災魔の誘惑 第25話
「…ん…ッ!!…んん…ッ!?」
ゴーレッド・マトイの唇に触れた暖かいもの。生温かく、柔らかいそれが触れた途端、マトイは目を大きく見開いた。
「…んんッ!!んんんんッッッッ!!!!」
ゾワゾワとした悪寒が背筋を走り、鳥肌が立つ。だが、どんなに身を捩じらせようとしても、X字に拘束されているためにビクともしなかった。それよりも、マトイの背中には腕が回され、ガッシリと固定していた。
「…フフ…ッ!!」
ゴーグリーン・ショウが目の前にいる。今の彼は普段の彼ではなかった。災魔獣ツタカヅラの妖力に操られ、完全に人格を失っていた。マトイの唇に自身の唇を当てたのも、ショウだったのだ。
「マトイ兄ィの唇って、スッゲェ、柔らかいんだな!!」
そう言うとショウはフッと笑い、
「なぁ、マトイ兄ィ」
と、マトイを呼んだ。
「…なッ、…何だよ…ッ!!」
顔を真っ赤にし、目に涙を溜めたマトイが思わず大声を上げると、ショウはニヤリとし、
「その顔だと、実はファーストキスでした、ってか?」
と言った。
「…な、…んなわけあるかああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
思わず本気で怒鳴っていた。そんなマトイを見てショウは、
「あはははは…!!」
と笑ったかと思うと、
「冗談だよ、アニキィ!!」
と言い、
「でも、久しぶりのキスだったんじゃねぇの?ゴーゴーファイブになってからはそんな余裕すらなかったんだし。…いや、その前からか。全く、アニキはうぶだからなぁ…!!」
と言いながら、下衆な笑い声を上げた。
「うるせええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
両手首に絡み付いた蔦をガサガサとさせながら、マトイが怒鳴った。
「…ショウ…!!…お前って言うやつは…ッ!!…お前って言うやつはああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…フン…ッ!!」
顔を真っ赤にし、体を反らせて怒鳴るマトイを見ながら、ショウはフンと鼻で笑うと、
「…マトイ兄ィ…。…そんな格好で怒鳴られても、全く効力ないんだけど…?」
と言いながら、マトイのゴーレッドの、ボロボロに破壊されたアンチハザードスーツの間から見えるマトイの肉体を、ゴーグリーンの真っ白なグローブに包まれた指でつつっと撫でる。そのたびにマトイは、
「…ん…ッ!!…んん…ッ!!」
と呻きながら、ピクッ、ピクッ、と体を痙攣させる。
「あはははは…ッッッッ!!!!…アニキィ、こんな状況で感じてるのかよッ!?」
「…ん…ッ!!…かッ、…感じてなんか…ッ、…いねえ…ッ!!…くすぐってぇ…だけだ…ッ!!」
その時だった。
「お喋りはそろそろ止めてくれたまえ」
呪士ピエールの声が響いた。
「今の君達の喧嘩もなかなかいいものだったが、そろそろ撮影に本腰を入れるとしようか」
口元はニヤニヤとしているものの、黒い丸眼鏡の奥の瞳は鋭くマトイとショウを見つめている。
「…そう…だな…!」
やや不満げな顔をしたものの、ショウはすぐにニヤリとすると、
「じゃあ、アニキ!!続き、っつーか、本番、行こうぜッ!!」
と言った。その途端、マトイが俄かに怯えた表情を浮かべ、
「止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!ショオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫び声を上げた。だがすぐに、
「…んぐ…ッ!?」
と言う呻き声と共に、目をカッと見開き、押し黙った。
…チュッ!!…クチュクチュ…ッ!!…クチュクチュ…ッ!!
ショウの舌がマトイの口を強引に抉じ開け、マトイの口腔を蹂躙する。
「…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
顔を真っ赤にし、眉間に皺を寄せて呻くマトイ。
「んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!」
ショウを振り払いたくても両手の自由が利かない。何よりも、背中をショウに抱きすくめられ、固定されてしまっている。
「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!」
マトイは呻き声を上げることしか出来ないでいた。
「…ククク…!!」
そんな2人を見ながら、ピエールが低い笑い声を上げる。
「…兄弟でのキスシーン…。…これまた異常な性愛…。…これもまた、…売上に十分に貢献しますね…!!」
黒丸眼鏡が不気味に光った。
その間にも、
チュクチュクチュクチュクッッッッ!!!!チュクチュクチュクチュクッッッッ!!!!
と言うくすぐったい音が響き続ける。
その時、ショウの右手がゆっくりと動き、ゴーレッドのアンチハザードスーツから見え隠れしているマトイの体の側面を撫で始めた。
「…ッ!!」
その手がマトイの脇腹へ差し掛かった時、マトイが眉間の皺を更に寄せ、ピクッと体を跳ねらせた。
「…フッ…!!」
ショウは笑うと、マトイの脇腹部分で指を立て、ゆっくりと撫で回すようにする。そのたびにマトイは、
「…ん…ッ!!…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
と呻き声を上げ続け、体を何度も何度も跳ねらせる。やがてその呻き声が、
「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!…ああああ、…ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う悲鳴へと変わって行った。
「…やッ、…止めろ…オオオオ…ッッッッ!!!!…止めて…くれええええッッッッ!!!!」
堪え切れなくなったのか、マトイがとうとう悲鳴を上げた。
「おいおい、マトイ兄ィ。もっとエロい悲鳴を上げろよなッ!!」
ショウはそう言うと、再び顔をひょいっと素早く動かした。そして、マトイの胸にある突起の片方へと吸い付いたのである。
「…あ…ッ!!」
ボロボロに破壊されたゴーレッドのアンチハザードスーツの隙間から見えた、ココナッツ色のそれ。それにショウがキスをするような格好になっていた。その瞬間、マトイは体をビクンと大きく跳ねらせ、
「…あ…あ…あ…あ…!!」
と短く喘ぎ始める。
「…ぁぁぁぁ…」
その体は大きく仰け反り、ブルブルと小刻みに震えている。そして、真っ赤になった顔は両目が大きく見開かれ、口を大きく開けていた。
その時、
クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
と言う淫猥な音が聞こえ始め、
「ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
とマトイが叫び始めたのだ。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
体を思うように動かすことが出来ないマトイ。その体が乱暴に揺れ動き、両手首を絡め取っている蔦がガサガサと音を立て続ける。
その胸の突起にはショウが唇を寄せ、その中で舌を小刻みに動かしていた。そして、マトイのココナッツ色の突起を転がすようにしてみたり、グイグイと押し潰すように刺激を加えたりなどを繰り返す。
「…や…、…め…ろ…ッ!!」
はぁはぁと荒い呼吸をするマトイ。
「…もう…ッ、…止めて…ッ、…くれええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その時、マトイは下半身がじんじんと疼き始めていることに気付いていた。