ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第5楽章 第10話

 

 …ビュクッ!!…ビュク…ッ!!

 淫猥な音を立てて物凄い勢いで飛び出した濃白色な、強烈な臭いを放つ液体の塊。

「…あ…ッ!!…あ…ッ!!

 サイゾウは未だに腰をビクッ、ビクッ、と大きく痙攣させ、そこから突き出したペニスからドクドクと濃白色な液体を滴らせ続けていた。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 ニンジャブルーのスーツを引き裂かれて飛び出したサイゾウの男としての象徴・ペニス。それはサイゾウの筋肉質な双丘の収縮運動に合わせるかのように上下にビクビクと何度も揺れ動いている。だが、それは少しずつ形を変え、元の姿に戻りつつあった。

「…ククク…!!

 そんなサイゾウの背後で、サイゾウの体を優しく撫で続ける貴公子ジュニアが低い声で笑う。さっきまでガジャドクロのおぞましい姿をしていたのが、今は某バンドメンバーのような姿をしていた。

「…随分と溜まっていたのね…。…かわいいわね、坊や…!!

 そう言うと貴公子ジュニアは真っ赤な舌を出し、グッタリとした表情をしているサイゾウの頬を再びベロリと舐め上げた。そして、右手でサイゾウのペニスを握ると、淫猥な液体を最後の一滴まで搾り取るように、サイゾウのペニスの蕾をキュッ、キュッ、と押し出すようにした。

「…うぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 当然のことながら、サイゾウの体には鳥肌が立ち、悲鳴を上げる。

「見てらっしゃい。ここからがいいところなんだからッ!!

 そう言うと、貴公子ジュニアはサイゾウの後ろから飛び出してエレキギターを掲げ、

 ギュイイイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 と言うけたたましい音を立てた。

「ウオオオオオオオオウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!オウオウッッッッ!!!!ギュインと魂が叫ぶわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 狂ったようにエレキギターの弦をつま弾く。すると、そのギターから不思議なオーラが発せられ、それは貴公子ジュニアの体を包み込んだ。そして、その目が真っ赤にギラリと輝いた時、サイゾウの周りの地面に飛び散っていた、サイゾウの淫猥な液体も共鳴するかのように輝きを帯び始めたのだ。

「…な…ッ、…んだ…ッ!?

 当然のことながら、サイゾウは呆然とその光景を見つめる。

「…ククク…!!

 貴公子ジュニアは低い声で笑うと、

「おいッ!!

 と、サイゾウの両脇にいた2人のドロドロのうち、1人に目配せをした。すると、そのドロドロは透明なグラスを貴公子ジュニアに差し出したのだ。

「…ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 貴公子ジュニアは低い声で唸ると、サイゾウが放出した淫猥な液体がフワフワと宙を舞い始めた。そして、スゥッと動いたかと思うと、貴公子ジュニアが手にしていたグラスに納まったのだ。

「…う〜ん…。…芳醇な、香しい香りだわ…!!

 ウットリとした表情の貴公子ジュニアに対し、

「…ッッッッ!!!?

 と、顔を引き攣らせるサイゾウ。

「…これが若々しい男のエキスなのね…」

「…止めろ…!!

 貴公子ジュニアがサイゾウの淫猥な液体が入ったグラスに口を近付ける。その光景を見ていたサイゾウは顔を真っ赤にし、声を震わせた。

「…止めろ…!!…止めてくれ…!!

「いいじゃねぇか、別に」

 その時、サイゾウの前にもう1人のサイゾウが立った。

「お前のエキスを飲み干すことで、ガジャドクロ様は更にパワーを増すんだ…」

「…止ぁめぇろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!

 ゾワゾワとした悪寒がサイゾウの体を覆い、狂ったように叫ぶ。そんなサイゾウを横目で見ながら、貴公子ジュニアはニヤリと笑うと、サイゾウの淫猥な液体が入ったグラスを一気に傾けた。

 …ゴクッ!!…ゴクッ!!

「ひぃやああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 サイゾウは上ずった甲高い声で悲鳴を上げた。

「…ふぅぅ…!!

「…あ…あ…あ…あ…!!

 どこかさっきよりも精気が漲っているような貴公子ジュニアがニヤニヤと笑う。その口の端には真っ白な一筋の線がこびり付いていた。

「…ご馳走様…!!

 その時だった。

「…う…、…あぁぁ…!!

 サイゾウの膝がガクンと折れ、ぺたんと地面に座り込んでしまったのだ。

「…あらあら…。…戦意喪失ってところかしら…?…つまんない男ね…」

 そう言うと、貴公子ジュニアはもう1人のサイゾウの方を向き、

「後はアンタの好きにしていいわよ」

 と言うと、サイゾウ達とは反対方向へ歩き始めた。

「どこへ行くんだ?」

 ボクは思わず声をかけていた。すると貴公子ジュニアは、

「決まってるじゃない。帰るのよ!!

 と言うと、スゥッと姿を消した。

「…ふむ…」

 その時、ボクもどうしようか、正直、迷っていた。

 確かに、貴公子ジュニアが言うように戦意を喪失したヒーローが惨めに陵辱されるのを見るのは、つまらないと言えばつまらない。キラメイイエローのように、ボコボコにされても立ち向かって来る方が、ボクは好きだ。

「…でもなぁ…」

 目の前のニンジャブルーは、まだまだ陵辱が足りないような気がする。もう少し、このまま見ていようか…。

「おい、サイゾウ!!

 その時、もう1人のサイゾウがサイゾウに声をかけていた。だが、もう1人のサイゾウを見上げた途端、サイゾウは俄かに怯えた表情を浮かべていた。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 サイゾウの目の前に突き出されたもの。もう1人のサイゾウのドロドロの濃い空色のスーツに浮かび上がった、もう1人のサイゾウの男としての象徴・ペニス。それは太く、長く、真っ直ぐに臍へ向かって大きく勃起していたのだ。

「…見てろよ?」

 もう1人のサイゾウはそう言うと、そこに手を掛けた。そして、

「…んッ!!

 と呻くと同時に、そこを左右に思い切り引っ張った。

 …ビッ!!…ビィィィィッッッッ!!!!

 鈍い音が聞こえたのと同時に、そこからもう1人のサイゾウのペニスが現れた。

「…う…、…あぁぁ…!!

 サイゾウは目の前の光景に呆然としている。

「…しゃぶれよ…!!

「…ッッッッ!!!?

 サイゾウは目を見開き、顔を真っ赤にする。

「…オレはもう1人のお前なんだぜ?お前の心の奥底にある感情だって分かるんだ」

「…あ…、…あ…あぁぁ…!!

 その時だった。

「おいおい、サイゾウッ!!お前のチンポ、また大きくなったじゃねぇかよッ!!

 さっきまで大量に淫猥な液体を放出していたサイゾウのペニス。少し小さくなり始めていたそれが再び息を吹き返し、臍の方へ向かって真っ直ぐに勃起したのだ。

「…ククク…!!

 もう1人のサイゾウが低い声で笑う。

「…お前…、…相当、変態だな…!!

「…」

 そう言われても、サイゾウは声を出さないでいた。だが、その視線は明らかにもう1人のサイゾウのペニスを見つめている。

「…もう一度言う…」

 ニヤリと笑うもう1人のサイゾウ。

「…しゃぶれよ…!!

 するとどうだろう。

「…」

 ニンジャブルーの鮮やかな空色のグローブに包まれたサイゾウの右手がゆっくりと伸び、もう1人のサイゾウのペニスを優しく包み込んだ。そして、そこへ顔を近付けて行ったかと思うと静かに口を開け、もう1人のサイゾウのペニスをそっと含んだのだった。

 

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