ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第2楽章 第3話
丈の目の前に静かに佇んでいる2体のジンマー。その鶯色のスーツが太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
「…ほ…、…ほんとに、…仲間を連れて来やがった…!!」
目を見開き、口をパクパクさせる丈を見つめ、
「…ククク…!!」
と笑ったかと思うと、
「丈。次はどうする?」
と言った。そして、俄かに厳しい顔付きをしたかと思うと、
「行けッ!!」
と言い放った。その途端、2体のジンマーがガシャガシャと機械音を立てながら、丈に向かって飛び出して行ったのだ。
「うおッ!?」
突然のことに少し驚いたようだったが、丈はキッとそのジンマーを睨み付け、
「うおおおおりゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と威勢良く弾き飛ばした。
「だあああありゃああああッッッッ!!!!」
2体のジンマーは吹き飛び、その衝撃で体のパーツが飛び散る。
「ヘヘンッ!!」
鼻を擦ったのも束の間。
バラバラに飛び散ったジンマーの体が怪しい光を放ったかと思うと、その一部が再び急激に形を変えた。
「…なッ、…何だとオオオオッッッッ!!!?」
丈が驚くのも無理はない。
「ヒャーッハッハッハッハ…!!」
反対に豪は下衆な笑い声を上げている。
「2体の次は4体だ!!」
鶯色のスーツを身に纏ったジンマーが4体、両腕を肩の位置で真横に開き、膝を少しだけ落として立っている。
「…さぁ、…次はどうする、丈?」
豪はそう言うと、右手をさっと振り上げた。その瞬間、その4体のジンマーがガシャガシャと機械音を立てながら動き出したのだ。
「くそったれエエエエッッッッ!!!!」
4体と1人では多勢に無勢。
「…く…ッ!!」
「だあああありゃああああッッッッ!!!!」
懸命に身を翻しながら、ジンマーの攻撃をかわす。荒涼とした大地の上に転がり、丈の黒いブルゾンに真っ白なスウェットズボンが土色に汚れて行く。
「…ククク…!!」
豪はギラギラと目を輝かせ、目の前の光景を見つめ続ける。
その時だった。
「ふんッ!!」
「だああああッッッッ!!!!」
丈が体勢を整えつつ、4体のジンマーの間で立ち上がった。そして、
「イエローッ、ライオンッッッッ!!!!」
と、両手首に取り付けられたツインブレスを、両腕を十字にクロスさせてぶつけ合った。次の瞬間、丈の体が眩い光に包まれ、光沢のある鮮やかな黄色と白色を基調としたスーツを身に纏った姿、イエローライオンに変身していた。
「ライブラスターッッッッ!!!!」
鮮やかな黄色のグローブが右腰のホルスターへと移動し、そこから熱光線銃を取り出す。そして、そのトリガーを勢い良く引いた。
バシュウウウウッッッッ!!!!バシュウウウウッッッッ!!!!
激しい衝撃音が聞こえた時、
ズガアアアアンンンンッッッッ!!!!バアアアアンンンンッッッッ!!!!
と言う爆発音が聞こえ、ジンマーの体から火花が飛び散った。
バシュウウウウッッッッ!!!!バシュウウウウッッッッ!!!!
ズガアアアアンンンンッッッッ!!!!ガアアアアンンンンッッッッ!!!!
衝撃音と爆発音が静寂を打ち破る。そして、撃ち抜かれたジンマーは次々に吹き飛び、
…ガンッ!!…ガランッ!!ガランッ!!
と言う乾いた金属音と共にそのパーツを宙に飛び散らせた。
「どんなもんだいッ!!ここまで徹底的にやってやりゃあ…!!」
丈と豪の間には、粉々に砕け散ったジンマーの残骸があちこちに飛び散っている。だが、豪はそんな光景を見ても、
「…ククク…!!」
と笑い、目をギラギラと輝かせ続けている。
「…ご…、…う…?」
イエローライオンのライオンをあしらったマスクの中で、丈が少しずつではあるが怪訝そうな表情を浮かべるようになって来た。
「…相変わらず、君はバカだねぇ…」
「…なッ、…何だとオオオオッッッッ!!!?」
その時だった。
豪の目がギラリと光ったように見えた。と、次の瞬間、バラバラに飛び散ったジンマーの体が怪しい光を放ったかと思うと、その一部が再び急激に形を変えた。そして、その光が消えた時、
「ウソだろおおおおッッッッ!!!?」
と言う丈の声が響き渡った。
「…ジッ、…ジンマーが…、…8体…!?」
「ヒャーッハッハッハッハ…!!」
豪は声を上ずらせて笑っている。
「まだ気付かないのかいッ!?このジンマーは、倒されてもその体の一部が残っていさえすれば、何度でも復活することが出来るのさ!!しかも、ただ復活するだけじゃない!!そのたびに増殖を繰り返すんだ!!」
そこまで言うと、豪は俄かにブスッと顔を膨らませ、
「…僕だけの力でお前達を倒したかったのに…!!」
と呟くように言った。
「…は?」
「なッ、何でもないッ!!」
丈が声を上げた時、豪ははっと我に返り、顔を真っ赤にして言った。そして、
「やれえッ、ジンマーッ!!」
と叫んだその途端、8体のジンマーが同じようにガシャガシャと機械音を立てながら動き出したのだ。
「ああああッッッッ、もううううッッッッ!!!!」
苛立ちが頂点に達した丈。すかさずライオンの顔をあしらった細長いバズーカ砲を取り出した。
「ライオンッ、バズーカッ!!」
そう叫んだその瞬間、
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う激しい衝撃音と共にその砲口からエネルギー弾が飛び出した。そして、
ドオオオオオオオオンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う地響きがするほどの爆発音と衝撃が辺りを包み込んだ。
「どうだああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
丈が得意げに声を上げる。だが、豪は、
「…フン…ッ!!」
と、丈を侮蔑するかのように鼻で笑った。
「君は本当にバカだね、丈」
「んだとおおおおッッッッ!!!?」
その時だった。
ヒュッ!!
ジンマーがいた辺り、爆発の爆風と砂塵がもうもうと舞っているそこから細長いワイヤーのようなものが飛び出した。そして、それはあっと言う間に丈の首に巻き付いたのだ。
「…ぐ…ッ!?」
突然、強い力で首を絞め付けられ、丈は呻き声を上げる。
「…な…、…何だ…ッ、…これ…ッ!?」
首に巻き付いたワイヤーを引き千切ろうと、丈は両手をその部分へ持って行く。その時だった。
…ヒュッ!!…ヒュッ!!
空気を割くような鋭い音が聞こえた時、爆風と砂塵の中から細長いワイヤーが4本飛び出して来た。そして、それらはあっと言う間に丈の両手首と両足首に巻き付いたのだ。
「…あ…ッ、…ああああ…ッッッッ!!!?」
丈の両手首が左右へ引っ張られ、両足首は大きく股を広げられて行く。
「アハハハハハハハハ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
豪の勝ち誇った笑い声が聞こえる。
「どうだッ、丈ッ!!君は今、文字通り、立ったまま、大の字に拘束されているのさッ!!」
豪の目がギラギラと野獣のように輝いている。
「…豪…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
丈はそれらのワイヤーを引き千切ろうと、懸命に体をもがかせる。だが、そのワイヤーは一向に切れない。
「…ど…ッ、…どうなってんだああああッッッッ!!!?」
丈がもがくあまり、その体が大きく仰け反り、光沢のある鮮やかな黄色と白色のスーツが太陽に照らされてキラキラと輝く。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
丈は体を仰け反らせ、大声で叫んだのだった。