希望と絶望 第１０話
「…っあ…ッ!!…く…ッ、…ふぅぅぅ…ッッッッ!!!!」
ギリギリと音を立てる白いグローブ。ビクンビクンと暴れるがっちりとした太腿。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
鮮やかな黄色と白色であしらわれたゴーグルスーツの胸が大きく上下する。頭を左右にブンブンと振るたびに、その額部分に取り付けられたオパールがキラキラと輝いた。
「…く…っそ…おおおお…ッッッッ!!!!」
時折、体を弓なりにして叫ぶ巨漢の男。ゴーグルイエロー・黄島太。
「…黄島…！…黄島…ッ!!」
そんな黄島の足元に一人のマダラマンが佇み、その右手を優しく動かしていた。島洋介。黄島の同級生にして、暗黒帝国デスダークに捕らえられ、マダラマンへの改造人間第１号とされてしまったのだ。彼の瞳には最早生気がなく、何もかもに絶望した様相でぽろぽろと涙をこぼしていた。そして、そんな彼の右手は黄島のがっちりとした２本の足の付け根部分にある、ゴーグルイエローのゴーグルスーツを突き破って飛び出している黄島の男としての象徴を優しく撫で上げていたのだった。
「…ふ…ッ!!…く…ッ、…んんんん…ッッッッ!!!!」
黄島にとって最も敏感なところ、いや、ある意味では弱点と言ってもいいその場所が幼馴染みの手によって愛撫されている。その優しい愛撫が黄島に形容しがたい快楽を与えているのは言うまでもなかった。
「…黄島…。…少しずつ大きくなって来た…!!」
泣き笑いでそこを見つめる洋介。その黒いグローブで覆われた手の中の黄島の男としての象徴は少しずつ硬さを増し、ピクピクと脈打っていたのだった。
「…クカカカカ…!!」
それを満足気に見つめている１人の男。暗黒帝国デスダークの幹部・デスギラー将軍。
「…いかがかな、ゴーグルイエロー？貴様の最愛の男から受ける愛撫は…？」
腕組みをしてニヤニヤとその様子を見ている。その後ろでは数人のマダラマンがもぞもぞと動いていた。ある者ははぁはぁと荒い呼吸を続け、ある者は手を股間部分にやり、その部分を刺激している。それを見たデスギラー将軍は俄かに苛立ったかと思うと、
「ええいッ、鬱陶しいヤツらめッ!!貴様らは引っ込んでろッ!!」
と、そのマダラマンを強引に部屋の外に押し出した。
その間も、洋介の黄島への愛撫は止まらず、
「…や…、…止めろ…ぉ…ッ!!…よう…す…け…ぇ…ッ!!」
と、黄島はゴーグルイエローのバイザー越しに洋介を見つめていた。だが、その目は鋭さもなく、やや虚ろになり、顔も相当赤らんでいるのが分かった。
そして。
黄島のがっちりとした２本の足の付け根。そこに息づく、黄島の男としての象徴は、今や洋介の手の中で完全に勃起し、ビクビクとその脈動を更に大きくさせていた。先端がクッキリと剥け、その形を淫猥に現わしている。
「…あぁ…、…黄島…ぁ…!!」
洋介は呟くように言うと、黄島のそれを握り直した。その刺激に、
「…んく…ッ!!」
と黄島が呻き声を上げ、ビクンと体を跳ねらせる。
「さぁッ、ゴーグルイエローからエキスを取り出せ!!」
デスギラー将軍がそう命令すると、洋介の手が黄島のそれをゆるゆると上下に動かし始めた。
「んあッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!」
ざわざわとした心地良い快感が黄島の体を駆け抜ける。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
巨漢を弓なりにし、短く喘ぐ。
「…や、…止めろぉ…ッ!!…止めて…くれ…ぇ…ッ!!」
真っ白なグローブに包まれた拳がギリギリと音を立てる。
「…んんッ!!…くは…ぁ…ッ!!…んんんん…ッッッッ…!!!!」
黄島は今、快楽に流されそうになる自分と懸命に戦っていた。それは黄島を鋭い眼差しに変え、その瞳は洋介に注がれた。
「…黄島…？」
黄島の変化に気付いたのか、洋介が声を上げ、黄島の男としての象徴を上下する手が止まった。
「…どうしたのだ、改造人間第１号ッ!?」
驚いたデスギラー将軍が声を上げる。
「…いいのか、…洋介…？」
黄島が静かに語り始める。
「…このまま、…デスダークの言いなりになっていいのかって聞いてるんだ!!…このままじゃ、お前は昔のお前のまんまだ!!」
「…ッ!!」
その言葉にドキッとする洋介。黄島の真剣な眼差しが脳裏に焼き付く。
「…お前が小さい頃、苛められていたのは、お前自身にも問題があったはずだ!!…嫌なことは嫌と言えない、その勇気がなかったんだ!!嫌と言って殴られたとしても、脅されたとしても、それを払い除ける勇気があれば、今みたいなことにはならないんだろうがッ!!」
思わず強く言っていた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
洋介の体がブルブルと震えている。その時になってようやく気付いたのか、
「…すッ、すまんッ、洋介ッ!!」
と、さっきまでの強い口調が一転、急に弱々しくなったかと思うと、黄島が洋介にあやまっていた。
「…俺は…、…俺は…！」
呆然とする洋介。
と、その時だった。
「ええいッ、退けッ!!この役立たずがッ!!」
突然、デスギラー将軍の怒声が響いたかと思うと、
「うわああああッッッッ!!!!」
と、洋介が悲鳴を上げて吹き飛び、部屋の中にあった家具類に体をぶつけ、ガラガラと音を立てた。
「よッ、洋介えッ!!」
洋介に思わず声をかける黄島。だがその声が突然、
「んぎゃッ!!」
と言う悲鳴に変わった。
「…どッ、…どこ触ってんだよッ!?」
目の前には、怒り心頭のデスギラー将軍が黄島の未だに大きく勃起している男としての象徴を握っていた。
「あの役立たずより、この俺が直接、エキスを搾り取ってやるわッ!!」
そう言ったかと思うと、黄島のそれを乱暴に上下し始めたのだ。
「ぬううううッッッッ!!!!」
「…い…、…痛て…ッ!!」
黄島が呻くようにそう言った次の瞬間、
「んぎゃああああッッッッ!!!!痛てえッ!!痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、悲鳴を上げ始め、
「止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
とバタバタと体を動かし始めたのだ。
「ええいッ、こいつまで役立たずかあッ!!」
訳の分からないことを言いながら怒鳴り付けるデスギラー将軍。そして、握っていた黄島のそれを離した。
「…ッ!?…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
ぐったりと台の上に横たわり、荒い呼吸をする黄島と、ぜえぜえと肩で息をするようなデスギラー将軍。傍から見れば、対照的な２人のその姿は滑稽に見えた。
「…クッ、…クカカカカ…!!」
と突然、デスギラー将軍が不気味に笑い始めたのだ。
「…なッ、…何だよッ、デスギラー将軍ッ!?」
黄島の声が俄かに震える。
その時のデスギラー将軍の目は座っており、不気味に感じられた。
「…やはりな…！…あいつを用意しておいて良かったよ…！」
そう言うとデスギラー将軍は、
「おいッ!!」
と、部屋に残っていたマダラマンを呼んだ。
「あいつを持って来いッ!!」