慟哭の毒針 第4話
「…う…ん…」
うっすらと意識が戻って来る。
「…ここ…は…?」
辺りを見回す。ゴウウウウン、ゴウウウウン、と言う地響きのような音が聞こえる以外は足音1つ聞こえない。それに、真っ暗闇の中に放り込まれているのか、辺りに光さえ見えなかった。
そして。
振り返ったところには、ダイナブルーのイルカの口のような形を模したバイザーを付けたマスクが転がっているのが分かった。
その時、洋介は自分の手に温もりがあるのを感じた。
「…オレ、…ダイナブルーに変身したままだ…!」
固い床の上に放り投げられているのは分かっていた。目を開けた時、最初に飛び込んで来たのが天井だと言うのは分かった。
「…このスーツが、…オレを床の冷たさから守ってくれてたんだ…」
ゆっくりと起き上がり、自分の体をしげしげと眺める。そしてすぐに、
「…クソ…ッ!!」
と、ダイナブルーの真っ青なグローブをギリギリと音を立てながら握った。
「…メギドめ…!!…サボテンシンカめ…!!」
サボテンシンカの必殺技であるニードルサウザンドの無数の棘を体中に受け、そこに浴びせられた電撃に身を絡め取られ、意識を失った。その電撃のせいか、あちこちが焦げている。そして、下半身を包んでいる白いズボンは茶色く汚れていた。
「…それにしても、ここはどこなんだ?」
ゆっくりと立ち上がり、その空間を見回す。
奥が見えないほどに広々とした空間であることは分かった。そこに太く冷たい鉄格子が取り付けられ、その入口を塞ぐように分厚い壁のようなものが取り付けられている。
「…オレは、…牢屋に閉じ込められたのか…?…すると、ここはジャシンカのアジト…?」
ダイナブラック・星川竜がタコシンカに連れ去られ、陵辱の限りを尽くされた場所だと言うことを、今の洋介は知る由もない。
「とにかくここから出ないと!!」
そう言うと洋介は牢獄の入口に駆け出し、その太く冷たい鉄格子を握ったその時だった。
ビキビキビキビキッッッッ!!!!
物凄い衝撃音と共に、洋介の体に激しい電流が流れ、
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、洋介は体中を痙攣させて叫び声を上げ、背後へ吹き飛んだ。
「…う、…ああああ…ッッッッ!!!!」
パリパリと言う音が聞こえるかのように、電流が洋介の体を蝕む。だが、ダイナブルーのスーツが洋介の体を守ってくれていたのは確かで、深刻なダメージを与えられるほどではなかった。
「…クソお…ッ!!…逃げられない、…ってことか…!!」
その時だった。
「…ッ!?誰だッ!?」
暗がりの奥の方の隅に人の気配を認めた洋介は思わず声を上げていた。だが、それ以外に物音はしない。
「…ッ!!」
覚悟を決めたかのように、洋介はゆっくりとその方向へ歩いて行く。
ドクンッ!!
その時、洋介の心臓が大きく高鳴った。
「…ま、…ま…さ…か…!?」
光沢のある白いズボンに包まれた、2本のがっしりとした足が見えた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その上半身は、同じように光沢のある黒いスーツ。だがそれは今、その原型を留めないほどボロボロに破壊され、それを身に纏っている者の、傷付いた肉体を曝け出していた。
「…竜…さん…!?」
ドクンッ!!ドクンッ!!
戦友であり、憧れの兄のような存在のダイナブラック・星川竜が無惨な姿でそこに横たわっていた。
「竜さんッ!!竜さああああんんんんッッッッ!!!!」
思わず駆け寄り、竜の体を揺さぶる。だが、閉じられた瞳が開くことはなく、一定のリズムの呼吸を繰り返すだけだった。
「…ジャシンカ…ああああ…ッッッッ!!!!」
激しい怒りが込み上げて来る。自分だけではなく、何の罪もない一般人まで巻き込み、そして、目の前に無惨な姿で横たわる竜。
その時だった。
「ッッッッ!!!!」
視線を動かしたその視界に飛び込んで来たもの。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ドクンッ!!ドクンッ!!
ダイナブラックのスーツに包まれた竜の2本の足。その中心部分が大きく引き裂かれ、そこから飛び出した大きなもの。竜の男としての象徴・ペニス。
「…竜…さんの…!!…竜…さんの、…チンポ…!?」
意識を失っているはずなのにそこだけは大きく、竜の体と垂直に勃起している。その先端は真っ赤に腫れ上がり、ビクン、ビクンと心臓の脈動に合わせるかのように動いていた。
「…あ、…あぁぁぁ…ッッッッ!!!!」
その時、洋介は自身のペニスも大きく、熱くなっていることに気付いた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
呼吸も尋常ではないほどに荒々しくなっている。
「…竜…さん…ッ!!…竜さん…ッ!!」
前にも見たことのある、触ったことのあるそれが目の前にある。
「…」
その時、洋介は辺りをきょろきょろと見回した。
(…誰も、…いない…)
ジャシンカ帝国に捕らわれているのを忘れたかのように、自身の欲望に夢中になっている洋介。
「…竜…さん…」
その時、ダイナブルーの真っ青なグローブに包まれた洋介の左手が竜の大きく勃起したペニスを包み込んでいた。そして、右手はダイナブルーのスーツの中で大きく勃起している自身のペニスを握っていたのだ。
「…もう、…ガマン…出来ない…ッ!!」
呟くように言うと、洋介は竜のそれを口に頬張っていた。
…ジュブッ!!…ジュボッ!!
「…ん…ッ、…んん…ッ!!」
頭を上下にゆっくりとスライドさせながら、それを優しく愛撫する洋介。
ジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
淫猥な音が辺りに響き始める。同時に、
グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!
と言う淫猥な音が洋介の股間から聞こえ始める。そこはぐっしょりと濡れ光り、ダイナブルーの鮮やかな白色の光沢を失わせていた。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!グジュグジュグジュグジュッッッッ!!!!
「んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!」
上下に動く洋介の頭の動きが激しさを増し、大きく勃起した自身のペニスを刺激する右手の動きも激しさを増していた。
そして、
「んんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う呻き声と同時に、
ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!
と言う鈍い音と共に、ダイナブルーの白いスーツのその部分に染みが広がり始め、粘着質な淫猥な液体が溢れ出し、床とを淫猥な糸で繋いだ。
ジュボッ!!
その時、鈍い音がして、洋介の口から竜の大きく勃起したペニスが出された。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
顔が熱い。真っ赤になっていることが分かった。だがすぐに、
「…あ、…あぁぁぁ…!!」
と声を震わせると、竜の体に抱き付くようにし、
「…オレは…!…オレは…ッ!!…こんなところで、…何てことを…ッ!!」
と言い、その目を硬く閉じ、眉間に皺を寄せた。その目尻から、一筋の涙が零れ落ちた。