ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第3楽章 第2話
「おわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
数日後。
のんびりと街の散策を楽しんでいた学は、突如として大量のバツラー兵に襲われた。
「はあッ!!」
「おりゃああああッッッッ!!!!」
ひらひらと器用に身を翻し、バツラー兵の攻撃を避ける学。だが、そのあまりの多勢に無勢に、明らかに圧されていた。
「…く…ッ!!」
「くそッ!!」
「くそったれエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
次々に襲い掛かって来るバツラー兵に次第にイライラが募って来る。教師なのに、教師あるまじき言葉遣いで思わず暴言を吐いていた。
その時、1体のバツラー兵がカニのハサミのような武器を学に突き付けた。ドシュッ、と言う音と共に、
「うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と学が背後に吹き飛び、ゴロゴロと転がる。
「…ああああッッッッ、もうううううッッッッ!!!!」
頬にはバツラー兵が持っていたハサミのような武器によって一本筋が浮かび上がり、血が滲んでいる。イライラの限界。学は大声で叫ぶとVチェンジャーブレスを握った。そして、
「ファァァァイブ、レェェェェッドッ!!」
と叫びながら、そのVチェンジャーブレスを頭上へ掲げた。その途端、学の体が眩い光に包まれた。
光沢のある鮮やかな赤色のスーツが学の体を包み込んでいる。赤色を基本とし、その両肩から臍へ向かって白と黄色のラインが伸び、体の前でVの字を作っていた。
普段から体を鍛えている学。その筋肉質な体付きが体に密着したファイブレッドのスーツに浮かび上がっている。腕、胸板、そして、ガッシリとした太腿。そして、学のガッシリとした太腿の付け根部分に息づく、学の男としての象徴・ペニス。それがふくよかな膨らみを形成していた。
「Vソードッ!!」
その時、学は剣状の武器、Vソードを取り出し、バツラー兵に向かってしっかりと構えた。
「来いッ!!」
ファイブレッドのマスクの中で、学は厳しい目つきをしている。
「ギシャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
バツラー兵は奇声を発しながら、学に向かって行く。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
対する学もVソードを振り翳し、物凄い勢いでバツラー兵に突っ込んで行く。そして、
「はああああッッッッ!!!!」
「おりゃああああッッッッ!!!!」
と、自身が得意とする剣道の技を組み入れてバツラー兵に斬り込んで行くと、
「グギャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、バツラー兵は不気味な悲鳴を上げて倒れて行った。
「一気に決めてやるッ!!」
学がそう言った時、Vソードに激しい炎を纏った衝撃波が集まり始めた。
「行くぞオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
大きく振り翳したその瞬間、
「Vソードアタアアアアックッッッッ!!!!」
と学が叫び、Vソードを一気に振り下ろした。
「グギャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
バツラー兵は断末魔の悲鳴を上げ、その場で爆散した。
「…ふぅぅ…」
大きく溜め息を吐き、ファイブレッドの変身を解除しようとしたその時、
パチパチパチパチ…。
と、ボクは思わず手を叩いていた。その音に、ファイブレッドはビクリとして辺りをきょろきょろと見回した。そして、ボクを認めると、
「…え?」
と、その場に固まった。
「さっすが、ファイブマンのリーダー、…いや、お兄ちゃん、だね!!」
ボクはそう言いながら、ファイブレッド・星川学を蔑んだ眼差しで見下ろしていた。すると、
「だッ、誰だッ、お前はッ!?」
と、学がボクを指差し、ファイブレッドのバイザーの中で睨み付けて来た。
「お前ッ、ゾーンの新手の幹部かッ!?」
「…はぁ?」
初対面でそうやって言うのかと思わずムカッ腹が立った。でもボクはフンと笑うと、
「あんな馬鹿な集団と一緒にしないでくれ」
と言い、
「ボクは未来からやって来たんだ。キミを潰しにね!!」
と言った。だが、学はその場に固まったまま、動こうとしない。
「おいッ、聞いているのかッ!?」
ボクはそう言いながら、手にしていた鞭を振るった。ぶううううんんんん、と言う音が聞こえたその時、
バシイイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う音と、
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う学の悲鳴が響き渡った。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ファイブレッドの光沢のある鮮やかな赤色のスーツに、電流がスパークしたような光が見える。
「…なッ、…何だ…ッ、…お前は…ッ!?」
「だからぁ。さっきも言ったろう?」
ほんと、めんどくさい。これだから頭でっかちなだけの教師と言う職業のやつはめんどくさい。
「ボクは未来からやって来たんだ。キミを潰すためにね!!」
「…?」
だが、ファイブレッドはいまいち理解出来ていないのか、きょとんとしたままだ。
「ああああッッッッ、もうッッッッ!!!!ムカつくなああああッッッッ!!!!」
その時、ボクの鞭がぶううううんんんん、と言う音を立て、
バシイイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う衝撃音を立てた。その瞬間、
バリバリバリバリ…ッッッッ!!!!
と言う音と共に、
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う学の悲鳴が響き渡り、光沢のある鮮やかな赤色のスーツがゴロゴロと地面を転がった。
「…ど、…どう…して…!?」
「…あ?」
学は目を大きく見開き、信じられないと言う表情をしている。
「どうして、ボクが未来からやって来ることが出来たのか、って?」
「…」
「フン。キミは科学の教師だったよね?時空の歪みと言う言葉を聞いたことくらいあるだろう?」
ボクがそう言うと、
「…あ、…ああ…」
と学が答える。
「ボクはまさに、その時空の歪みを使ってここへやって来た。30年後の未来からね!!」
「…そ…、…んな…」
「まぁ、この時代ではまだその理論は解明されていないようだけど、ボクの能力、いや、ヨドン皇帝の能力を使えば、そんなことくらい雑作もないことさ」
「…ヨドン…、…皇帝…?」
学がボクを見上げているその瞳が忙しなくきょときょとと動いている。
「…30年後の未来にも、…ゾーンのような、この世界を侵略しようとしているやつらがいると言うことか…!?」
「まぁ、そんなことはどうでもいいじゃないか。今は、キミを潰すよ!!」
そう言うと、ボクは学を踏み付けてやろうと右足を振り上げた。その瞬間、学はゴロゴロと転がると、ボクと間合いを取った。
「未来から来たのか何だか知らないが、ここでオレがやられるわけには行かないんだッ!!」
そう言いながら、学はVソードを再び構えた。
「…へぇ…」
ボクはニヤリと笑うと、
「…これでも、そんなことを言えるのかい?」
と言った時、眩い4つの光がボクの目の前に現れた。
「…な…ッ!?」
その光が消えた時、学が目を大きく見開いて絶句した。