最強獣戦士誕生! 第12話
「…お前が、…好きなんだよ…。…ブン…」
ダイが何かを言った。
(…ダイが、…オレのことを、…好きって…、…言った…?)
ブンは大きな目をパチクリとさせた。
「…い、…今、…何て…言った…?」
息を呑み込みながら、ブンはダイに問い掛けた。するとダイはフッと笑い、
「聞こえなかったのか?お前のことが好きだって言ったんだ」
と言った。
「…な、…何だよ、急に…?」
いまいち、状況が掴めない。と言うか、今日のダイはやっぱり変だ。謝ってみたり、自分を抱き締めてみたり、挙句の果てには「好きだ」って言ってみたり。
「なぁ、ブン」
「んなッ、何だよッ!?」
突然、ダイに呼びかけられ、ブンはどぎまぎしながらぶっきらぼうに言った。
「ブンはオレのことをどう思ってるんだ?」
「…ど、…どうって…!?」
顔が火照っている。間違いなく、顔が真っ赤になっているのが分かった。
(…オレ、…どうしちゃったんだろ…?)
心臓がドキドキと早鐘を打っている。ダイに「好きだ」と言われて、こんなに動揺しているなんて。
「ブン!」
ダイがブンの両肩に手をかけ、じっとブンを見つめている。
「…オ、…オレも、…ダイが、…好きだよ…?」
ブンが搾り出すように言った。するとダイはフッと笑い、
「多分、お前の『好き』と、オレの『好き』は違うと思うな」
と言うとおもむろに立ち上がった。
「…ダイ…、…ッ!?」
ブンの真正面に立ったダイを見た途端、ブンは思わず息を呑み込んだ。
グリーンフラッシュにプリズムフラッシュしているダイ。ブンの目の前で仁王立ちになっているダイの2本の足の付け根。その中心に息づく、ダイの男子としての象徴であるペニス。それが今、ドクンドクンと脈を打ち、臍の方へ向かって逞しく伸びていた。そして、光沢のあるグリーンの生地の中でくっきりと形を表し、よく見れば血流まで見えるほどだった。
「…あ…、…あぁ…ッ!!」
まるでおぞましいものを見るかのように、ブンが座った状態で思わず後ずさる。
「ほら、ブン。お前のことを考えるだけで、オレのここがもうこんなになっているんだ」
ダイの顔付きが妖しい。心なしか、呼吸が荒いようにも思える。
「…う、…あぁ…!!」
小さくカタカタと震えているブン。
「ブンッ!」
ダイがしゃがみ込むと、すかさずブンを抱き締めた。
「ひッ!」
ブンが思わず声を上げる。
「好きなんだ、こんなにもブンのことが!」
「止めろォォォッッッ!!!!」
ブンがダイの腕の中で暴れる。だが、怪力の持ち主であるダイの腕が離れることはなかった。
「…こッ、…こんなのッ、…変だよッ!!…男同士でこんなのッ!!…そッ、…それにッ、ダイはサラのことが好きだって言ってただろッ!?」
ブンがダイを睨み付ける。だが、ブンも顔を真っ赤にし、目を潤ませて言うのであまり効果はないようだ。
「…ブン…」
すぅっとダイの力が弱まる。
「…ダ…イ…?」
「…何度も言わせないでくれ」
ダイの悲しげな瞳が妙に脳裏に焼き付いた。
「サラはジンやルーと同じように、同じ仲間として好きって言うだけだ。オレが本気で守りたいと思うのは、お前なんだよ、ブン」
そう言うとダイはブンにそっと口付けた。
「…ん…」
一瞬の出来事だった。ダイの悲しげな瞳に気を取られていた。ダイの柔らかな唇が、ブンの唇と重なった瞬間、ブンの体がピクリと動いた。だが、その時、ブンの体にも異変が起こっていた。ブルーフラッシュにプリズムフラッシュしていたブンの体から力が抜けたのだ。
「…あ…」
ダイの唇が離れた時、ブンの体がずしりと重くなったように思えた。
「ブンッ!?」
驚いたのはダイの方だった。ブンの目は虚ろになり、ぼんやりとダイを見つめている。そして、体からは力が抜け、両手両足はだらしなくだらんとしていた。
そして。
ブンの下半身。2本の足の付け根の中心に息づく、ブンの男子としての象徴であるペニスが少しだけ膨らみを増していたのである。光沢のあるブルーの生地の中で、少しずつ形を表しつつあった。
「…フフッ!」
ダイは笑うと、もう一度、ブンに口付けた。
「…ん…」
ブンの口は固く閉じられたままだ。
「…ブン。…口、…開けてみろよ…」
ダイが静かに語りかけると、ブンの口がゆっくりと開き始めた。
「そう。いい子だ」
ダイは再びブンの唇と自身の唇を合わせた。そして、半開きになっているブンの口の中へ、ゆっくりと舌の侵入を開始した。
「…ん、…んん…ッ!!」
ダイがブンの口の中を蹂躙し始める。同時に、ブンの体がピクピクと跳ねる。
「…ブン、…オレの舌に、自分の舌を絡めるんだ」
少し口を離してそう言った後、ダイは再びブンと唇を合わせた。すると、ブンはダイの舌を捕らえるかのように、ゆっくりと舌を絡め始めたのだ。
…チュッ!!…クチュクチュ…!!…チュル…ッ!!
「…ん、…んふ…!」
「…は、…はぁ…ッ!!」
ダイの舌の動きに必死に追い付こうとするブン。その顔は真っ赤になり、口の端からは涎が垂れた。その時だった。
「…んああ…ッ!!」
ブンが喘いだ。と同時に、ブンの体がビクリと大きく跳ねたのだ。
「…あ、…あ…、…あぁ…ッ!!」
ブンの体がブルブルと震える。
「…フフッ!」
ダイが意地悪い目付きでブンを見つめている。そして、彼の右腕はブンの下半身へ伸び、ブンの股間の中心を握っていたのだ。
「やっぱり感じてたんだな、ブン」
嬉しそうに言うダイ。
「…あ…、…あぁ…!」
目を潤ませ、顔を更に赤くするブン。
「大丈夫だ。何にも怖いことなんかない」
ダイは優しく語りかけた。
「お前を、もっともっと気持ちよくしてやるだけから…!」