災魔の誘惑 第26話
クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
薄暗闇の中に響き渡る淫猥な音。それと同時に聞こえて来る、
「…やッ、…止め…ろ…オオオオ…ッッッッ!!!!…っく…ッ!!…か…はあ…ッ!!」
と言う叫び声と呻き声。
ゴーグリーンに着装した巽ショウの真っ赤な舌が、兄でありゴーレッドに着装した巽マトイの筋肉質な胸の部分で、まるで意思を持ったかのように蠢いている。マトイの筋肉質な胸に突き出たココナッツ色の突起。その突起自身やその周りをチロチロと小刻みに刺激したり、ねっとりとねぶり上げたりするショウの舌。そのたびにマトイは、
「…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
と顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じて呻く。
「…かは…ッ!!…が…あ…、…ああああッッッッ!!!!」
そして、叫び声を上げるたびに、マトイの口からは淫猥な唾が飛び散った。
「…美味え…!!」
はぁはぁと荒い息をし、こちらも顔を赤らめたショウ。
「美味えよ、アニキの体ッ!!堪んねえ…ッ!!」
目をギラギラさせ、ニタニタと不気味な笑みを浮かべて言うショウ。その瞬間、マトイの背中にはゾワゾワとした悪寒が走り、
「…へッ、…変なこと言うなッ!!」
と怒鳴っていた。
「フフッ!!」
ショウは相変わらずニヤニヤと笑うと、
「なあ、マトイ兄ィ」
とマトイを呼んだ。
「こッ、今度は何だよッ!?」
「もぉっと気持ち良くしてやるよ」
「俺はッ、もう気持ち良くなんかなりたくねえッ!!女ならまだしも、何で男の、弟のお前にやられなきゃならねえんだよッ!?」
「…いいじゃねえか、…アニキ…」
その時、マトイは呆然としていた。それまでギラギラと野獣のように瞳を輝いていたショウの瞳が、今は潤み、切ない表情を浮かべていたからだ。
「…アニキ…」
「…な、…何だよ…ッ!?」
「…オレ…。…オレ…!!…アニキのことがずっと好きなんだぜ?」
「…は?」
突然、何を言い出すんだとばかりに、マトイはきょとんとした表情を浮かべる。
「…マトイ兄ィはいっつもオレ達のことを、自分のこと以上に考えてくれてさ。あんな親父だから、自分がしっかりしなくちゃって思ってたんだろうけど、それでもオレ達、いや、少なくともオレにとってはマトイ兄ィは本当に親父みたいなんだ」
「…は、…はぁ…」
「…だからさ!」
「ショ、ショウッ!?」
マトイが叫び声を上げるのも無理はない。ショウの瞳は再びギラギラと輝き、口元は不気味に歪んでいたのだ。
「…止めろ…!!」
自然に声が震え、無意識に腰を引く。だが、災魔獣ツタカズラの蔦からは逃れることが出来ない。ガサガサとそれが擦れ合う音だけが空しく響く。
「止めろオオオオッッッッ!!!!ショオオオオッッッッ!!!!目を覚ませええええッッッッ!!!!」
ショウの目の前で大声で叫ぶマトイ。だがショウは相変わらずニタニタと不気味な笑みをし続け、
「…じゃあ、…行くぜ、アニキ?」
と言うと、今度はマトイの右胸の突起に顔を近付けた。そして、ゴーレッドのアンチハザードスーツの破れ目から見えているココナッツ色の突起に吸い付くと、
チュウウウウッッッッ!!!!
と言う音を立てたのだ。
「んはああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
マトイが体をビクリと跳ねらせ、仰け反らせる。
クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
ショウの真っ赤な舌が、マトイのそこを執拗に舐め上げる。そのたびにマトイは、
「…フッ!!…くう…ッ!!…んふ…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
と呻き声を上げる。
「…や…め…ろ…ッ!!…もう、…や…めて…くれ…ッ!!」
顔を更に赤らめ、眉間に皺を寄せて呻くように言うマトイ。だがショウは、
クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
と相変わらず執拗にそこを責め続ける。
その時、マトイは気付いてはいなかった。ショウの右手がマトイの体を流れるように下りて行き、マトイの2本の足の付け根部分に息づく、マトイの男としての象徴であるペニスをそっと包み込んだのだ。その瞬間、マトイはビクリと体を跳ねらせ、小さく飛び上がった。そして、カッと目を見開き、
「…どッ、…どこを触ってやがるッ、ショオオオオッッッッ!!!!」
と怒鳴っていた。だがショウは、
「…アニキのチンポ、…デッケェ…!!」
と言いながら、何度も何度もそこを撫で続ける。
「…やッ、…止め…ろ…よ…ッ!!…ショ…ウ…ッ!!」
ショウの舌がマトイの右胸の突起を舐め続け、ショウの右手がマトイのペニスを優しく撫で続ける。その刺激にマトイは、
「…ああ…ッ!!…くふ…ッ、…んんんん…ッッッッ!!!!」
と懸命にそれを堪えようとする。だが、その刺激が確実にマトイの体を支配しようとしていた。
「…アニキのチンポ、…ビクビクしてる…!!」
「…る…っせ…え…ッ!!…いいから…ッ、…離せ…ッ!!…ショ…ウ…ッ!!」
マトイは何とかしてその刺激から逃れようと、体を仰け反らせようとする。だが、そうはさせまいとショウの左腕がマトイの背中へ回り、マトイの体を抱き締めるような格好になっている。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
その時、マトイにも変化が現れ始めていた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
顔を赤らめ、目を虚ろにし、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す。
「…フフッ!!…マトイ兄ィのチンポ、…更に硬くなった…!」
ショウはニヤニヤと笑い、マトイのペニスを優しく握り直す。
「なぁ、アニキィ」
「…な…ん…だ…よ…!?」
「…知ってっか?…気持ちいいことに、男も女も関係ねえんだぜ!?」
そう言いながらショウは、握ったマトイのペニスをゆっくりと上下に動かし始めた。
「…なッ、…何…言って…!!…んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
久しぶりに味わうその刺激に、マトイは思わず悲鳴を上げる。じんじんとした疼きと一緒に、快楽の感覚までもが脳天を突き抜ける。
「マトイ兄ィのチンポ、メチャクチャ熱いッ!!ゴーレッドのスーツとオレのゴーグリーンのグローブがあるのに、その熱さがビンビン伝わって来るぜ!!」
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
マトイは体を仰け反らせ、叫び続ける。
その時だった。
…クチュッ!!…クチュクチュクチュクチュ…ッッッッ!!!!
ショウの手に握られているマトイのペニスがビクビクと小刻みに脈打ったその直後だった。
「あはッ!!おい、マトイ兄ィッ!!マトイ兄ィのチンポからいやらしい液体が出て来たぞッ!!」
ショウが嬌声を上げる。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
光沢のある鮮やかな赤色のゴーレッドのアンチハザードスーツ。マトイの大きく勃起したペニスを包み込むその部分が光沢を失い、代わりに透明に照り輝く、ねっとりとした液体が溢れ出していたのだった。