秘密の契約と心の闇 第9話

 

 …ドクッ!!…ドクドク…ッ!!

 自分よりも年下の少年・サクヤに、自身のプライドとも言えるべき男子としての象徴を弄られ、刺激を加えられて大きく射精して果てたハリケンイエロー・尾藤吼太。

 ハリケンイエローの光沢のある黄色いシノビスーツのその部分が大きく盛り上がり、吼太のその大きさを窺わせる。そんなそれの先端は光沢を失い、代わりにキラキラと淫猥に輝く濃白色な精液が、吼太のそれを覆うような形で溢れ出ていた。

「…くッ…!!…かは…ッ!!

 大きく咳き込む吼太。吼太は今、大いに衝撃を受けていた。

(…オレは、…やっぱり…、…おかしいのかも…!!

 自分よりも年下の、同性であるサクヤに、自身のプライドとも言えるべき男子としての象徴を弄られたこと、そんなことはどうでも良かった。それよりも。

(…オレは、…サクヤに触られて、…興奮して…いた…!?

 止めろと何度も叫び、身悶えした吼太。そうすることによって興奮し、自身のそれを大きく屹立させていた。そして、射精した…。

「吼太さんッ!!

 不意に声が聞こえ、目の前にひょっこりとサクヤが顔を出した。

「…あ…」

 ハリケンイエローのマスクを被ったままの吼太。その視界が物凄く曇り、サクヤの顔もぼけて見える。次の瞬間、パシュッ、と言う音が聞こえたかと思うと、吼太のマスクの前面が開き、中から吼太の顔が現れた。

「…大丈夫?」

 サクヤが心配そうに吼太の顔を覗き込んでいる。

「…あ、…あ、…あぁ…」

 体がだるい。射精したことで体力を奪われているような感覚になる。

「ねぇねぇ、吼太さん!!見てよ!!

 急に表情が明るくなったかと思うと、サクヤの嬉しそうな声が聞こえた。

「吼太さんの精液、こぉんなに集まったよ!!何人分の量になるのかなぁ!」

 サクヤが不気味な色をした小瓶を持ち上げ、吼太へ見せ付けた。半透明になったその小瓶の中に、吼太の吐き出した精液が溜まっていた。

「…よ、…良かった…な…」

 弱々しい声で言う吼太。サクヤの笑顔を見て、少しだけ微笑みを浮かべた。するとサクヤはニヤリとし、

「でも、まだまだ残っているところがあるんだよね!」

 と言った。

「…え?」

 吼太がそう言った時だった。不意にサクヤが、未だに勃起し続ける吼太のそこを再び握ったのだ。

「んあッ!!

 突然の刺激に吼太が声を上げ、体を跳ねらせる。

「…サッ、…サク…ヤ…?」

 何をされるのだろう。吼太の瞳に怯えが窺えた。

「ここに残っているものも、もらうね!」

 昨夜はそう言うと、その小瓶をひっくり返すようにした。小瓶の中の、吼太の精液が音を立てる。だがそれは、小瓶の中間部分で止まった。

「この小瓶にはね、零れるのを防ぐ弁が付いているんだ。だから、ひっくり返しても、吼太さんの精液が零れることはないんだよ!」

 と言い、それを吼太のペニスへ宛がう。

「…あ、…あぁ…!!

 吼太が顔を起こし、自身のペニスを見る。

「行くよ?」

 サクヤはそう言うと、ゆっくりとその小瓶の入口に吼太のペニスを挿入し始めた。

「…うぐ…ッ!!…んあああッッッ!!!!

 突然の締め付けが、吼太のそれを襲う。

「…残りの精液も搾り取ってあげるね!」

 サクヤの目がギラリと光ったような気がした。次の瞬間、

 バシュウウウウッッッッ!!!!

 と言う音が聞こえたかと思った途端、吼太のそれに再び刺激が加わり始めたのだ。

「…あッ!!あッ!!ああッ!!ああッ!!

 先端をグジュグジュと刺激される痛み、そして、大きく張った先端部分を強く揉み込まれる刺激。鈍い痛みと快楽が同時に吼太を襲う。

「あああッッッ!!!!あああッッッ!!!!ああああああッッッッッッ!!!!!!

 吼太は目を硬く閉じ、顔を真っ赤にして叫び声を上げ始めた。

 グジュグジュグジュッ!!ジュボジュボジュボッ!!

 まるで何かにそこを食べられているような感覚。一定間隔ではない刺激が吼太のそこを襲う。

「…いッ、…痛てえええええッッッッッ!!!!!!

 吼太が体をくの字に折り曲げ、横を向いて叫んだ。

 射精したばかりのそれを更に刺激されれば、くすぐったいような痛いような感覚が伴う。そして、その刺激が強ければ強いほど、その感覚は激痛となって襲うのだ。

「…やッ、…止めて下さいッ!!…も、…もう、…止めてくれええええええッッッッッッ!!!!

 吼太がそう叫んだ瞬間だった。

 ドクンッ!!ドクドクドクドクッッッッ!!!!

 再び吼太の体がビクビクと跳ね、同時に鈍い音が股間から聞こえた。と同時に、吼太のそこへ刺激を与えていた小瓶の動きが少しずつ弱くなり、やがて、音を立てなくなった。

「…う…!」

 ゆっくりと吼太の体が動き、吼太は再び、地面に大の字に寝転んだ。

「…吼太さん、…大丈夫?」

 サクヤは心配そうに吼太に言い、股間に取り付けていた小瓶を外した。

「…はッ、…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 虚ろな表情で、大きく息をする吼太。ハリケンイエローの光沢のある黄色のスーツの胸が大きく上下する。

「…吼太さん…」

 不意に、サクヤが吼太の胸に顔を埋めた。

「…ありがとう…」

 目を閉じて、静かに吼太に抱き付くサクヤ。

 その時だった。吼太の両腕が動いたかと思うと、サクヤを静かに抱き締め、右手でサクヤの頭を撫でた。

「…これっきり、…だからな…!」

 吼太がポツリと呟く。するとサクヤは吼太を見上げた。その時、吼太の視線と合った。

「…次からは、…一緒にジャカンジャに立ち向かおうな!」

「…うん…」

 サクヤは小さく微笑む。

「…じゃあ…、…オレは…、…帰るよ…」

 吼太はゆっくりと起き上がり、シノビチェンジを解除した。そして、いつもの黄色と黒を基調とした普段着に戻った。

「…ねぇ、吼太さん…」

 サクヤが、はにかんだ笑顔で吼太を呼ぶ。

「…気持ち、…良かった…?」

 その言葉に吼太は苦笑し、

「ああ!気持ち良かったぜ!…じゃあな!」

 と言ってサクヤの村を出た。

「…またね、…吼太さん…!!

 そう呟いたサクヤの顔が不気味に歪む。その気配に、吼太は気付かないでいた。

 

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