き方には気を付けた方がいいんじゃねぇの?」
そう言うと健太は、握り締めていた実の股間を静かに放す。
「…ぐ…ッ!?…うう…ッ!!」
思わず股間を押さえる実。そして、腰をくの字に折り曲げた。
「ほらほら、実!」
健太はそう言うと実の両肩に手を掛けた。
「まだまだ終わったわけじゃないんだぜ?」
そう言い、実の尻をペチペチと叩いた。
「ほら、腰を突き出せよッ!!」
「…」
何を言ってもダメなのだろうか…。だが、最悪のことだけは避けたかった。こんな少年の前で、痴態だけは晒したくなかった。
「あっそ!出来ないのなら…!」
そう言うと、健太はパソコンの電源ボタンを押した。
「!?」
ウィィィン、とモーターが勢い良く回り出す音が聞こえる。その途端、実がビクリと体を反応させた。
「今から、お前の正体を全世界にばら撒くからな!」
健太がマウスを持った。
「止めてくれええええッッッッ!!!!」
実が駆け出し、健太の腕を掴んだ。その2つの動きがほぼ同時だった。
「…く…ッ!!」
健太の意地悪い笑みを見た途端、実は歯軋りをした。
「…わ、…分かった…。…分かったから…!」
実はそう言うと再び部屋の真ん中辺りに足を開いて立ち、
「…好きに、…しろや…!」
と言って静かに腰を突き出した。
「アハハハハ!!」
その途端、健太が大声で笑い始めた。
「なっさけねぇなぁ!ヒーローのくせに、オレみてぇなやつの言うこと聞いちゃってさ!」
そう言いながら健太は、実のもとへ近寄り、グッと体を寄せた。
「でも、お前が悪いんだからな?分かってるよな?」
「…ああ…。…分かっとる…」
抵抗する気も起きなかった。何も出来ない、何を言ってもこの少年には通じない、実はそう思っていた。そもそもの種を蒔いたのは自分なのだから。
「…さぁ、…触れや…!」
実はそう言って再び腰を前へ突き出した。すると、健太の手は静かに実の股間を再び包み込んだ。
「だぁいじょうぶだよぉ、実ぅ!お前を気持ちよくしてやるからさ!」
「…んッ!!…んん…ッ!!…んあ…ッ!!」
さっきとは比べ物にならなかった。
健太の手の動き。実のそれを優しく、労わるようにして静かに動く。充血すると勃起する部分だけではなく、その下に息づく2つの球体をも優しい愛撫が繰り返される。
「…んッ!!…んあッ、ああッ!!」
気が付いた時には実は喘いでいた。
「ああッ!!っくッ!!ああッ!!」
ボーゾックとの戦い、そして仕事の連続で、自身でそれを慰めることをどのくらいしていなかっただろう。
「…や…、…止めて…くれ…ッ!!」
その時、実のそれに少しずつ変化が見られ始めた。
「ンフフフッ!!実よぉ、少しずつ勃って来たんじゃねぇの?」
健太が嬉しそうに言う。
「…んな、…んなこと、…ない…ッ!!」
グリーンレーサーのマスクが大きく左右に揺れる。
だが、体は正直に実の気持ちを伝えて来る。
「ほぉら、少しずつ硬くなって来たぜぇ?」
健太の手の中で、少しずつ硬さを増して行く実のそれ。
「…も、…もう…ッ!!…止めて…くれ…ッ!!」
グリーンレーサーのクルマジックスーツ。そのベルトが押し上がって行く。
「じゃあ、仕上げに…!!」
そう言った健太は、実の股間を包み直し、突然、擦るように小刻みに上下したのである。
「んああああッッッッ!!!!」
突然の快感に実が大声を上げ、顔を天へ向ける。
「フフフフッ!!」
健太はニヤニヤしながら実の股間を見つめ続けている。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
その刺激に、実が出来ることと言えば、声を上げることくらいだ。
「…ぐ…ッ!!…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
やがて、健太の手の動きが止まり、実の喘ぎ声も止まった。
「…あ、…あぁ…!!」
実の股間。グリーンレーサーのクルマジックスーツを押し上げるように、それが大きく、臍へ向かって勃起していたのだった。