ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第1楽章 第6話

 

「…あ…ッ、…あぁぁ…ッッッッ!!!!

 体が硬直し、指一本動かすことが出来ない。

「…や…ッ、…や…め…ろ…おおおお…ッッッッ!!!!

 サイゴーンの能力を持つメカクローンが右手を突き出し、その目を真っ赤に光らせている。そして、その開かれた右手の指が少しずつ閉じ始めた時だった。

「…が…ッ!?…あ…ッ、…ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 体が動かないだけではなく、呼吸も苦しくなって来た。

「…いッ、…息が…ッ!!…息が…ッ、…出来ない…ッッッッ!!!!

 メカクローンが指を少しずつ閉じ始めているのに合わせるかのように、ブルースリー・南原は首が絞まって行くのを感じていた。

「…あ…ッ、…ああああああああ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!

 ミシミシと言う音が聞こえるほどに、体中に激痛が走る。本当に念力で体が潰されるのではないかと言う恐怖さえ、今の南原の頭を過ぎっていた。

「…止めろ…ッ!!…止めろオオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!

 その時だった。

 ビイイイイイイイイ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!

 サイゴーンの能力を持つメカクローンの目が今度は蒼白く輝いたその瞬間、そこからビームが飛び出し、南原の体を直撃した。

「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 避けることも出来ず、まともにそのビームを体に浴びる。

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 高圧電流が南原の体を痺れさせる。と、次の瞬間、

 ズガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と言う物凄い衝撃音と共に、ブルースリーのスーツから剥き出しになった回路がショートし、爆発を起こした。

「ぐがああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 その衝撃で南原の体が後方へ弾き飛ばされ、

「ぐはああああッッッッ!!!!

 と言う呻き声と共に、地面に背中を打ち付けた。

「…ぐ…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!

 体中の激しい痛みで意識が朦朧とする。

(…ま…ッ、…マズい…ッ!!

 目の前が霞む。そんな目の前には、ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべてゆっくりと南原に近付いて来るメイスンの姿があった。

 その時だった。

「…フンッ!!

 突然、メイスンが鼻で笑ったかと思うと、

「一旦、引くぞ!!ドクターマン様のご命令なのでな…!!

 と言い、最強のメカクローン3体と共にその場から姿を消したのだ。

「…え?」

 呆気に取られたのは南原の方だった。

「…どう…、…言うこと…だ…ぁ…ッ!?

 ヨロヨロと立ち上がる。

「何故だ!?何故、ドクターマンはオレにとどめを刺さないんだ…、…ああああ…ッッッッ!!!!

 それだけ言うと、南原は再び地面に大の字に仰向けに倒れた。そして、目の前が真っ暗になって行った。

 

「ご苦労だったな、メイスン」

 新帝国ギアの作戦室。老体のドクターマンはゆったりと椅子に深々と腰掛け、穏やかな瞳でメイスンを見つめた。

「ドクターマン様のご命令通り、痛め付けるだけ痛め付け、戻って参りました」

 すると、メイスンはニヤリと笑い、

「ドクターマン様。ブルースリーの回復力をも調べ上げると?」

 と尋ねた。すると、ドクターマンはニヤリと笑い、

「さすがはメイスンだ。私の考えを見抜いておる!!

 と、上機嫌で答えた。そして、

「とどめを刺しては、バイオマンの弱点も発見できんからな。フルパワーは、ゆっくりチェックしてやる…!!

 と言うと、その目をギラリと輝かせた。

「メイスンッ!!ブルースリーの体力が回復し次第、ヤツを徹底的に痛め付けろッ!!その時こそ、ヤツは必ず、フルパワーで立ち向かって来るであろうッ!!

「ははああああッッッッ!!!!

 ドクターマンの体に精気が漲り、それに呼応するかのように、メイスンと最強メカクローン3体が恭しく頭を下げた。

 

「…フフッ!!

 ドクターマンが1人になった時、ボクは暗がりから姿を現した。

「これでいいのか?」

 厳しい眼差しでボクを見つめるドクターマン。ボクはコクンと頷くと、

「うん。上出来」

 と言った。

「そんなに簡単に殺してしまっては、面白くないだろ?今まで散々煮え湯を飲まされて来たんだ。どうせ勝つなら、バイオマンとやらに最高の屈辱を与えてから、じわじわと殺した方が、楽しいじゃない?」

 そしてボクは、

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、甲高い声で笑っていた。でもすぐにその笑いをピタリと止めると、

「ねぇ、ドクターマン。ブルースリーの戦闘能力を調べ上げた後はどうするの?」

 と聞いてみた。すると、ドクターマンは、

「フンッ!!バイオマンの戦闘能力さえ分かれば、後は用無しだ!!

 と言い捨てた。

「…予想通りの答えだね…」

 ふぅ、と溜め息を吐くボク。

「…何?」

 その時、ドクターマンの目がキラリと光った。

「戦闘能力だけ分かれば、それでいいの、って聞いてるんだ」

 そう言いながら、ボクはドクターマンのすぐ近くまでやって来て、顔を突き合わせるようにした。

「もっと知りたいんじゃない?バイオマンの秘密を…さ…!!

「…バイオ粒子か…!!

「…ご名答…!!

 ボクがそう言うと、ドクターマンはニヤリと笑い、

「…貴様…。…ただの小娘かと思ったら、なかなかに残忍だな…!!

 と言った。

「フフッ!!

 ボクも笑うと、

「…いつまでも小娘呼ばわりされるのはムカつくけど、バイオマンの体内に宿るバイオ粒子を採取して研究し、バイオマンが手も足も出ないような状況にしてしまえばいいんじゃない?そうすれば、バイオマンは完全に敗北さ…!!

 と言った。そして、

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、甲高い声で再び笑ったのだった。

 

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