ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第4楽章 第1話
ゴウウウウンンンン、ゴウウウウンンンン…。
異世界の砂漠に覆われた地域。その中にくるくると回る球体がいくつも宙に浮いている。そして、その中にピラミッドを逆さにしたような物体も浮いていた。
ゴーマ宮。その三角形の表面の重心部分には大きな目が描かれ、迫り来るものを拒んでいるような雰囲気さえ、漂っていた。
「グギャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「グゲエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その中から聞こえて来る不気味な悲鳴。そして、
「オルアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う咆哮も。
「おのれッ!!おのれエエエエエエエエッッッッッッッッ、ダイレンジャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
全身を革の、紐のようなものをイメージしたものを身に纏った男が荒れ狂っている。
「はぁッ!!はぁッ!!」
その目が大きく見開かれ、ガッシリとした体躯のその男が肩で大きく息をしている。ゴーマ族幹部の1人・ザイドスだ。
そして、その周りには顔の部分だけが白く、後は黒ずくめのタキシードのような服を身に纏った、やや妖しい雰囲気を醸し出している戦闘兵・コットポトロが呻き、床の上を這いずり回っていた。
「オレらの計画を散々邪魔しやがってエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!どいつもこいつもッ、本当に頭に来るぜエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
そう言うと、ザイドスは足元にいたコットポトロを思い切り蹴り上げた。
ドゴオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!
鈍い音が聞こえたその瞬間、
「グゲエエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、そのコットポトロが悲鳴を上げ、ゴロゴロと転がった。
「くそッ!!くそオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
荒れ狂うザイドスはズカズカと足音を響かせながら蹴り上げたコットポトロに近付くと、その両足を持ち上げた。
「…お、…お許しを…ッ、…ザイドス…様…ッ!!」
「はんッ!!」
その瞬間、ザイドスは右足をそのコットポトロの股間部分に捩じ込ませ、ニヤリと笑った。
「少しはオレの役に立てよ、な?」
そう言った次の瞬間、ザイドスはその右足を小刻みに動かし始めたのだ。
「ぐぎゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
コットポトロが悲鳴を上げる。
「…おッ、…お止め…下さいイイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!…ザッ、…ザイドス…様アアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「ウケケケケッッッッ!!!!お前らにも付いているようだなぁ。タマタマがよオオオオッッッッ!!!!」
その時、ザイドスは目をカッと見開くと、物凄い勢いでそのコットポトロの股間に息づくものを踏み躙った。
ゴキュゴキュッッッッ!!!!ゴリッ、ゴリゴリッッッッ!!!!
「ひぃぎぃやああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
コットポトロは絶叫すると、ビクンッ、と体を大きく跳ねらせた。と同時に、ザイドスの足の裏に、そのコットポトロの股間に息づくものがビクビクと何度も脈打った感覚が伝わった。
「…ああん?」
ザイドスは訝し気な表情を浮かべると、その右足を離す。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ビクッ、ビクッ、と体を痙攣させるコットポトロ。
「…ちッ!!」
ザイドスの靴の裏には、ねっとりとした濃白色な液体がベットリと付いていた。
「…つまんねぇやつだなぁ…。…もうイッちまったのかよ…」
そう言いながら、ザイドスは右足を大きく振り上げた。
ぶぅぅぅぅんんんん、と言う風を切る音が聞こえたその瞬間、
ドゴオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う音と同時に、そのコットポトロの体が宙に浮いた。そして、
グシャッ!!
と言う音と共に、何かが潰れるような音が聞こえた。
ドサッ!!
ザイドスから遠く離れた地面の上に横たわるコットポトロ。ピクリとさえ、動かない。
「…フン…ッ!!」
その時、ボクはゆっくりとザイドスに近付いた。
「随分と酷いこと、いや、面白いことをしているんだね」
「あ゛あ゛んッ!?」
顔を歪ませ、ボクを見た途端、ザイドスは驚いたかのように目を見開き、その場に固まった。
「…だッ、誰だッ、テメエはッ!?」
「ボクはヨドンナ。未来から面白いものを探しにやって来たんだ」
「…はぁ?」
ザイドスは意味不明、と言った表情をしている。ボクはザイドスに蹴り飛ばされたコットポトロのところへ行く。
「…あ〜あ…。…これじゃ、使い物にならないじゃないか…」
「別にいいんだよッ、コットポトロなんてなあッ、いっくらでもいるんだよッ!!…つか、テメエは誰なんだって聞いてんだよッ!!」
「カッカカッカとやかましいやつだなあ」
ボクはうんざり気味に言うと、
「だから、ボクはヨドンナ。未来からやって来たって言ってるだろう?」
と言った。
「未来だあ?」
ザイドスの顔がどんどん真っ赤になって行く。
「そんなこと、あり得ねえんだよッ!!未来から過去にやって来るなんざ、お天道様でも出来ねえんだよッ!!」
「だから、未来だったらそれが出来るんだって!!」
「はああああッッッッ!!!?」
「ああ、もう、うるさいうるさい!!…それより…」
ボクはニヤリと笑うとザイドスの元へ歩み寄り、
「…このボクに、協力してくれないかい?」
と言った。
「ボクに協力してくれたら、キミにとっても楽しいことになると思うんだけど…」
「だッ、誰がテメエなんかに協力するかッ!!」
予想通り。ボクはフフン、と笑うと、
「まぁ、別にいいけど。…でも、このままだとキミ達は滅びるよ?」
と言った。するとザイドスは、
「…オレ達が…、…滅びる、…だと…?」
と聞いて来た。
「そう」
ボクはコクンと頷き、
「キミ達の敵であるダイレンジャー、だっけ?やつらにやられるんだ。ボクは未来から来た人間だからね。過去のことは何でも知っているんだ」
と言ってやった。でもザイドスは、
「…ケッ!!バカバカしいッ!!オレらが滅びるなんざ…」
と言いかけて、ピタリと止まった。
「…オレらが…、…滅びる…?」
「そう。しかも、キミは最後、泥人形になってね…」
「…オレが…、…泥人形…?」
こう言う単細胞は極端に不安に陥れた方が動かしやすい。
「…残念だな…。…せっかく、キミに明るい未来を見せてあげようと思ったのに…」
やや寂し気な表情を浮かべ、ボクはザイドスにクルリと背を向けた。その時だった。
「まッ、待ってくれッ!!」
背後からザイドスがやって来ると、ボクの顔をまじまじと覗き込んだ。
「…本当に…、…オレらが滅びるのか?…オレは、…泥人形になるのか…?」
「信じるも信じないも、キミの勝手だよ」
ザイドスの視線がきょときょとと忙しなく動いている。
あと少し。あと少しで、コイツはボクに堕ちる。
「…分かった…」
ザイドスはそう言うと、
「…どうすればいい?」
と聞いて来た。
「簡単なことさ。ダイレンジャー、だっけ?ヤツらを生殖不能にすればいいんだ」
「…は?」
ボクはニヤリと笑うと、ボクは地面にぐったりと倒れているコットポトロのもとへ行き、
「キミがこの戦闘兵にしてやったことを、ダイレンジャーにしてやるのさ。ただし、コイツらを使ってね!!」
と言った。
「コイツらを使って、ダイレンジャーの中で一番バカなヤツを生殖不能にしてやるのさ…!!」