ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第4楽章 第2話

 

 ブロロロロ…!!

 軽快に響くエンジン音。革のグローブを嵌め、街の中を颯爽と走る1台のオートバイ。青と白のストライプのシャツを着て、その上にベージュのオーバーオール。頭を守るヘルメットは青。少年のようなキラキラとした瞳。

「…今日も特に異常なし…、…か…」

 そう呟いた時だった。

 物陰から1体のコットポトロが飛び出して来た。

「危ねえッ!!

 急ハンドルを切る。コットポトロを避けようとして急ハンドルを切った途端、オートバイの制御が効かなくなった。

「うわッ!?うおッ!?

 懸命に体勢を立て直そうとする。だが、オートバイはタイヤがスリップするのか、フラフラと蛇行運転を繰り返す。そして、

「うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言う悲鳴を上げて、そのオートバイは道端のごみ集積場へまともに突っ込んだ。

 ドオオオオオオオオンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!

 物凄い音がしたのと同時に、ごみを入れた袋が派手に宙を舞った。

「…うう…ッ、…痛って…え…ッ!!

 その男はごみの山の中からヨロヨロと起き上がり、しかめっ面をした。そして、

「…て…んめ…ええええ…ッッッッ!!!!

 と怒鳴り、青いヘルメットを物凄い勢いで投げ付けると、物陰から飛び出して来たコットポトロに飛び掛かったのだ。

「うわああああッッッッ!!!!

「うわああああ、じゃねええええッッッッ!!!!

 ドゴッ!!ドゴオオオオッッッッ!!!!

 怒り狂ったヤンキー風の外見を装った男がそのコットポトロを殴る、蹴るの連発をする。だが、コットポトロは、

「…や…ッ、…止めて…くれ…ッ!!…話…を…、…聞いて…くれ…ッ!!

 と声を上げ、懸命に抵抗する。

「あ゛あ゛ッ!?何が話を聞いてくれ、だああああッッッッ!!!?

 怒り狂うと何をしでかすか分からない、と言った感じだ。これだからバカは…。

 ドゴッ!!ドゴオオオオッッッッ!!!!

「…たッ、…頼む…ッ!!…話を…ッ!!

「てんめええええッッッッ!!!!いい加減にいいいい…」

 拳を振り上げた男・将児が何かに気付き、その拳を振り下ろすのを止めた。

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 コットポトロは荒い呼吸をしている。その体中には無数の傷が。

「…お前…」

 さすがのバカでも何かに気付いたのか、そのコットポトロを抱き起こした。

「…助けて…、…くれ…」

「助けて、って、どう言うことだよッ!?

 その時だった。

「オレがそのコットポトロをボッコボコにしてやったんだよッ!!

 柄の悪い声が聞こえ、将児は思わずその方向を振り向く。

「…ザッ、ザイドスッ!?

 将児と同様、ガッシリとした体格。ただ、巨漢と言う言葉がふさわしい革の服を身に纏った男がニヤニヤしながら立っていた。

「ザイドスッ!!どう言うことだッ!?

「どう言うことだも何も…。…ただ単に、そのコットポトロはオレのストレスの捌け口になったってことさ!!

 そう言うと、ザイドスは目を見開き、

「お前らのせいでなあッ!!

 と言い放った。

「…オレらの…せい…?」

「そうさ!!お前らがオレらの邪魔ばっかりするからよォ、そのコットポトロはオレのストレスの捌け口にされちまった、ってぇ、わけだ!!

 そこまで言うとザイドスはニヤリと笑い、

「そいつのココを見てみな!!

 と、自身の股の間を指さした。

「…え?」

 将児は一瞬、怪訝そうな顔をしたが、将児に助けを求めて来たコットポトロの2本の足の付け根部分を見た途端、

「…ッッッッ!!!!

 と顔を真っ赤にし、引き攣らせた。

「…おッ、…おま…ッ!!

「…うう…ッ!!

 コットポトロのタキシードのような衣装を身に纏った2本の足の付け根部分。コットポトロのそこに息づくふくよかな膨らみ。そこがぐっしょりと濡れ、ポタポタと粘着質な液体を滴らせていた。

「ソイツに蹴りをかましてやったのよ!!いわゆる、金的、ってやつさ!!

「…うううう…ッッッッ!!!!

 コットポトロは恥ずかしさのあまり、そこを押さえてその場で蹲る。その光景に、

「てぇんめええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と、将児が大声を上げ、

「コイツはお前らの仲間だろうがッ!!オレらに対してストレスを抱えてんならッ、直接かかって来いよッ!!

 と怒鳴った。その言葉に、ザイドスはニヤリと笑うと、

「…その言葉、忘れんなよ?」

 と言うと、

「お前らああああッッッッ!!!!やっちまえええええッッッッ!!!!

 と怒鳴った。その瞬間、ザイドスの後ろに控えていたコットポトロ達が将児に飛び掛かったのだ。

「はああああッッッッ!!!!

「はいいいいッッッッ!!!!

「せいッ!!

「ウルアアアアアッッッッ!!!!

 怒り狂った将児。物凄い勢いでコットポトロを次々に薙ぎ倒して行く。

「ああああッッッッ、もうッッッッ!!!!キリがねええええッッッッ!!!!

 そう叫んだ時、将児は両手首に装着しているオーラチェンジャーを出した。

「気力転身ッ!!オーラッ、チェンジャアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!

 そう叫ぶと、右手のオーラギャザーを左手のオーラスプレッダーに挿し込んだ。その途端、将児の体を眩しい光が包み込んだ。

「テンマレンジャーッ!!天重星ッ、将児ッ!!

 光沢のある鮮やかな青色のスーツ。上半身は真っ白で、体の中心を金色のラインが通っている。そのマスクは一角獣のデザインが施されていた。

「行くぞオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!

 将児はそう叫ぶと、

「はああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言う気合い一発、あっと言う間にコットポトロの群れを薙ぎ倒していた。

「…って、…あれ?」

 気が付いた時、そこにはザイドスの姿はなく、ザイドスに憐れな姿にされたコットポトロだけが残っていた。

「おいッ、てめえッ!!大丈夫かよッ!?

 将児はそう言いながら、テンマレンジャーの姿のままでそのコットポトロを抱き起こした。

「…うう…ッ!!

「取り敢えず、ここはずらかるぞッ!!

 そう言うと、将児はそのコットポトロを連れてどこかへ立ち去った。

 

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