終わらない因縁 第24話
バシュウウウウッッッッ!!!!バシュウウウウッッッッ!!!!
シャダムが手にしている白く眩く光る大地動転の玉。いや、正確にはシシレンジャー・大五の気力の全て。そこから放たれる無数の光の矢。
「…ククク…!!」
シャダムは相変わらず目をギラギラとさせ、低く笑っている。
「止めろオオオオッッッッ!!!!」
リュウレンジャー・亮が駆け出して行く。その亮に向かって飛んで来るその光の矢。
「…大五の…ッ!!…兄貴の気力を…ッ!!…使うなアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
赤龍双龍剣を振り回し、物凄い勢いでシャダムへ突進して行く。
ズババババッッッッ!!!!ズガアアアアンンンンッッッッ!!!!ガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
リュウレンジャーの光沢のある鮮やかなスーツに大地動転の玉から放たれる無数の光の矢がぶち当たり、爆発する。
「うおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
だが、それをものともせず、亮は怒りに任せてシャダムに突進して行く。そして、
「はああああッッッッ!!!!」
と、赤龍双龍剣を振り下ろした。だがシャダムは、
「フハハハハ!!」
と笑いながら、それをひらり、ひらりとかわして行く。
「くそったれええええッッッッ!!!!」
亮は更に激高し、ブンブンと赤龍双龍剣を振り回す。だが、シャダムは余裕の笑みを浮かべてそれをひらり、ひらりと交わして行く。
「…なッ、何故だああああッッッッ!!!!何故ッ、シャダムに一太刀も浴びせられないんだああああッッッッ!!!!」
その時だった。
亮の腹部に、シャダムが持っている大地動転の玉が宛がわれた。
「…ッ!?」
大地動転の玉は相変わらずキラキラと輝きを放ち続けている。だが、それは最初の頃に比べ、小さくなっていた。
「何故、お前の武器が俺に当たらないのか、教えてやろうか?仲間のことを思うあまり、貴様は冷静さを失い、怒りに任せて感情の赴くままに動いているだけだからだ!!」
その時だった。
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
衝撃音と共に大地動転の玉から真っ白な光弾が放たれる。そして、それは物凄い力で亮を押し、シャダムから引き離して行く。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
亮の体がふわりと宙に浮き、両足をバタ付かせた次の瞬間、
ズババババッッッッ!!!!ズガアアアアンンンンッッッッ!!!!ガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う物凄い音と共に、リュウレンジャーのスーツが再び爆発を起こした。
「うぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
亮が絶叫し、爆発の衝撃で体が更に吹き飛ばされた。そして、地面に激しく叩き付けられた。
「ぐはああああッッッッ!!!!」
亮の体がゴロゴロと地面を転がる。その衝撃で、
パキイイイイイイイインンンンンンンン…!!!!!!!!
と言う鋭い音が聞こえ、亮の頭部を守っていたリュウレンジャーのマスクが外れ、ゴロゴロと転がった。
「…う…、…あぁぁ…!!」
頭部から血を流し、虚ろな瞳で地面を這いつくばる亮。
「…あ…に…き…!!」
虚ろな視線で大五を見る。
「…う…、…あぁぁ…ッ!!」
大五は大五で顔をしかめ、蹲ってしまっている。そんな大五を侮蔑の眼差しで見つめている万華鏡伯爵。だが、
「大五ッ、大丈夫か!?」
と、クジャクの姿で大五の体を支えている。すると大五は、
「…ク…ジャク…ッ!!…クジャク…うううう…ッッッッ!!!!」
と、万華鏡伯爵へすがるようにしたのだ。万華鏡伯爵はニヤリと笑い、
「しっかりするのだ、大五ッ!!」
と言いながら、すがり付く大五の頭を撫でる。
「…クソ…ッ!!…ク…ッソ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
亮は悔しそうに目を閉じる。握られた拳がギリギリと音を立てた。
「ハーッハッハッハッハ…!!」
そんな亮と大五を見て、シャダムは下衆な笑い声を上げる。
「どうだあッ、亮オッ!!大五は完全に狂い、今では何も出来ない役立たずになった!!もうお前はヤツを助けることなど出来ない!!お前が逆らえば逆らうほど、この大地動転の玉は小さくなって行く。つまり、それは大五を、お前の手で殺すことになるのだ!!ハーッハッハッハッハ…!!」
勝ちを確信したのか、シャダムがより一層、下衆な声で笑う。
「これでッ!!これでッ、俺は正真正銘、真のゴーマ十六世となる!!この大地動転の玉を使って、この世界を支配してやるのだああああッッッッ!!!!アーッハッハッハッハ…!!」
「…や…め…ろ…!!…止めろ…!!」
ブルブルと体を震わせながら、亮は立ち上がると、
「止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫び、再びシャダムへ向かって行った。だが、シャダムは相変わらず余裕の笑みを浮かべ、
「まだ分からぬかッ!!」
と言ったかと思うと、大地動転の玉を再び掲げた。その瞬間、それが眩く輝き出し、
バシュウウウウッッッッ!!!!バシュウウウウッッッッ!!!!
と言う音を立てて、あの光の矢が再び放たれた。同時に、
「うああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う大五の悲鳴が聞こえた。
「ッ!?」
それに亮が気を取られた瞬間、
ズババババッッッッ!!!!ズガアアアアンンンンッッッッ!!!!ガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う衝撃音と共に、光の矢が亮を再び包み込み、爆発した。
「ぐわッ!?ああッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
亮はその衝撃で再び背後へ吹き飛ぶ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
大五はと言うと、ブルブルと体を震わせ、苦しそうに胸を押さえてその場に蹲っている。
「…兄…貴…」
朦朧とする意識の中で、亮は大五を見つめる。
「…ククク…!!」
シャダムが笑った時だった。
「大丈夫かッ、大五ッ!!しっかりするのだッ!!」
わざとらしいくらいに心配そうな声を上げ、大五に近付くクジャク、いや、万華鏡伯爵。
「このままでは、大五の気力が全て使われてしまうッ!!」
そして、更にわざとらしいくらいにシャダムを睨み付ける。
「シャダムよッ!!もう、止めておくれッ!!このままでは、本当に大五が死んでしまうッ!!」
そう言ったのも束の間、万華鏡伯爵は不気味な笑みを浮かべていた。そして、
「…そうだ…」
と言ったかと思うと、次の瞬間、こう言い放った。
「大五の気力ばかりを使ってしまうのではなく、リュウレンジャーの、亮の気力も奪えば良い…!!」