終わらない因縁 第20話
「…貴…。…兄貴ッ!!」
自分のことを呼ばれたような気がした。
「…ん?」
我に返った時、そこには顔をぷっと膨らませて自分のことを睨んでいる亮がいた。
「…兄貴ぃ、…どうしたんだよぉ?…このところ、おかしいぞ?」
「…そうか…?」
「なぁんか、いっつもヘラヘラしてるし、全身から力が抜けたような感じに見えるし」
そう言うと、亮は大五の方へ体を乗り出し、
「何かあったのか?」
と尋ねて来た。
「フフッ!!」
その時、大五は思わず笑っていた。
「何にもないよ、亮。お前の考え過ぎだ」
「考え過ぎなわけないだろッ!?最近、兄貴、痩せたんじゃないのか!?頬なんか物凄くゲッソリしてるぜ!?それに、目の下に大きなクマが出来てるしッ!!」
「…そうか?」
「兄貴ィッ!!」
のらくらとかわす大五に苛立ちを覚えたのか、亮が大声を上げた。
「一体ッ、何があったんだよッ!?言えよオッ!!」
だが、大五は、相変わらず優しく微笑むと、
「何もないってば。心配するな、亮」
と言い、亮を優しく抱き締める。
「…ッ!?」
その時、亮は何かに気付いたかのようにはっとなり、目を大きく見開いた。
「んじゃ、ちょっと出かけて来るな」
「あ、兄貴ッ!?」
大五は亮をゆっくりと離すと、そっと背中を向け、ゆっくりと歩き出した。
「…兄貴…」
呆然と大五を見送る亮。その視線が激しく泳ぐ。
「…兄貴の体が、…尋常じゃないほどに痩せこけていた。…それだけじゃない!…兄貴の体から気力が全く感じられなくなってた…!」
その時、それまで動揺で激しく泳いでいた亮の目に力が籠る。
「…これは、絶対に何かあるッ!!」
その瞬間、亮は大五の後を追うように駆け出していた。
「大五!!」
その頃、大五はクジャクと逢瀬を重ねていた。
「クジャク!!」
クジャクと最初に会った、あの薄暗い廃工場の中で2人は抱き合い、キスをする。
「すまぬな、大五。昼間からこのような場所へ呼び出して…」
「気にするな、クジャク!」
ニコニコと微笑む大五。その目はさっきまでとは打って変わってキラキラと輝き、頬にも赤みが差していた。
そして。
大五の2本の足の付け根部分。大五の男としての象徴であるペニスがジーパンの中で大きく勃起していた。
「さあッ、クジャクッ!!俺の気力をもっと搾り取ってくれ!!」
「え?」
突然の大声に驚くクジャク。すると、大五は厳しい顔に戻り、
「お前がこんな真っ昼間に俺を呼び出したのには、シャダムの動きが活発化して来た、と言うことじゃないのか?」
と言った。
「…プッ!!」
突然、クジャクが吹き出したかと思うと、
「…だ、…大五…。…言っていることと、…やっていることが矛盾しておるぞ?」
と言ったかと思うと大五のもとへ歩み寄り、そのしなやかな指で大五の2本の足の付け根部分で大きく膨らんだ、大五の男としての象徴であるペニスをギュッと握ったのだ。その途端、
「んああああッッッッ!!!!」
と大五が叫んだかと思うと、その体が光を帯び、次の瞬間、シシレンジャーに気力転身していた。
「…フフッ!!」
クジャクが悪戯っぽく笑う。
「…大五…。…本当に淫乱になりおったな。…しょうのないやつだ…!」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
獅子をあしらった鮮やかな緑色のマスクの中で、大五の目が野獣のようにギラギラと輝き、呼吸を荒くしている。
「…では、…参ろうぞ…?」
すると、クジャクはゆっくりとしゃがみ込み、大五のペニスへ顔を寄せる。そして、臍へ向かって大きく伸びているそれの、綺麗な形を作り出している先端部分へ近付くと、
チュッ!!
と言う音を立ててキスをした。
「はうあッ!?」
その瞬間、大五の体がビクンと大きく仰け反った。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
なんと、大五のペニスが、裂けてもいないスーツの間から飛び出し、にゅっとクジャクの目の前に突き出されたではないか。
「…おお…!!」
ウットリとした表情を見せ、それをしげしげと眺めるクジャク。
「…相変わらず、美しい形…。…それに、…大きく、…長く、…太い…!!」
「ああッ、クジャク…ッ!!」
大五の膝がガクガクと震える。クジャクはゆっくりと口を開け、大五のそれを口に含んだ。
「はうッ!?」
その瞬間、大五の体が再びビクンと痙攣する。
…ジュッ!!…ジュプッ!!…ジュプッ!!
真っ赤な口紅が塗られたクジャクの口が大五のペニスを出し入れする。
「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!…く…あ…ああああ…ッッッッ!!!!」
その刺激に耐えられないのか、大五が喘ぎ声を上げる。
ジュプッ!!ジュプジュプジュプジュプッッッッ!!!!ジュプジュプジュプジュプッッッッ!!!!
淫猥な音が大きくなり、辺りに響き渡る。それと同時に、
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う大五の喘ぎ声も大きくなって行く。
「…ク…ジャク…ッ!!…クジャク…ううううううううッッッッッッッッ!!!!!!!!」
気が付けば、大五は無意識に腰を前後に振っていた。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
淫猥な音がより重厚な音へと変わって行く。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
大五の膝がガクガクと震え、筋肉質な双丘の間の窪みが収縮運動を繰り返す。その動きに合わせるかのように、シシレンジャーの光沢のある鮮やかな緑色のスーツがきらきらと光る。
「…イ…ッ、…イキ…そう…ッ!!」
シシレンジャーのマスクのバイザー越しにクジャクを見下ろす大五。そんな大五をちらりと見上げ、悪戯っぽく笑うクジャク。そして、頬を窄めたかと思うと、
ジュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う音を立てて吸い上げたのだ。
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビリビリとした激しい電流が大五の体に流れる。そして、熱いものが体の奥底から湧き上がって来たその瞬間、
「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と絶叫した。そして、大五の双丘がビクビクと小刻みに収縮運動を繰り返した途端、
ドプッ!!ドプッ!!ドプドプドプドプッッッッ!!!!
と言う鈍い音が聞こえた。その時だった。
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
大五の声ではない、やや甲高い声が辺りに響き渡った。