ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第2楽章 第6話

 

 ピイイイイイイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 それまでの静寂を一気に吹き飛ばすような甲高い音が聞こえた時、

「…フフッ!!

 とボクは笑っていた。それとは反対に、

「…なッ、何だッ!?

 と、ドクターオブラーは目を見開き、周りをキョロキョロと見回していた。

「…なッ、何が起こったんだッ!?

 オブラーがそう言った時だった。

 バコンッ!!ガコンッ!!

 けたたましい音を立てた数体のジンマーの顔の表面の金属が音を立てて開いた時、中からおぞましい機械の顔が見えた。機械の顔、と言うか、ジンマーのロボットとしての原形と言った方がいいだろうか。

「…?」

 高圧電流と爆発による激痛で意識が朦朧としているイエローライオン・大原丈。仰向けになった体を無理矢理起こし、ゆっくりと見上げた時、他の数体のジンマーが彼の両腕と体を乱暴に掴んだ。

「…なッ、…何…しや…がる…ッ!?

 あっと言う間にその場に立たされる丈。その視線が豪と合った。

「…豪…オオオオ…ッッッッ!!!!

 憎々しげにオブラーを睨み付ける丈。でもオブラーはおどおどとしながら、

「…ぼッ、…僕じゃないッ!!

 と言ったのだ。でも、それが丈の逆鱗に触れたようで、

「何が僕じゃない、だッ!!お前が作り出したジンマーがこんなことになってんだろうがああああッッッッ!!!!

 と怒鳴った。

「だッ、だからッ、僕じゃないって…」

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 その時、ボクはオブラーの横にスッと姿を現した。

「…ッ!?…おッ、お前…ッ!!

 オブラーはぎょっとしたような表情を浮かべると、ボクを見た。

「フフンッ!!

 ボクは侮蔑するように笑うと、

「そんなに簡単に、あの男をキミのものにするわけないだろう?」

 と言ってやった。

「…どッ、どう言う意味だッ!?

 オブラーは顔を真っ赤にしている。

「これはボクがあのジンマー達に与えたスパイスなのさ。あの男をあっさり簡単にキミのものにするのにはちょっと抵抗があるってことさ。どうせなら、ゆっくり、じわじわと苦しめてから、キミのものにした方がいいだろう?」

 ボクはオブラーの耳元で囁くように言う。

「でも、ただ単に苦しめるだけじゃ面白くないよね?」

「…?」

 オブラーはさっきから眉間に皺を寄せ、理解不能と言う顔をしている。そりゃ、そうだろう。こんな落ちこぼれに、ボクの意図なんて分かるわけがない。

 その時だった。

「おいッ、豪ッ!!さっきから、誰と喋ってやがるッ!?

 突然、丈の怒鳴り声がボク達の耳を劈いた。するとオブラーは、

「…え?」

 と言うと、きょとんとした表情を見せた。

「ああ、無理無理。彼にはボクの姿は見えていないし、声は聞こえていないんだ。何故なら、ボクはこの時代にいてはいけない人間だからね…!!

 そう言うと、ボクは目を見開き、

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、大声で笑った。でもすぐに、

「…さて…」

 と真面目な表情に戻ると、

「ボクがあのジンマー達に仕掛けた素敵な魔法を見せてあげることとしよう」

 と言うと、

「やれ!!

 と、顔の原形を見せているジンマーに声をかけた。

 ポウ…。

 その時、そのジンマーの目が妖しく光ったかと思うと、口に相当する部分から真っ赤なものがシュルシュルと飛び出して来た。そして、それは目の前で捕らわれている丈の顔を思い切り舐め上げたのだ。

「…な…ッ!?

 真っ赤なそれはネチャネチャと言う音を立て、ベットリとした液体を丈の顔に残した。

「…な…、…な…ッ!?

 あまりに突然のことに、丈は声を上げることも出来ない。そして、この男、オブラーは、

「…あ…あ…あ…あ…!!

 と情けない声を上げ、呆然と目の前の光景を見つめているだけだ。その間にも、

 …ネチャ…ッ!!…ネチャ…ッ!!

 と言う音を立てながら、顔の原形を覗かせているジンマーがその真っ赤な舌で丈の顔を舐め続ける。

「…や…ッ、…止め…ッ!!

 顔を背け、屈辱的な表情を浮かべる丈。顔を背け、その真っ赤な舌を除けたのも束の間、他のジンマーの舌が伸びて来て再び丈の顔を舐め上げる。

「…止めろ…ッ!!

 ゾワゾワとした悪寒が背筋を駆け抜ける。

「…止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 精一杯の力を出して、自身の体を捕らえているジンマーを振り払おうとした。だが次の瞬間、残っているジンマーが丈の手足、体を更に物凄い力で捕らえて来たのだ。

「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 高圧電流と爆発のダメージ、そして、丈を捕らえているジンマーの物凄い力に為す術もない。

 ネチャッ!!ネチャッ!!

「…止めろ…ッ!!

 ネチャネチャッッッッ!!!!ネチャネチャッッッッ!!!!

「…や…ッ、…止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 その時だった。

「ふあッ!?

 不意に体に流れた何とも言えない感覚に、丈は素っ頓狂な声を上げ、ビクリと体を痙攣させた。

 …チュッ!!…チュクチュク…ッッッッ!!!!

「…あ…あ…あ…あ…!!

 ゆっくりとその音がする方へ視線を送る。

 イエローライオンの光沢のある鮮やかな黄色と白色を基調としたスーツ。その肩から臍の中心へ真っ直ぐに伸びた真っ白なラインの上に浮き出た両胸の突起。その右側に1体のジンマーの真っ赤な舌が忍び寄り、チュクチュクと言う音を立てながらその舌の先端部分で突起を刺激していた。

「…あ…ッ!!…あ…ッ!!

 その刺激に丈は目を見開き、ビクッ、ビクッ、と体を跳ねらせ続ける。

「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!

 ボクは大声で笑っていた。

「…凄いよ…!!…正義のヒーローがあんなによがるなんて…!!…おや?」

 その時、ボクはオブラーの様子がおかしいことに気付いた。

「…あ…、…あぁぁ…!!

 ブルブルと体を震わせ、大きく目を見開いて丈の醜態を凝視している。そして、その黒いズボンに包まれた中心部分が大きく盛り上がっていたんだ。

「…フフッ!!

 ボクはオブラーの肩越しに囁くように声をかけた。

「…どうだい、オブラー。…キミの大好きな人が目の前であんな醜態を晒しているよ…?」

 ボクはニヤリとする。

「…キミも…。…キミのイエローライオンを自分の手であんなふうにしたいのかい…?」

「…う…、…あ…、…あぁぁ…!!

 顔を真っ赤にし、膝をガクガクと震わせている。

「…フフッ!!

 ボクは笑うと、

「…キミにはメインディッシュをあげるよ。…いや、甘いドルチェ、かな?…今はその前の下準備と言ったところさ。もう少し楽しみなよ。キミのイエローライオンが目の前で苦悶の表情を浮かべるのを、さ!!

 と言った。

 

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