逆襲のゴルリン 第8話
「…お前のエネルギーは体力だけではない。…精力のエネルギーだけではなく、お前の動物としての本能である性の中にもエネルギーは存在する。そのエネルギーが体を刺激する時、お前の精力はそのエネルギーと同時にこの中へ吸い取られるのだッ!!」
目をギラギラと輝かせ、勝ち誇ったような笑みを浮かべている巨漢の生命体・ゴルリンType B。ゴルリン以上の知能を持ったからか、自らを救世主メサイアと名乗り、ファイブブルーに変身した星川健を捕らえ、その2本の足の付け根部分に息づく、健の男としての象徴であるペニスからもエネルギーを奪い取ろうとしていた。
それはつまり、健のエネルギーを精神的にも、体力的にも奪うことで自らを強大な生命体へと変貌を遂げようとしていたのだ。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
全てを理解した健の体がブルブルと震える。
「…や…め…ろ…!!」
声が声にならない。
「…これで分かっただろう…?」
メサイアの声が冷酷に聞こえる。
「…お前のエネルギーはここに吸い取っただけじゃないからな、と言う意味をな…!」
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
耳を劈くような衝撃音と共に、体の力が一気に抜けて行くような感覚に陥る。
「…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
ゾワゾワとした悪寒にも似た感覚が同時に体中を駆け抜ける。
「…く…っそ…オオオオ…ッッッッ!!!!」
健は今、目の前にいるメサイアに体を妖しく愛撫され、ブルブルとそのがっしりとした両足を震わせていた。
「…ククク…!!」
太くゴツゴツとした指なのに、それが健の肩幅よりやや広めに広げられた股の間の奥深くへ伸び、筋肉質な双丘の割れ目すれすれの部分をくすぐるようにして前の方へ戻って行く。
「…ッ!?…あ、…ああ…ッ!!…く…ッ、…ぁぁぁぁああああッッッッ!!!!」
その指が健の股の間をすり抜け、前に息づく健の男としての象徴であるペニスとその下の2つの球体を撫で回す。そして、その指がペニスの裏筋をなぞり上げ、先端部分の括れをくすぐるように刺激する。そのたびに、健の体に言いようのない電流が流れ、悲鳴を上げる。
そして、
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
と、脇腹に突き刺さった注射器が大きな音を立て、ドクドクと大きな脈動を繰り返す。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
健の意識が遠退きそうになる。だが、体育教師として兄弟の中で一番体を鍛えて来た。いわば、パワーファイターだ。他の兄弟達に迷惑を掛けるわけにも行かない。
「…ふ…んんんん…ッッッッ!!!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
ファイブブルーのマスクの中で健の顔は真っ赤になり、目を硬く閉じ、懸命に歯を食い縛った。
「…ククク…」
そんな健を見て、メサイアが相変わらず低く笑う。
「…無駄なことを…!」
そう言ったメサイアの左手が健の目の前へゆっくりと差し出される。
「…?」
股間に与えられるゾワゾワとした感覚を必死に堪えながら、健はその左手を見つめた。
メサイアはその左手で健の右頬を撫でる。もちろん、マスクの上からではあるが。
「…ッ!?」
マスクの上から撫でられただけだと言うのに、健の体には鳥肌が立つ。
「…勿体ない…」
そう言いながら、その左手がゆっくりと健の体を伝いながら下りて行く。
「…や、…止めろ…!!…こッ、…今度は何をする気だ…ッ!?」
その左手は健の首から右肩を撫で、そのまま胸の位置まで下りる。そして、ある一点を捕らえると、それをキュッと摘まんだのだ。
「はうあッ!?」
その途端、健は体をビクンと跳ねらせ、大きく仰け反らせた。
バシュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!
そして、更にあの衝撃音が強くなった。
「…うあ…」
ビクッ!!ビクッ!!
体が痙攣する。意識が遠退く。
「…ぅぅぅぅうううう…ッ、…ううううわああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
健はその時、絶叫していた。その間にも、メサイアの右手は健の股間を刺激し続ける。優しく撫でていたかと思えば、急に激しく擦るようにしてみたり、大きく勃起したペニスを握って上下運動をさせたり。先端部分の括れをくすぐるようにしてみたり。
そして左手は、健の右胸に浮き出た突起を小刻みに刺激し続ける。爪の先でくすぐってみたり、ちょっと強く引っ掻いてみたり。その突起の周りのやや括れたところを指の腹で撫でてみたり。
そのたびに健は、
「んああああッッッッ!!!!んああああッッッッ!!!!んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と悲鳴を上げ続け、体をバタバタと暴れさせる。しかし、両手両足を拘束している金属の拘束具は健の体の動きに合わせてガチャガチャと空しい音を響かせるだけであった。
「…ククク…。…ファイブブルーの体の感度が上がっているようだ…!!」
そう言いながら、健の脇腹に突き刺した注射器を眺めるメサイア。その容器の膨らみは、最初に比べて何倍にもなっているようにも思えた。
「…ぐ…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
体が重くなっているのは分かっていた。意識もぼんやりとし、呼吸が相当乱れている。
「…く…っそ…おおおお…ッッッ!!!!」
体中から体力だけではなく、精力、そして性力をも抜かれて行く…。こんなに厳しい状況に陥ったのは初めてのことだった。
「…負ける…わけには、…行かない…ッ!!…うおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
気合いを入れるかのように、雄叫びを上げる健。
「…ほう…」
これにはメサイアも驚いたようだったが、
「…まだまだそのような力が残されていたとはな…!」
と言ったかと思うと、手に棒状のものを持った。
「…な、…何だ、…それは…ッ!?」
メサイアが手にしているものを見た途端、健は声を震わせた。棒状になったそれの先端部分はマイクロフォンのように丸みを帯びている。
「…ま…さ…か…!!」
健も1人の青年男子だ。当然、性衝動に駆られる時もある。そんな時、男女の交わりを収めた映像を見ることがあった。その時、その映像に映る人間達が使っているものにそれは良く似ていた。銀帝軍ゾーンにもそのようなものがあったのかと呑気なことを考えている場合ではなかった。
「…止めろ…!!」
「おやおや?お前、声が震えているのか?」
不気味にニタニタと笑いながら、じりじりと健との間の距離を縮めて行くメサイア。
「…さぁ、…お前のエネルギー…。…全て搾り取るとしよう…!!」