災魔の誘惑 第5話
「…あぁ…。…あぁぁ…!」
冷たい無機質なベッドの上でゴーグリーンに着装し、がっしりとした筋肉質な両足を投げ出して座っているショウ。その両足の中心部分に息づくふくよかな膨らみ、ショウの男としての象徴であるペニスを、ゴーグリーンの真っ白なグローブで優しく愛撫し続けている。
「…ん…ッ!!…んん…ッ!!」
ゴーグリーンのマスクは外し、代わりにアイマスクを付けている。だが、その精悍な顔付きははっきりと分かるほどに変化していた。
(…な…ん…だ…ッ、…これ…ッ!?)
アイマスクを付けているせいなのか、他人に見られているせいなのかは分からない。だが、ショウの心の奥底に湧き上がって来るおぞましい感覚に、ショウは流されそうになっていた。
「…ああ…ッ、…っく…ッ、…ああああ…ッッッッ!!!!」
自然と声が大きくなる。
顔が熱い。相当真っ赤になっているのだろう。また、アイマスクの上から僅かに見えている眉間に深い皺が寄っている。
「凄いよ、ショウ君。君のチンポ、完全に勃起したようだね!」
ショウに淫猥な質問を投げ掛けて来るスタッフ・インプスの声が明るくなった。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
ショウは今までに感じたことのない感覚に戸惑い、混乱していた。ただ、自身のペニスとその下に息づく2つの球体を撫でているだけだ。指先を2つの球体の方へ向け、ゴーグリーンのアンチハザードスーツの上を滑らせるようにする。その指先が2つの球体の更に奥の方へ進んだ時と、ペニスの裏筋を通って先端へ戻って来た時、ビリビリとした強烈な電流がショウの体を襲う。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
意識がぼんやりとして来る。ペニスと2つの球体を撫でているだけなのに…。
その時だった。
片方の耳に何かが挿入されたのを感じた。
「?」
ぼんやりとする意識の中でそこへ神経を集中させようとした時、
「聞こえるかね、ショウ君?」
と言う、司従の声が耳に直接聞こえて来た。
「…あ…」
ショウが何かを言おうと口を動かした時、
「何も言わなくていい」
と、司従の声がイヤホンから聞こえて来た。
「アダルトビデオは淫猥さが命なのでね。そこに君がその画像に映っていない人と話をするのはおかしいだろう?」
司従は穏やかな声で諭すように言うと、
「ショウ君。君のチンポを触っているその手をどけて、よく見せて下さい」
と言った。
するとどうだろう。
「…」
ショウははぁはぁと荒い呼吸をしながら、自身のペニスとその下に息づく2つの球体を触っていた右手をゆっくりとどかし始めたではないか。
「そう。今、君のそこへカメラが近付いているからね」
イヤホンを通して、司従の声が聞こえて来る。
「…ッ!!」
カメラが近付いていると言う言葉を聞いた途端、ショウの体にゾクゾクとした感覚が駆け抜けた。
「凄いよ、ショウ君!君のチンポ、ピクピクしてるよ!」
質問係のインプスが声を上げる。
大きなモニターに映し出されたショウのペニス。ゴーグリーンの光沢のある鮮やかな緑色のアンチハザードスーツの中で、それはクッキリとその存在感を示し、ピクッ、ピクッ、と大きく脈打ちながらアンチハザードスーツを押し上げる。
「凄いね、ショウ君。君のチンポ、いい形をしているよ!先端は凄くクッキリと剥けてるんだね!それがスーツを押し上げるたびにクッキリと浮かび上がるよ。それに太いんだねぇ!」
司従、いや、呪士ピエールや他のインプス達がニヤニヤとその光景を眺めている。中には、股間を大きく勃起させているインプスまでいる。そんなことを露知らず、ショウは、
「…ああ…。…あぁぁ…!」
と間抜けな声を上げているだけだ。
「じゃあ、ショウ君。今度はそのままオナニーしてくれる?」
「…ッ!?」
一瞬、ショウの体が凍り付いたのが分かった。だが、
「ショウ君。…分かってるよね?」
と言う司従の言葉がイヤホンから聞こえて来た。
「…」
するとショウは、覚悟を決めたのか、露わにしていたペニスの部分に再び真っ白なグローブで包まれた右手を置くと、大きく勃起しているペニスを包み込むようにした。当然、ゴーグリーンのアンチハザードスーツもそれを包み込むようにする。
「…ッ!!…んく…ッ!!」
その右手がゆっくりと上下に動き始めた時、ショウは甘い吐息を漏らしながら、体をくねらせ始めた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
熱い吐息と共に、
「…んん…ッ!!…く…ッ、…あ…、…ああああ…ッッッッ!!!!」
と言う喘ぎ声が聞こえて来る。
「いいよ、ショウ君!最高だよ!」
司従の嬉しそうな声が聞こえて来る。
「さぁ、もっともっと淫乱にやっておくれ!」
「…あ…、…あぁぁ…!!」
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返し、その手の動きを早くして行くショウ。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
ゴーグリーンの真っ白なグローブと、光沢のある鮮やかな緑色のアンチハザードスーツとが擦れ合い、ザワザワと言う音を立てる。
その時だった。
質問係のインプスが姿を人間に変え、その手をショウの右胸へと伸ばす。そして、アンチハザードスーツに浮き出た胸の突起を静かにくすぐり始めたのだ。その途端、
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、ショウが叫び声を上げた。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
自身のペニスを上下に刺激する手の動きは更に加速度を上げ、淫らに大きく身悶えるショウ。
ショウの右胸の突起を刺激するインプスの手は、ショウのそれをくすぐるように小刻みに刺激する。かと思えば、その突起の周りを静かに撫でるように円を描いたり、そうしていたかと思えば、再びくすぐりを開始する。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その頃、ショウの頭は完全にぼんやりとしていた。
(…気持…ち…、…いい…!!)
そう思った時だった。
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッ!!…クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
体の奥底から湧き上がって来る感覚がペニスの内部を伝い、外へ溢れたような気がした。いや、実際には溢れていたのだ。
「凄いッ!!」
質問係のインプス、今はショウの右胸の突起を刺激している彼が声を上げる。
「ショウ君、凄い!!ショウ君のチンポの先端、濡れて来たよ!!」
その途端、その部分へカメラが寄って行く。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
ショウのペニス。ゴーグリーンのアンチハザードスーツに包まれ、白いグローブによってその形を浮き立たせたそれの先端部分は光沢を失い、代わりに透明な液体が溢れ出し、照明の光を浴びててらてらと照り輝いていたのだった。