逆襲のゴルリン 第4話
…ドクン…、…ドクン…!!
ファイブブルーの光沢のある鮮やかな青色のスーツの脇腹に、どこで使うのだと言うほどの大きな注射器が突き刺さっている。いや、注射器にしては弾力性があり、毒々しい赤色の光を放つそれは独りでに前屈運動を繰り返していた。
「…あ…、…あぁぁ…!!」
ドクンドクンと言う脈動に合わせるかのように、腹から何かを吸い取られるかのような感覚がする健。同時に、今まで感じたことのない倦怠感も襲って来ているのも分かっていた。
(…これが、…エネルギーを…、…吸い取られる、…と言う…ことか…!!)
朦朧とする意識の中で周りを見回す。
ワーワーと言う歓声と罵声が耳を劈く。この試合を見に来ている観客全員が、健の敵のように思えていた。
「…く…、…っそ…オオオオ…ッッッッ!!!!」
両足を踏ん張り、何とかしてこの窮地から逃れようと試みる。だが、
「…無駄だ、ファイブブルー…!!」
とゴルリンType Bは言うと、健に抱き付いたまま、相変わらずその体を撫で続ける。そして、その手が健の脇、尻の膨らみにそっと触れるたびに、
「…ッ!!」
と健は呻き、体をピクリと反応させ始めていた。
「…ククク…!!…お前の感度が随分と良くなって来たようだな…!」
嬉しそうに言うゴルリンType B。
「…な、…何の、…こと…だ…?」
ファイブブルーのマスクの中で懸命に笑ってみせる健。そうでもしなければ、本当にこのゴルリンType Bの言いなりになってしまいそうな気がしていたからだ。いわば、健の必死の抵抗でもあった。
「…ククク…。…無理をしなくとも良い。…俺には分かってるんでな!」
そう言うとゴルリンType Bは健の筋肉質な尻を、そのごつごつとした指でくすぐるようにその膨らみに沿ってゆっくりと、円を描くように動かし始めた。そして、その指が健の腰の付近を通過したその途端、
「…んあッ!?…ん…ッ、…んあ…ッ!!」
と、健は自分でも信じられないほど、高いキーの声を出していた。
「…ほらぁ…。…やっぱり感じているじゃないか…?」
ゴルリンType Bは嬉しそうに言うと、今度はその指をゆっくりと健の足の方へ下ろしながら、健の足元にしゃがみ込む。そして、その指を健の膝の裏から太腿、内股へと動かして行く。その途端、
「んああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
と、健が悲鳴に近い声を上げ始めた。
「…やッ、…止めろ…オオオオッッッッ!!!!…止めて…、…くれええええッッッッ!!!!」
ビクビクと体を跳ねらせながら、必死に抵抗を試みる健。だが、腹部に突き刺さっている注射器がそうはさせまいとドクドクと大きく脈打ち、健の体から力を奪って行く。
「…ククク…。…もっとだ。…もっとお前のエネルギーが必要なんだ…!」
そう言いながらも執拗に健の体を撫で続けるゴルリンType B。健の肩、ピクピクと揺れる胸、腹筋、太腿、ふくらはぎ…。健の体の全てを感じるかのように、ゴルリンType Bの手がゾワゾワとした感覚を与えて行く。
「…んん…ッ!!…んく…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
何とも言えない感覚が健を襲い続ける。エネルギーを吸い取られるだけではなく、妙な感覚をもこのゴルリンType Bは与えて来るのだ。
「…や…めろ…!!」
ビクン、ビクン…!
体がビクビクと痙攣を続ける。
「…ククク…。…こうすることで、お前の体の感度を上げて、エネルギーを一滴残らず搾り出すのさ…!」
まるで痴漢するかのように、健の筋肉質な尻を揉み、優しく撫でる。かと思えば、その両手はするすると健の背中を上って行き、肩から胸を下りて行き、内股や太腿を揉みほぐすように撫でて行く。その繰り返しだった。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
健の意識が朦朧とし始める。
「…そろそろ…か…?」
ゴルリンType Bがニヤリとした時だった。
「…う…!」
と言うと、健の膝がガクンと折れた。そして、ドサッと言う音と共に地面に四つん這いになってしまっていた。
その瞬間、観衆から大歓声が上がる。
「…ククク…ッ!!…勝負あったな、ファイブブルー…ッ!!」
ゴルリンType Bが健の目の前までやって来る。
「…き、…汚い…真似を…!」
何とか顔を見上げる健。だがゴルリンType Bは余裕の表情で、
「フフッ!!せいぜい、今のうちに憎まれ口を叩いておくんだな!!」
と言ったかと思うと、健の体の横を足蹴りにしたのだ。
「うわッ!?」
不意にバランスを崩し、健は仰向けにひっくり返る。と同時に、ゴルリンType Bが健のがっしりとした両足の足首部分を掴んでいた。
「…な、…何をする気だ…ッ!?」
おぼろげに蘇って来る子供の頃の記憶。
「…ククク…!!」
ゴルリンType Bは不気味にニタニタと笑うと、右足をゆっくりと持ち上げた。そして、健の両足の付け根部分へ捩じ込ませたのである。
「…まッ、…まさか…ッ!?」
「…そう。…そのまさか、さ!」
そう言った時、ゴルリンType Bの右足が小刻みに動き始めた。
「んぐッ!?うあッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!」
子供の頃、男同士でよくやり合った。お互いの股間、いや、正確には前立腺に刺激を与え、快楽を与え続ける。それは、叶いもしない子供の頃の性欲を自ら満たす行為でもあったのだ。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!…あ…、…ぐ…ッ、…ぁぁぁぁああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
地面に横たわり、ただひたすら叫び続ける健。
「…やッ、…止め…ろ…オオオオ…ッッッッ!!!!」
ゴルリンType Bを蹴り倒そうとする。だが、体が鉛のように重く、倦怠感を帯びたそれは自らの意思とは反対に全く動こうとしない。
「…ククク…!!」
ゴルリンType Bの腕の力が強く感じる。
「…言っただろ?…お前のエネルギーを、…全て搾り取る…ってな…!」
そう言った時だった。
「うぐわああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
健が絶叫する。
今までのそれとは全く違う振動が、健の2本の足の中心部分に息づく、健の男としての象徴であるペニスに直接与えられていたのだ。
「ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゴルリンType Bの大きな右足が健の股下からペニスへと移動し、小刻みな刺激を与えていたのだった。