違反切符 第16話
「…随分、お楽しみのようだな…!」
健太の部屋の扉が勢い良く開き、健太と同い年くらいの少年が姿を現した。一見、お洒落に気を遣っていそうな、だが真面目な雰囲気のする少年。だが、その目はギラギラと輝き、口元は実を蔑むような笑みを浮かべていた。
(…?)
何度も寸止めをされた挙句の強制的な射精に、グリーンレーサー姿の実の意識はぼんやりとしている。両手両足は相変わらずベッドに拘束されたままで、光沢のある鮮やかな緑のクルマジックスーツは、実が出した濃白色な精液があちこちに飛び散り、その光沢を失い、強烈な異臭が漂っていた。そして、荒く大きく呼吸するたびにその胸は大きく上下し、真っ赤になった顔に虚ろな視線で健太ともう1人の少年を見つめていた。
「よっ、瞬ッ!!」
健太がニコニコしながら片手を軽く上げる。そして、
「実ッ!紹介するぜ!」
と言い、瞬のもとへ歩み寄ると、瞬の肩を抱いた。
「コイツはオレの親友の並木瞬。オレと同じクラスで、同じくデジケンに入ってるんだ。それに学年トップの成績なんだぜ!」
そう言った時、瞬は軽く頭を下げた。
「…そして…」
この時、健太の目がギラリと光った。
「…この復讐を計画してくれたヤツでもあるんだよ…!」
「…な…、…んや…て…?」
朦朧とする意識の中、実は呆然となってその言葉を聞いていた。すると健太はややムッとした表情をして、
「あ、もしかして、この計画は全てオレ一人で仕組んだと思ってた!?」
と聞いて来た。そして、
「そんなこと、俺が出来るわけがねぇだろ?学年最下位のオレが!」
と言った。すると、その隣りで今まで黙って聞いていた瞬がフッと笑い、
「いや、エッチなことだったら健太の方が上だけどな!」
と言う。すると健太は、
「んなことねぇよッ!!瞬の方がすげぇじゃねぇかよッ!!オレ、いっつも瞬にやられっ放しなんだぜ?」
と顔を膨らませた。
(…な、…何やねん、…こいつら…!?)
少しずつ気分も落ち着いて来て、実は目をパチパチさせながら2人を見守った。すると、そんな実に気付いたのか、
「おい、健太。実がそろそろ正気に戻ったっぽいぜ?」
と言った。そして、ツカツカと実のもとへ歩み寄った。その手には靴を持っている。
「…な、…何や…ッ!!」
敢えてつっけんどんに言う実。だが瞬は、そんな実を見るとフンと鼻を鳴らし、靴を履いた。そして、
「そんな無様な姿で、威勢を張ったつもりか?」
と言い、靴を履いた右足を上げたかと思うと、ベッドに拘束されたままの実の、未だにこんもりとした膨らみを作っている股間部分へ思い切り振り下ろしたのである。
ドゴッ!!ゴリッ!!
と言う音が聞こえたような気がした。そして、
「…あ…、…が…ッ!!」
と実が目をカッと見開き、体をブルブルと震わせた。そして次の瞬間、
「…うう…ッ!!…うぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と絶叫したのである。
「…口の利き方には気を付けた方がいいんじゃないのか、実ぅ?」
瞬はそう言いながら、実の股間を踏み付けている足をグリグリと動かす。
「精液まみれのお前の汚いここを踏み付けるんだからな。健太には悪いが靴を履かせてもらった」
瞬がそう言うと、健太は、
「別に構わねぇけど?どうせ、俺の部屋は汚ねぇんだし!」
と自嘲気味に言った。
「ああッ!!ああッ!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その間も実はあまりの激痛に叫び続ける。踏み付けられるだけでも痛いのに、射精したばかりのそこを更に刺激され、痛みと痺れが実を襲う。
「どうせなら、少し体重をかけるとするか?」
瞬はそう言うと、実の股間を踏み付けている足に力を入れると、ほんの少しだけ、体を浮かせた。その瞬間、
「ぐぎゃあああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う実の絶叫が家中に響き渡った。
「やッ、止めてくれええええええええええッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
実がバタバタと体を跳ねらせ、そのたびにベッドがギシギシと軋む。全体重をかけて実の股間に乗っている瞬。意識が飛びそうになる。いや、それよりも自身のそれが機能不全になるのではないかと思うほどだった。
「おいおい、瞬ん。あんまり実を暴れさせると、俺んちが壊れるんだけど?」
瞬の背後で健太がやや真剣にそう言った。すると瞬は、
「…そうだな…」
と言い、宙に浮かせていた体をゆっくりと下ろした。
「…ッぐ…ッ!?…が…ッ!!…はぁ…ッ!!…ああ…ッ!!」
実はベッドの上でぐったりと横たわり、大きく呼吸をしている。すると瞬はいきなり実の髪の毛を掴んだかと思うと、顔を突き合わせ、
「…オレの怒りはまだまだこんなんじゃ、収まらねぇ…!…オレの健太を、…あんな酷でぇ目に遭わせたお前を、オレは絶対に許さねぇからな!」
と凄んでみせた。
「…あ…あ…あ…!!」
実は何も言えず、ただただ、瞬の顔をじっと見つめるしか出来ないでいた。
「…さて…と…」
すると瞬は実の頭をぱっと放したかと思うと、
「おい、健太」
と健太を手招きした。
「何だよ、瞬?」
瞬の横に健太がやって来る。
「お前さ、実にご奉仕してもらったのか?」
そう言った瞬の顔には、不気味な笑みが浮かんでいる。すると、健太は全てを理解したかのようにニヤリとこちらも不気味な笑みを浮かべると、
「…いんや、…まだだけど…?」
と言った。
「だとよ?」
瞬はそう言いながら、実の方を見る。
「…い、…嫌や…!!」
実の目に再び涙が滲む。すると瞬は、
「おい、健太。ズボン脱げよ」
と言った。すると健太は、
「…ヘヘ…ッ!!」
と笑ったかと思うと、素早くズボンを脱いだ。
「…あ…あ…あ…!!」
その光景に実が思わず声を上げる。
健太の股間。真っ赤な、やや光沢のあるボクサーパンツに包まれている健太の男の子としての象徴が大きく勃起し、その先端はぐっしょりと濡れ光っていた。そして、そのままじりじりと実のもとへ歩み寄って来る。
「…嫌や…!…もう、…勘弁してくれ…!」
実がブルブルと顔を左右に振る。そんな実を見て、
「お前、嫌だと言える立場なのか?」
と瞬が低い声で言う。
「今のお前は、拒否出来る立場ではないと思うんだがなぁ…!」
と言い、
「おい、健太。パンツも下ろせよ!」
と言った。すると健太は、
「はい、瞬様!」
と言い、やや光沢のある赤いボクサーパンツも下ろしたのである。その瞬間、
ビンッ!!
と言う音が聞こえたかのように健太のそれが大きく跳ね、実の目の前に突き出されたのであった。
「…さぁ、実。…しゃぶれよ…!」
瞬の冷ややかな声が実の耳元で聞こえた。