ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第3楽章 第1話
長閑な住宅街にある真っ白な建物・ニュータウン小学校。まるで平和と言わんばかりにその建物は太陽の光を浴びて真っ白に輝いている。その輝き自体が、ボクにとっては物凄く不快なものに見えた。
キーンコーンカーンコーン…。
大きな音が聞こえ、
「…なッ、…何だ…ッ!?」
と、ボクは思わず耳を塞いでいた。と同時に、その音が鳴り止むか止まないかのうちから、今度は子供達の元気な明るい声が聞こえて来て、
「不快だッ!!」
と、ボクは再び眉をひそめていた。
「よーしッ!!じゃあ、今日はここまでッ!!」
ボクにとっては物凄く不快な、一際爽やかな大人の男性の声が聞こえたその瞬間、
「先生ッ、さよーならーッ!!」
と言う子供達の甲高い声が聞こえ、多くの子供達がクモの子を散らすように真っ白な建物から飛び出して来た。
「気を付けて帰るんだぞぉッ!!」
赤いブルゾン、黒いジーパンを穿いた長身の男性がニコニコしながら手を振っている。
星川学。地球戦隊ファイブマンのリーダー・ファイブレッド。そして、このニュータウン小学校では子供達に理科を教える教師だ。
確か、ファイブレッドには兄弟がいたんだっけ。しかも全員、この学校の教師だ。
すぐ下の弟のファイブブルー・星川健は体育の教師、その下の妹のファイブピンク・星川和美は算数の教師。その下の二卵性双生児のファイブブラック・星川文矢は国語の教師、そして、ファイブイエロー・星川レミは音楽の教師だ。
だが、それはあくまでも表の姿。この5人の本当の姿は、地球侵攻を企む銀帝軍ゾーンから地球を守る地球戦隊ファイブマンと言う戦隊ヒーローなんだ。
「…ふぅぅ…ッ!!」
その時、星川学は頬を膨らませ、大きな溜め息を吐いた。決して不快な溜め息ではない。今日もやり切った、と言う充実した溜め息だ。
そんな学の視界にはたくさんの子供達が映っている。どの顔もキラキラと眩しい笑顔をたたえ、希望に満ち溢れているような、純粋無垢な笑顔だった。
「…さて…、…と…」
学が独り言のようにそう言い、建物の中へ入ろうとしたその時だった。
「おりゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
威勢の良い子供の甲高い声が聞こえたその瞬間、
ブスッ!!
と言う鈍い音が聞こえたかと思うと、
「おわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、その爽やかな笑みを浮かべていた学が俄かに目を大きく見開き、体を弓なりにした。
「…ぐ…ッ、…おおおお…ッッッッ!!!!」
体を弓なりにしたまま、双丘の窪みを押さえ、もんどりを打っている。と、次の瞬間、
「「「「アハハハハハハハハ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」」」」
と言う甲高い笑い声が聞こえ、学は思わず振り返っていた。
「…お…ッ、…お前…ら…ああああ…ッッッッ!!!!」
その顔が真っ赤になり、目には涙が滲んでいる。その視界には4人の男の子がいた。
「先生、ダッセエッ!!スキがありまくりだよッ!!」
青いシャツを軽く羽織り、下半身は青いジーンズの半ズボン姿の少年。真っ白な靴下が脛から下へ伸びている。
「よくそんなんでヒーローなんてやってるよなぁ…」
今度は黒いシャツを軽く羽織り、下半身は黒いジーンズの半ズボン姿の少年。そして、真っ白な靴下が脛から下へ伸びていた。
「…せ、…先生…、…大丈夫…?」
黄色いシャツに下半身は青いジーンズの半ズボン姿の少年。その腰から肩にかけてサスペンダーが付いている。そして、真っ白な靴下が脛から下へ伸びていた。
「大丈夫なもんかいッ!!」
学はそう言うと4人の方へようやく正対した。
「あのなあ、何度も言ってるけど、いきなりカンチョーは止めろ!!お尻の穴が怪我しちまうだろう!?」
「それは先生にスキがあるからであって…」
「そう言う問題じゃないッ!!」
青いシャツの少年がのほほんと言うと、学は顔を真っ赤にして言った。
「こらッ、力ッ!!大地ッ!!洋平ッ!!俊介ッ!!お前ら、相変わらずだな。6年生なんだから、そろそろ落ち着いてもいいんじゃないのかぁ?」
そう言っているうちに、学の顔には苦笑が浮かんでいた。すると、
「オレ達、まだまだ遊びたい盛りなのッ!!みんなッ、行こうぜッ!!」
と、赤いシャツに下半身は白いジーンズの半ズボン姿の少年が爽やかな笑顔を浮かべて行った。その足元も真っ白な靴下が脛から下へ伸びていた。
「じゃあねッ、兄弟先生ッ!!」
青いシャツを軽く羽織った少年がそう言い、他の子達と駆け出して行く。
「おうッ!!気を付けてなあッ!!」
学は大きく手を振っていたのだった。
「学先生、ダッセエよなあッ!!」
帰り道。青いシャツに青いジーンズの半ズボン姿の少年・浜洋平が笑いながらそう言った。
「ファイブマンなのに、スキだらけだし!!今度は先生のモッコリを握っちゃおうっかなあッ!!」
「うっわ、洋平ッ!!お前ッ、変態かよッ!!」
今度は黒いシャツに黒いジーンズの半ズボン姿の少年・山形大地が驚いたように素っ頓狂な声を上げた。すると、洋平は、
「健先生なんてモッコリがでっけえんだぜ!?いっつも水着の中で物凄く膨らんでるし、よく見るとさ、チンポの部分がシュッと真っ直ぐに伸びてるんだよ!!」
と言うと、両手で洋平自身のその部分を押さえた。
「だからさッ、学先生も大きいんじゃないかなあってね!!」
「…でも…」
1人だけ浮かない表情をしている黄色いシャツに青いジーンズの半ズボン姿の少年・日野俊介が弱々しく声を上げた。
「…先生に…、…怒られるよ…?」
「何だよォ、俊介ぇッ!!そんなの、慣れっこだろ!?」
洋平が言うかと思いきや、大地がそう言うと、俊介の肩を抱いた。
「オレ達4人ッ、いっつも一緒だぜッ!!」
「…で…、…でも…」
「まぁまぁ」
ちょっとだけ苦笑している赤いシャツに白いジーンズの半ズボン姿の少年・炎力がそう言うと、
「でもまぁ、あんまりカンチョーはしない方がいいかもな。オレの父さんが大きなのをした時にそこが切れてさ、痔になって座るにも立つにも痛い痛いってここを押さえてたからな」
と言いながら、自身の双丘の窪みを押さえた。
「じゃあさ、先生のモッコリだったらギュウウウウってやってもいいんじゃねえのッ!?」
「だからッ、お前ッ、本当に変態だなッ!!」
洋平と大地がまるで漫才のように掛け合う。
「…じゃあ…。…キミ達の願い、叶えてあげようか…?」
その時、ボクはスゥッと姿を現した。
「「「「…ッッッッ!!!?」」」」
最初、その子供達はぎょっとした表情でボクを見たが、
「…おばさん…、…誰…?」
と、俊介が聞いて来た。
「…お…、…おば…ッ!!」
ボクはその言葉に目を見開き、絶句した。だがすぐに、
「…プッ!!…アハッ!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と爆笑していた。
「…何だ、…このおばさん…?」
大地がぼそっと呟いたのを、ボクは聞き逃さなかった。
「おばさんじゃないッ!!お姉さんだッ!!」
「…じゃあ…、…お姉さん。いったい、何者なの?」
力が訝しげな表情でボクを睨んで来る。
「ボクはキミ達の願いを叶える魔法使いさ」
「魔法使いイイイイッッッッ!!!?」
洋平がキラキラと目を輝かせている。
「…そうだよ…!!」
その時、ボクは目を大きく見開き、ニヤリと笑った。
「キミ達の願いを叶えて、ファイブレッドを倒すための、…ね…!!」
そう言った時、ボクの鞭・悪漢鞭がブウウウウン、と言う唸り音を上げていた。