アースフォースを奪え! 第5話
ドクン、ドクン…!!
呼吸がまともに出来ない。このまま死ぬのではないかと勇馬は思っていた。
「…あ…、…が…!!」
口から飛び出すのではないかと言うほどにドクンドクンと心臓が高鳴っている。それに呼応するかのように、体が大きくバウンドし、乾いた荒野で砂埃を上げる。同時に、その砂埃がチェンジペガサスに変身している勇馬のチェンジスーツに纏わり付き、光沢のある鮮やかな青色とのコントラストを描く。
そして。
「…あ…、…あ…あ…あ…!!」
体が急速に熱を帯び始める。
「…かッ、…体が…ッ、…熱い…ッ!!」
チェンジペガサスのマスクの中が、サウナに入れられているかのように熱くなり、バイザーが曇ってしまう。そして、はぁはぁと言う荒い呼吸が更に息苦しくなって行く。
「…うああ…ッ!!」
その時だった。
勇馬は下半身に違和感を覚えた。ドクンドクンと疼くような、ぞわぞわしたおぞましい感覚。
「…あ…あ…あ…!!」
そこを見た時、勇馬は声を震わせた。
勇馬の2本の足の付け根。光沢のある鮮やかな青色のチェンジスーツの中で静かに息づいている、勇馬の男子としての象徴・ペニス。それが今、大きく勃起し、そのスーツの中にクッキリと姿を現していたのだ。
「…ククク…!!…やはりな…!!」
その声にはっと我に返る勇馬。ヒドラスがニヤニヤとしながら勇馬の目の前に立っていたのだ。
「…みッ、…見るなあッ!!」
勇馬が思わず股間を手で覆う。するとヒドラスは、
「我が放った毒に、貴様の大切な部分、いや、最も美味そうな部分が反応したか」
と言い、勇馬が股間を覆っている両手を掴んだ。
「…やッ、…止め…ろォ…ッ!!」
勇馬は何とかして抵抗を試みる。だが、熱に冒された体は言うことを聞くはずもなく、あっと言う間に手を離された。そしてヒドラスは、勇馬の両足をも押し広げると、勇馬の股の間に入り込んだのだ。
「…や…ッ!!」
勇馬が声を上げる。その顔は真っ赤になり、虚ろな瞳から涙がぽろぽろと零れていた。
「…ほう…」
ヒドラスがフッと笑ったように見えた。
「…あ…あ…あ…!!」
勇馬の顔が更に赤くなる。
「…貴様…、…大人なわりには、…そんなに大きくないようだな…!!」
クックと笑うヒドラス。
「…う、…うるせえッ!!」
声が震える。だがヒドラスはお構いなしに続ける。
「…何だ、貴様?…大きくなっても皮は被ったままなのか?」
「…だッ、…黙れええええッッッッ!!!!」
まるで子供のように体をバタバタと暴れさせる勇馬。
「…フフッ…!!」
ヒドラスは低く笑うと、
「では、ここも頂くとしようか…」
と言い、その右手をゆっくりと伸ばし始めたのである。
「止めろッ!!」
何とかしてヒドラスに自分のプライドとも言えるべきところを触られるのは避けたい。そう思った勇馬は、力を振り絞り、ヒドラスの右腕を掴もうとした。だがヒドラスは、
「無駄だ」
と一言だけ言うと、左手で勇馬の右太腿を怪しい手付きで撫で始めたのである。
「んあッ!?」
ヒドラスの左手が勇馬の内腿を撫で上げた途端、勇馬が素っ頓狂な声を上げ、体をビクリと跳ねらせた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
思わず呆然とする勇馬。するとヒドラスはフフッと笑うと、
「今、貴様の体は全身性感帯となっている。我が注入した毒は体のあらゆる部分を感じさせる神経毒が入っているのでね。だからちょっと触っただけでも、貴様は今のような艶めかしい声を上げるしか出来ない。…ほうら…!」
と言い、再び左手で勇馬の太腿を撫で始めた。
「…あッ!!…ああ…ッ!!…んあ…ッ!!」
ねちねちと言う淫猥な音を響かせながら、ヒドラスの左手が勇馬の右の内腿を撫で続ける。その指が勇馬の太腿を、膝の方から足の付け根へ向かって撫で上げるたびに、勇馬の体にゾクゾクとしたおぞましい感覚が走り、そのたびに勇馬は喘ぎ声を上げた。
「…ああッ!!…ああ…ッ!!…やッ、…止め…ろオオオオッッッッ!!!!」
ビクビクと体を跳ねらせる勇馬。だが、その手は抵抗を止めたかのようにピクリとさえ、動くことはなかった。
「…フフフ…!!」
左手で勇馬の内腿を撫でながら、ぶらぶらしていた右手は静かに勇馬のペニスへ忍び寄って行く。そして、
「…あ…ッ!!」
と言う勇馬の声が聞こえ、勇馬の体がビクンと跳ねた。
「…あ…あ…あ…!!」
恐る恐る顔を上げる勇馬。そして、
「…ああああッッッッ!!!!」
と悲鳴とも分からない声を上げると、両手で顔を覆ったのだ。
勇馬の股間。大きく勃起した、ヒドラスに言わせれば、勃起してもそれほど大きくない勇馬のペニスは、ヒドラスの右手によって静かに包み込まれていたのだ。
「…フフ…ッ!!」
ヒドラスが笑う。
「…小さいながら、大した硬さだな、チェンジペガサス。…何とか体面を保てているようだな…!」
「…う…うぅ…ッ!!」
さっきから言いたい放題のヒドラス。だがそれに言い返せない勇馬も勇馬だった。
勇馬の思考回路は完全に停止していた。ヒドラスが放った神経毒に冒されていたと言ってもいいかもしれないが、今はただ、ドクドクと溢れ出て来るおぞましい感情を押し留めるのに精一杯だったのである。
「…も、…もう、…十分…だろ…?」
息も絶え絶えに言う勇馬。だが、そんな勇馬の声を無視するかのように、
「何が十分なのだ、チェンジペガサス?」
とヒドラスが言う。
「…オレのを、…触って、…恥ずかしいことをして、…もう、…十分…だろ…?」
ブルブルと震える声で絞り出すように言う勇馬。だが、ヒドラスは勇馬に更に追い打ちをかけるように言った。
「いや、まだ十分ではないが?」
その時、勇馬のペニスを静かに包み込んでいるヒドラスの右手がゆっくりと動き始めたのだ。
「んあッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
まるで勇馬のペニスを勇馬の腹へ揉み込むかのようにグリグリと動かすヒドラス。
グチュッ!!グチュッ!!
と言う、粘着質な音がそこから聞こえ、少しずつ、勇馬のチェンジペガサスの光沢のある鮮やかな青色のチェンジスーツの股間部分がその光沢を失って行く。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
「フフッ!!感じているようだな、チェンジペガサスよ?」
ヒドラスが嬉しそうに言う。
ぐっしょりと濡れた勇馬の股間部分。そこに勃起した勇馬のペニスは、ぐっしょりと濡れたスーツにこんもりと浮かび上がり、淫猥さを更に助長していたのであった。