ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第4楽章 第5話
意識が朦朧とする。それと同時に、自身のガッシリとした2本の足の付け根部分から込み上げて来る強烈な不快感。
「…ザ…、…イド…、…ス…うううう…ッッッッ!!!!」
テンマレンジャーの一角獣のデザインをあしらったマスクの中で、将児は顔を真っ青にし、脂汗を浮かべていた。
(…痛…、…て…え…ッ!!)
ゴーマ宮に飛び込み、突然割れた床の下に落下した。そこにあった金属の棒は、将児の男としての象徴であるペニスとその下に息づく2つの球体を容赦なく打ち付けた。その男しか分からない独特の痛みに、将児は意識を失いそうになっていたのだ。
「…ぐ…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
ちょっと足を動かしただけでも鈍痛が響く。テンマレンジャーの光沢のある青いスーツの中で、心なしか、その部分が大きく盛り上がっているようにも見えた。
「あぁあぁ…。大事な部分が潰れちまったかあ?」
穴の上からザイドスが目をギラギラ輝かせ、いかにも将児をバカにしたかのように問い掛ける。
「つッ、潰れてなんかいねええええッッッッ!!!!」
カッとなって思わず怒鳴っていた。と、次の瞬間、
「ギャハハハハハハハハ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言うザイドスの下衆な笑い声が頭上から降り注いだ。
「マジで答えてるんじゃねぇよッ!!馬鹿か、てめえはッ!!」
「…んだとおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!?」
将児が唸るように言い、足を動かしたその時だった。
「…ぐ…ッ!?…う…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
あの鈍い痛みが再び込み上げて来て、将児はその場に蹲る。
「ギャーッハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!ザマァねェなァッ、テンマレンジャーさんよオオオオッッッッ!!!!」
「おい、ザイドス。そのくらいにしておいたらどうだ?」
ボクはそう言うと、ザイドスの前に立った。するとザイドスは、
「…あ゛あ゛!?」
と、ギョロッとした目をボクに向けて来た。
「そろそろネタ晴らし、してやれよ」
するとザイドスはフッと笑ったかと思うと、
「ネエチャンのことをアイツに紹介しろ、とでも?」
と言った。でもすぐに、
「そんなこと出来るかッ!!これはお前の作戦だ、なんて言えるかッ!!女に助けを借りるほど、落ちぶれちゃいねえぜッ!!」
と怒鳴って来た。
「…はぁ!?」
カチンと来たボク。コイツ、本当にバカだな…。
「そうじゃない!!あのコットポトロだ!!」
「…ああ…」
ようやく理解したのか、ザイドスはそう言うと、
「おい!!」
と1人のコットポトロを呼んだ。
「…お呼びで?」
そう言うと、ザイドスの前に恭しく跪く。
「おい、テンマレンジャーッ!!これが見えるかぁッ!?」
「…ぐ…ッ!!」
何とかして顔を穴の上へ向けた将児だったが、目の前の光景にその体を凍り付かせた。
「…お…、…前…!?」
「そう言うこった!!これは最初から仕組まれていたことだったんだよッ!!お前を倒すためになァッ!!」
ザイドスはニヤリと笑ってそう言うと、
「見てみな!!」
と言い、そのコットポトロの2本の足の付け根部分に手を翳した。
ポウ…。
妖しい光が輝いたその瞬間、
…ムクッ!!…ムクムク…ッ!!
と、その部分が自然な膨らみを形成したのだ。
「コットポトロの体はなァ、何度でも再生出来るんだよ!!だから、ここが潰れたとしても、何度でも再生出来るってことなのさ!!それを知らないで、てめえはコイツの言い分を完全に信じ切った。それがてめえがバァカ、って言う証拠なんだよオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!ギャアッハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!」
いやいや、バカはお前だろ、とボクは言いかけたが口を閉じた。
「…て…、…めえ…ッ!!」
穴の下の将児の体がブルブルと震え、声までも釣られるように震えている。そして、テンマレンジャーの鮮やかな青色のグローブがギリギリと音を立てていた。
「…てんめええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!許さねえええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
怒り爆発状態の将児。物凄い勢いで穴の中から飛び出して来たかと思うと、ボク達の目の前に飛び降りた。
ドンッ!!
将児の両足が地面を突いた時、その体がグラリと傾いた。
「…ぐ…ッ、…おおおお…ッッッッ!!!!」
テンマレンジャーのマスクの中の将児の顔は相変わらず真っ青で、脂汗を浮かべている。
「…く…っそ…オオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…クカカカカ…!!」
ザイドスはニヤニヤと笑っている。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
2本の足の付け根部分に息づく男としての象徴、いや、将児にとってはプライドを庇うかのように、ややぎこちない走り方をしてザイドスに向かって来る将児。
「バカめええええッッッッ!!!!そんなんでオレ様に勝てると思ってるのかアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!??」
そう言った瞬間、ザイドスの目がギラリと光った。そして、
「食らえイイイイッッッッ!!!!落雷地獄ウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫んだ。その瞬間、
バリバリバリバリッッッッ!!!!
と言う物凄い衝撃音が聞こえたその瞬間、
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う将児の悲鳴が聞こえ始めた。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
その体に青白く光る稲妻が見えている。そして、
バアアアアンンンンッッッッ!!!!バアアアアンンンンッッッッ!!!!ズガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う爆発音が聞こえ、テンマレンジャーのスーツのあちこちがスパークした。
「ぐわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
将児が地面をゴロゴロと転がる。だがすぐに、
「…く…っそオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と呻くと、ダイレンロッドを振り翳し、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と再び上空へ飛び上がった。
「はいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「カアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ザイドスの口から放たれた鬼火が将児を包み込み、再び爆発を起こした。
「ぐはああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
将児は再び地面に倒れ込む。
「ギャーッハハハハハハハハ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ザイドスが下衆な笑い声を上げる。だが、すぐにニヤリと笑うと、
「…やれ!!」
と言った。
コツコツコツコツ…。
その時、将児が庇ったコットポトロがゆっくりと歩き始めた。