ちぎれた翼 第19話

 

 衝撃波によって物凄い勢いで地面に叩き付けられ、体を強打したブラックコンドル・結城凱。体を地面に打ち付けた反動で、腰をいつものように突き上げた瞬間、物凄い重力が凱を襲った。

「…う…ッ、…動け…ねぇ…ッ!!

 何とかして態勢を整えようとしても、体が指一本ピクリとすら動かせないのだ。

「…トッ、…トラン…様…ッ!!

 辛うじて頭を上げる。だがその瞬間、ブラックコンドルのマスクを外した凱の顔が真っ青になった。

「…だぁれが、…ガキ…だってぇ…ッ!?

 トランの目がギラギラと光り、ゆらゆらと凱に近付いて来たのだ。しかも、『ガキ』と言う言葉を凱が口走った時、トランは寝ていたはず…!

「…まッ、…まさ…か…ッ!?

「そう。そのまさかさ!」

 トランはそう言うと、凱の足元にいるグリナム兵3体に目配せした。その視線に応じるかのように、3体のうち2体が凱の上半身へ回り、1体はその場所へ残った。

「ボクは寝てなんかいなかったのさ!お前の奴隷従順度を調べようと思ってね。…まぁ、予想通りの結果だったけどね!」

 そう言うと、トランは凱の頭元へ歩いて行き、ゆっくりとしゃがんだ。

「…やっぱり、キミはまだまだだね、ブラックコンドルぅ!」

 それだけ言うとトランは立ち上がり、

「さぁ、グリナム兵!このバカな奴隷にお仕置きしてやってよ!」

 と言ったのである。その瞬間、3体のグリナム兵が一度に動き始め、6本の腕が凱の体を弄り始めたのである。

「…なッ!?…あッ!!…あッ!!

 ざわざわとグリナム兵達が腕を動かす。その指が、その手が、凱の体を撫で回す。そのたびに、凱はぞわぞわとした不快な感覚に襲われ、体中に鳥肌が立った。

「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!…気色…悪りィんだよォォォォッッッッ!!!!

 体を動かすことが出来たのなら、こんな奴らは一発だった。なのに今、凱は体が動かせず、グリナム兵にされるがままになっている。その時だった。

 凱の体を弄っていた1体のグリナム兵が、凱の顔に自身の顔を近付けて来たかと思うと、いきなり口を塞いだのである。

「…んん…ッ!?

 その瞬間、凱の顔が更に青くなった。と同時に、強引に凱の口が開かれ、そこへヌメヌメと蠢くものが入って来たのである。

「…んんッ!!…んんんんッッッッ!!!!

 凱の口の中を、細長い何かがヌメヌメと蠢いているのが分かる。それだけでも吐きそうになった。

「アハハハハ…ッ!!ブラックコンドルがグリナム兵とチューしてるよぉッ!!

 トランが面白がって笑う。その時だった。

「んあッ!!

 突然の刺激に、凱が思わず声を上げた。

「…あ…あ…あ…!!

 凱の筋肉質な胸。ふくよかに膨らんだその胸板の先端にある2つの突起。それを、凱にキスをしたグリナム兵と、体を弄っていたグリナム兵が指で刺激し始めたのである。

「…あッ!!…ああッ!!…ん…ッ!!…くう…ッ!!

 グリナム兵の指が凱の胸の突起を刺激するたびに、凱が艶めかしい声を上げる。だが、必死に堪えようとしているのか、時折、呻き声のようなものも入り混じる。

「…フフフ…!!…ブラックコンドルったら、エッチだなぁ!…こんなんで感じちゃってんのぉ?」

 トランが面白そうに笑う。

「…も…ッ、…もう…ッ!!

 今度は顔を赤くした凱がトランを見つめる。

「…もうッ、…止めてくれ…ッ!!…た、…頼む…ッ!!

 その時、凱は、自身の呼吸が少しずつ荒くなって来ているのが分かった。と同時に、頭も少しずつぼんやりとし始め、体が熱くなって来ているのも分かった。それはつまり、凱の男としての象徴であるペニスが、少しずつ頭をもたげ始めて来ていると言うことも意味していた。もちろん、それは凱も分かっていた。だから、

「…お、…お願いです…ッ!!…トラン…様…ッ!!…も、…もう…ッ、…お許し…下さい…ッ!!

 と、敢えてトランに聞いてみた。だが、

「やぁだねッ!!

 と予想通りの返事が返って来る。

「お仕置きはまだまだこれからだよッ!!

 その時だった。凱の足元にいたグリナム兵がゆっくりと胡坐をかいてしゃがみ、体を弓なりにしている凱をいたわるかのように凱の筋肉質な足の下に自身の足を入れ、凱の下半身を支えるようにした。そして、不意に手を伸ばしたかと思うと、少しずつ頭をもたげ始めている凱のペニスをキュッと握ったのである。その瞬間、

「んああああああッッッッッッ!!!!!!

 と凱が叫び声を上げ、体がビクビクと跳ねた。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 体が熱くなる感覚を覚えたその時、凱のペニスが物凄い勢いでムクムクと勃起したのである。

「…フフフ…!やっぱりブラックコンドルは変態さんだねッ!!まぁ、ボクが仕込んだ薬のせいかもしれないけどォ♪」

 トランはそう言うと、凱の大きく勃起したペニスをブラックコンドルのバードニックスーツの上から擦るように激しく撫で始めた。

「うぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 トランに送り込まれた淫乱な感覚と、実際の刺激が相乗効果を発揮して物凄い快感の波を凱に与えて来る。

「ああッ!!ああッ!!ああッ!!

 凱はどんどん追い込まれて行った。と、その時だった。

 クチュッ!!グチュッ!!グチュグチュッッッ!!!!

 淫猥な音が聞こえ始め、ブラックコンドルの、競泳用水着をあしらったような光沢のある鮮やかな黒い部分が湿り気を帯び、淫猥に照り輝くようになって来た。

「アハハハハ…ッ!!ブラックコンドルったら、本当に感じちゃってるんだぁッ!!

 トランがそう言い、大声で笑う。

「…く…ッ…!!

 催淫剤のせいなのかは分からない。だが、凱自身も快楽に溺れかけていたのは事実だ。

 と、その時だった。

 凱の両足を支えていたグリナム兵が不意に前のめりになったかと思うと、凱のペニスの先端を食み始めたのである。その光景を見た瞬間、

「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!どこを舐めてやがるッ!!

 と凱は顔を真っ赤にして言った。だがそれも束の間、

 グチュッ!!グチュグチュッ!!ジュボジュボジュボッッッッ!!!!

 と言う淫猥な音が大きくなって行き、

「…あッ!!…は…ッ!!…んん…ッ!!…くう…ッ!!

 と凱が喘ぎ始める。

「…く…っそ…ォォォォ…ッッッッ!!!!

 何とかその快楽に必死に耐えようとする凱。だが、体はおろか精神までも快楽に流されようとしていた。

 そして。

「…っあ…ッ!!

 突然、凱が体をビクリと反応させた。凱のペニスの周りを、ヌメヌメとした感触が這い回っている。それがはっきりした瞬間、

「…ううッ!?…うぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と凱は絶叫した。

 凱の大きく勃起したペニスがバードニックスーツを突き破り、トランの目の前に晒されていたのだった。

 

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