希望と絶望 第9話
「おいッ、ゴーグルイエローッ!!いつまで寝ているんだッ!!さっさと起きぬかッ!!」
けたたましい声が聞こえた次の瞬間、
バシィッ!!
と言う音がしてむっちりとした腹部に激痛を感じた。
「…おごッ!?」
あまりに無防備な体に叩き付けられた強烈な痛みで、黄島は目を覚ました。そして、
「…う…ッ!!…ゲホッ!!…ゲホ…ッ!!」
と激しく咳き込んだ。
「…んな、…何だよ…ぉ、…ミキ…ぃ…!!」
ぼんやりとする意識の中で、ドクロを模したグレーの兜、全身黒ずくめの男がいることは認めた。だが、それはゴーグルピンク・桃園ミキの変装だと思っていた。
「…それとも、…青山…かぁ…?」
今度はゴーグルブルー・青山三郎かと思った。だが、
「…フンッ!…こんな時に呑気に寝ぼけるとは、おめでたいやつだ…!」
と言う低い声を聞いた瞬間、黄島の意識ははっきりと覚醒した。そして、
「…ううッ!?…うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と大声を上げ、体を動かした。
ガシャンッ!!
その時、黄島は乾いた金属音を聞いた。そして、体がグンと引っ張られるような感覚がし、両肩に鈍い痛みが走った。
「…んなッ!?…何だッ、これッ!?」
その時になって、黄島はようやく自分が冷たい台の上に両手首と両足首を拘束され、寝かされていることに気付いた。
「…クカカカカ…!!」
目の前にはデスギラー将軍がニタニタと勝ち誇った笑みを浮かべて笑っている。その背後には何人ものマダラマンがいた。
「…はッ、…離せ…ッ!!…離せよおおおおッッッッ!!!!」
「黙れえッ!!」
バシィィィィッッッッ!!!!
デスギラー将軍が鉛色のステッキを振り上げたかと思うと、目を大きく見開いて一気に振り下ろした。
「ぐふッ!?」
強烈な痛みが再び黄島を襲う。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
目の前の視界が狭い。ゴーグルイエローに変身した状態で拘束されていることに初めて気付いた。
その時だった。
「黄島ああああッッッッ!!!!」
甲高い声が聞こえ、黄島ははっとなった。そして、その方向を素早く向き、
「…よッ、…洋介ええええッッッッ!!!!」
と叫んでいた。
「…クカカカカ…!!」
デスギラー将軍が2人をバカにするかのように笑っている。
「…まさか、ゴーグルイエローと改造人間第1号が、禁断の愛を繰り広げていたとはな…!」
「…何…だ…って…?」
その時、黄島の顔が瞬時に熱くなるのが分かった。そして、
「…おッ、…お前ッ!!…見てやがったのかあッ!?」
とデスギラー将軍に怒鳴る。するとデスギラー将軍は、黄島を殴った鉛色のステッキで洋介の首をグイッと持ち上げたかと思うと、洋介を羽交い絞めするようにした。
「うぐッ!?」
「止めろオオオオッッッッ!!!!」
洋介の呻き声と、黄島の叫び声が同時に響く。
「口の利き方には気を付けろ、ゴーグルイエロー…!…今の貴様にはこいつを助けることも出来んッ!!」
「…く…、…っそ…おおおお…ッッッッ!!!!」
何とかして両手首と両足首の拘束を引きちぎろうとする。
「無駄だ、ゴーグルイエロー!貴様の体はさっきの電撃で力が出せないはずだ!」
デスギラー将軍が冷たく言い放つ。
「…クカカカカ…!!」
デスギラー将軍は不気味な笑い声を上げると、
「おい!」
と言い、1人のマダラマンを呼んだ。そして、
「こいつを見張ってろ!」
と言うと、洋介をそのマダラマンの方へ無造作に押しやった。その衝撃に、
「うわあッ!!」
と洋介が悲鳴を上げる。
「よッ、洋介ええええッッッッ!!!!…くっそオオオオッッッッ!!!!…離せッ!!…離せよオオオオッッッッ!!!!」
黄島がそう叫んで体をバタバタと動かす。そんな黄島の目の前に、デスギラー将軍がやって来た。そして、いきなり黄島のがっちりとした2本の足の付け根にある、黄島の男としての象徴を力いっぱい握ったのだ。
「…あ…!」
最初、デスギラー将軍の手がそこに触れた時、黄島はビクンと体を跳ねらせた。だが、その手に力が込められた瞬間、物凄い鈍い痛みがそこを襲い始めたのだ。
「…うう…ッ、…ぁぁぁぁ…!!」
ブルブルと体が震える。だがそれも束の間、
「…ぅぅぅぅぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と黄島の絶叫が響き渡った。
「…クカカカカ…!!…貴様のここから溢れ出るエキスを全て搾り取り、それを使って最強のモズ―を作り上げるのだ!!」
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ぐうわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
だが、今の黄島は、自身の男としての象徴が物凄い力で握られるその痛みでデスギラー将軍の声を聞いていないようにも思えた。
「おおっと!強く握りすぎてしまったか…?」
そう言った瞬間、デスギラー将軍は黄島のそこを握っていた手を離した。その反動で、黄島の体がビクンと跳ねる。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
暫く体を弓なりにしていた黄島だったが、
「…うう…ッ!!」
と呻いたかと思うと、脱力したかのようにぐったりと台の上に横たわった。
「きッ、黄島ああああッッッッ!!!!」
マダラマンに捕えられている洋介が悲鳴に近い声を上げる。すると、デスギラー将軍は、
「やはり、最愛の改造人間第1号に触ってもらった方がいいか?」
と言い、ちらりと洋介を見やる。そして、
「おいッ、改造人間第1号ッ!!貴様の手でゴーグルイエローのエキスを搾り出すのだ!!」
と言ったかと思うと、洋介を捕らえていたマダラマンが乱暴に洋介を黄島のもとへ押しやった。
「…や、…止めろ…!!…洋介…!!」
黄島の声が俄かに震え始める。
「…こ、…こんなやつらの言いなりになっちゃダメだッ!!」
「…ごめん…、…黄島…」
その時、洋介が力無く笑って言った。
「…こうするしか、…方法はないんだ…!」
そう言ったかと思うと、黒いグローブに包まれた洋介の右手が黄島のそこを優しく包み込んだ。
「…ッ!!」
黄島の体がピクリと反応する。
「…黄島…。…黄島ぁ…!」
洋介の手が優しく黄島のそこを愛撫する。その優しい刺激に、黄島は流され始めた。
「…あッ!!…く…ッ、…うう…ッ!!」
ピクン、ピクンと体を痙攣させる黄島。
「…やッ、…止め…ろ…おおおお…ッッッッ!!!!」
その言葉とは裏腹に、黄島の男としての象徴は洋介の手の中で硬さを増し始めていたのだった。