ヒーローが戦闘員に陵辱される抒情詩 第6楽章 第4話
「…だッ、…大輔…ッ!?」
メガレッド・伊達健太の目の前では、信じられない光景が広がっていた。
「…おッ、…お前…ッ!!…どうして…ッ!?」
クラスメイトで健太の親友である大輔がネジレジアの幹部・シボレナとユガンデと一緒にいる。
「…健太…」
「大輔ッッッッ!!!!」
その目が虚ろで、生気がない大輔がポツリと呟くように言う。
「…健太…。…助けて…!!」
「大輔エエエエエエエエッッッッッッッッ!!!!!!!!」
正直なことを言えば、健太もパニックになっていた。いくら大輔が、健太達がメガレンジャーであることを知っていたとしても、ネジレジアが探し当てるとは考えられない。
(…だとしたら…。…大輔自身がネジレジアに接近した?…いやいやッ!!そんなはずはねえッ!!大輔がそんなことをするわけはねえッ!!)
「どこを見ているッ、メガレッドオオオオッッッッ!!!!」
はっと我に返った時、健太の目の前には大ぶりの剣・ダークサンダーを振り翳したユガンデが迫っていた。
「くッ!!」
それを避けると、
「はああああッッッッ!!!!」
と、健太はユガンデにキックを繰り出した。
ガシッ!!
だが、ユガンデはそれを肘で受け止めると、
「うおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、右手に持っていたダークサンダーを下から上へ振り上げる。
ズガッ!!
メガレッドのスーツに火花がスパークする。
「うッ!?」
それによろめく健太。
「オラオラオラオラアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ユガンデの目がギラリと光り、ユガンデはダークサンダーを何度も何度も振り上げたり振り下ろしたりを繰り返す。そのたびに、
ズババババッッッッ!!!!ズガガガガッッッッ!!!!ガアアアアンンンンッッッッ!!!!ガアアアアンンンンッッッッ!!!!
と、健太のスーツがスパークし、火花が散る。そして、
「うわッ!?」
「ああッ!!」
「がああああッッッッ!!!!」
と、健太が短い悲鳴を上げ続けた。
「フンッ!!」
その時、ユガンデの真っ赤な目がギラリと光り、
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
と、ユガンデの目から真っ赤な光線が発射される。そして、それは強烈な電撃となって健太の体に纏わり付いた。そして次の瞬間、
ドオオオオオオオオンンンンンンンン!!!!!!!!
と言う爆発音と共に、健太を巻き込んだ。
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
健太の悲鳴が辺りに響き渡る。
「…く…っそ…オオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その時、健太は立ち上がってユガンデを殴ろうとした。その瞬間、ユガンデは大輔の腕を引っ張ると、その背後に立ったのだ。
「ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
メガレッドのマスクの中で健太は目をカッと見開き、寸でのところで拳を止める。
「…健太…」
「大輔ッ!?」
虚ろな瞳の大輔。その目からポロポロと涙が零れ落ちた。
「メガレッドッ!!その拳を下ろせッ!!」
冷たく笑うシボレナ。そして、
「お前の友人の首を見てみろッ!!」
と言った時、
「…ッッッッッッッッ!!!!!!??」
と、健太は再び目を見開いて息を呑み込んだ。
ピッ、ピッ…。
甲高い音を立てながら、真っ赤なランプが点滅している。
「これは高性能爆弾。お前が抵抗すれば、お前の友人の命はない!!」
「…ひッ、…卑怯…な…!!」
「…ククク…!!」
その時、ユガンデが再び大輔の目の前に立つと、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫びながら、ダークサンダーを振り下ろした。
ズガアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
激しい衝撃音と共にメガレッドのスーツが爆発し、
「うがああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う悲鳴を上げて健太が吹き飛ぶ。
「…食らえ…!!」
その時、ユガンデの目がギラリと光り、その体が禍々しい気に覆われ始めた。
「…ぐ…ッ!?」
さっきの衝撃で体中に激痛が走っている健太。
(…や…、…べ…え…ッ!!)
意識が朦朧とする。その視線の先には、ユガンデの後ろの大輔が。
(…大…、…輔…!!)
言わば、人質。何とかして助けたいのに、仲間を呼ぶことすら出来ない。
その時、ユガンデの目がギラリと光った。そして、
「ダークッ、ファイヤアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫んだその瞬間、ユガンデのダークサンダーが真っ赤な炎を噴き上げた。そして、それがまるで龍のようにうねりながら健太に物凄い勢いで近付き、あっと言う間にその業火で健太を包み込んだのだ。
「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
健太の上ずった絶叫が辺りに響き渡り、
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
と言う物凄い爆音と共に大爆発が起こった。
「…ククク…!!」
「…フンッ!!」
ユガンデとシボレナがニヤニヤと笑っている。
「…」
その横で、大輔はもぞもぞと体を動かしていた。
やがて、辺りを包み込んでいた砂塵が落ち着いた時、そこから現れたのはボロボロになった健太の姿だった。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
メガレッドの光沢のある鮮やかな赤色のスーツはあちこちが爆発で焼け焦げ、回路が剥き出しになっていた。それだけではない。スーツの裂け目からは健太の肉体が見えていた。
「…う…、…あぁぁ…!!」
健太の頭部を守っていたマスクもどこかへ吹き飛び、煤と鬱血で汚れた健太の顔が現れていた。
「…だ…、…い…す…け…!!」
膝がガクリと折れ、地面に崩れ落ちようとしたその時だった。
「…」
無言の大輔がゆっくりと健太の方へ向かって歩き始めたのだ。
「…大…輔…?」
今にも崩れ落ちようとしたその瞬間、大輔が健太の両脇の下に腕を入れ、崩れ落ちるのを防いでいた。
「…フッ!!」
その光景を見たシボレナがニヤリと笑う。
「…ここからだ…!!」
「…フンッ!!」
ユガンデもニヤリと笑う。
「…ここからが…、…本当の地獄だ…!!」