最強獣戦士誕生! 第23話
「…ん…、…うぅ…ッ!」
少しずつ、目の前がはっきりして来る。
「…ここは…?」
目の前には扉が1枚あるだけ。
「…」
ぼんやりとする意識の中、ジンはゆっくりと左右を見回そうとした。モニターの付いたコンピューターがあるくらいだろうか。
「…どこかの、…実験室…か…?」
その時、ジンは、腕と足に違和感を感じた。
「…なッ…!?」
その光景を見た瞬間、ジンはようやく我に返った。
「…なッ、…何だッ!?…これは…ッ!?」
レッドフラッシュにプリズムフラッシュしたままのジンの両腕と両足には太い鎖が巻かれ、腕のは天井へ、足のは地面に固定されていた。更に、ジンは部屋の真ん中でX字に拘束されていたのである。
「…クッ…ッ!!」
ジンが腕に纏わり付いた鎖を引き千切ろうと、自身の方へ向かって引っ張る。だが、それらはびくともせず、ジャラジャラと空しい金属音を響かせていた。
「…んぐ…ッ!!」
その時、ジンは自身の股間に痛みを感じた。そして、瞬時に顔を赤くした。
(…あの時…)
獣戦士ザ・モシャスとの戦いの最中、ジンは股間に、ザ・モシャスの踵落としをまともに食らい、失神したのだった。それを思い出せば思い出すほど、顔は熱くなり、同時に、ザ・モシャスにやられた顔の傷が疼いた。その時だった。
「気が付いたようだな、レッドフラッシュ?」
低い声がしたかと思うと、目の前の扉がガチャリと開き、見覚えのある足が見えた。
「…貴様…!」
鎖に繋がれたままのジンが、ザ・モシャスを憎々しげに睨み付ける。
「…フン…!」
するとザ・モシャスは、ジンを一瞥し、鼻で笑った。
「その格好で睨まれても、全く怖くもないんだがな…!」
「…クッ…!!」
ジンが唸る。
「…みんなを、…ダイとブンを、…どこへやった…ッ!?」
「まぁ、待て待て」
そう言った瞬間、ザ・モシャスの体が光り、レッドフラッシュに姿を変えた。
「んなッ!?」
ジンが驚いて目を見開く。ザ・モシャスは、そんなジンのもとへ歩み寄ると、レッドフラッシュの真っ白なグローブをはめた右手で、ジンの股間を優しく包み込んだ。
「あッ!!」
ジンが一瞬だけ体を反応させる。だが、すぐに顔を真っ赤にして、
「…やッ、…止めろ…ッ!!」
と言い、慌てて腰を引いた。だが、ザ・モシャスの左手が、ジンの腰をしっかりと掴んだのである。
「慌てることはない。2人とも無事だよ」
そう言うと、ザ・モシャスはマスクを取った。
「…おッ、…オレが…、…2人ッ!?」
ジンが呆然とする。すると、ザ・モシャスが姿を変えているジンがニヤリと笑い、
「2人に会う前に、ゆっくり楽しもうじゃないか」
と言った。
「んあッ!?」
その時、ジンは下半身に刺激を感じた。
「…ほう…。…普段でも十分なボリュームだ。…これは勃起したらどうなるかな…?」
「…んッ、…く…ッ!!」
レッドフラッシュに姿を変えているザ・モシャスの右手が、ジンの股間の上で優しく動く。その動きに合わせるかのように、ジンがピクピクと体を跳ねらせた。
「ほぉら、…感じてるだろう?」
「…んッ!!…だ…ッ、…誰…が…ッ!!」
顔を真っ赤にしたジンが、必死に歯を食い縛る。
「…フフッ!…まあいい」
ザ・モシャスはそう言うと、ジンの股間からその右手を離した。
「…ンク…ッ!!…はぁ…、…はぁ…ッ…!!」
ザ・モシャスの右手が離れた瞬間、ジンが体をビクンと反応させ、荒い息をした。その顔は真っ赤に上気し、目は少しだけ虚ろになっていた。
「これを見ろ、ジン!」
そんなジンの様子に気付いていながら、ザ・モシャスはモニターのスイッチを押した。
ブゥゥゥン、と言う音と同時に、映像が浮かび上がる。
「!!」
その映像に、ジンは思わず絶句した。
モニターに映し出されたのは、十字架に磔にされた、グリーンフラッシュにプリズムフラッシュしたダイと、ブルーフラッシュにプリズムフラッシュしたブンだったのである。
「…ダッ、…ダイ…ッ!?…ブン…ッ!!」
何よりもその光景がジンを絶句させた。十字架に磔にされているダイとブンの、スーツの股間部分は大きく破られ、そこからは勃起したそれぞれのそれが真っ直ぐに飛び出していたのである。その先端にはゴムの袋のようなものが取り付けられていた。
「ぐおおおおおッッッッッ!!!!」
「あああああッッッッッ!!!!」
2人の体が弓なりになり、顔を真っ赤にして絶叫する。ダイはその首筋に青筋を立て、目をカッと見開き、口元から涎が溢れていた。ブンの顔は笑っており、口元から涎が溢れていた。
ドビュッ!!ドビュドビュッ!!ドビュドビュドビュ…ッ!!
次の瞬間、2人の腰が大きく跳ねたかと思うと、勃起したそこから2人の精液が物凄い勢いで飛び出した。
「オレがお前と遊んでいる間、この2人にはちょっとしたイタズラをしてやったのさ!」
ザ・モシャスがニヤニヤとして言う。
「オレの目的は、強い者から遺伝子の塊である精液を奪い、オレ自身が最強の獣戦士になること。その目的が、もう少しで達成されようとしているってわけだ」
「…止めろ…!」
ジンがブルブルと震えながら呟く。
「ほら、見てみろよ!」
そう言うと、ザ・モシャスはモニターのスイッチをもう一度、押した。
「…も、…もう、…止めてくれ…!…もう、…出ねぇ…!」
どのくらい映像の中の時間が動いたのだろう。だが、ダイの顔が真っ青になり、かなりぐったりして来ているのが窺えた。
「…」
ブンに至っては気絶しているのか、首をガックリと垂れたまま、身動きすらしていなかった。
「…止めろ…!」
ジンが再び呟く。
「…こいつらが何度射精しても、オレは装置の電源を切らなかった。完全に精液を奪い取るまでな!そしたら、ほら、このように無様な姿になったってわけだよ」
「止めろぉぉぉぉッッッッ!!!!」
ジンが叫び声を上げ、ザ・モシャスを睨み付けた。
「フフフ…!」
ザ・モシャスがツカツカとジンのもとへやって来ると、ジンの股間をグッと握り締めた。
「んぐッ!?」
ジンが一瞬、目をギュッと閉じ、痛みに耐える。そして、ゆっくりと目を開け、ザ・モシャスを睨み付けた。
「まだまだだ、レッドフラッシュ。お前には、もう少し映像を楽しんでもらうとしよう」
そう言うとザ・モシャスは、今度はリモコンを取り出した。
「次の映像で、お前のここがどんな反応を示すか、じっくり見させてもらうとしよう」
そう言うと、ザ・モシャスは右手でジンの股間を掴んだまま、左手にあるリモコンのボタンを押した。