ちぎれた翼U 第9話
…チュクッ!!…クチュクチュ…ッ!!…チュク…ッ!!
寒々しく広がる荒野に、1本の白い十字架がある。そこに四肢を拘束された、光沢のある赤と白のスーツで覆われた男性。レッドホーク・天堂竜。そのこんがりと灼けた小麦色の上半身が剥き出しになり、そこに一人の男性が顔を埋めていた。バイラムの幹部・トランザだ。
「…フフ…!!」
妖しい目付きのトランザが、十字架に磔にされた竜を不気味な笑みを浮かべて見上げる。
「…どうだ、…レッドホーク…?…感じてしまうだろう?」
そう言うトランザの真っ赤な舌が鋭い剣のように、竜の右胸の、ココナッツ色の突起を引っ掻くように刺激する。その刺激に竜は、
「…んんッ!!…ふ…ッ!!…くあぁ…ッ!!」
とやや高めの掠れた声を上げる。
「…や、…止め…ろ…ぉ…ッ!!…止めて…ッ、…くれ…ぇ…ッ!!」
普段から大きく見開かれた目を更に大きく見開き、口をだらしなく開けている。拘束された筋肉質な足はブルブルと震え、拳は握ったり開いたりを繰り返し、身悶える。
そして何よりも。竜の2本の足の付け根、竜の男性としての象徴が熱を持ち、少しずつ疼き始めていたのを感じ取っていたのだ。
…クチュクチュ…ッ!!…クチュクチュ…ッ!!
それでも、トランザの竜の胸の突起への愛撫は止まらない。
「…ふん…ッ!!…あ…、…あああ…ッ!!…く…は…ッ!!」
くすぐったいような、気持ちいいような、そんな感覚。その刺激に頭が真っ白になりそうになる。と、その時だった。
「…マリアには、…ここは責めてもらえなかったのか…?」
その言葉に、一気に現実に引き戻される竜。
「…な、…んだと…!?」
信じられないと言う表情でトランザを見下ろす竜。そこには、更に不気味な笑みを浮かべて竜を見上げているトランザがいた。
「…お前達、…恋人同士だったんだろ?」
「…な…、…な…!?」
顔が真っ赤になって行く。するとトランザはフン、と鼻で笑うと、
「本当の姿は葵リエ。貴様の恋人だった。俺達バイラムが奇襲した際、次元の歪みに吸い込まれ、ラディゲによって洗脳された。それを俺も見ていたからな!」
と言った。
「…うう…ッ!!…うわああああああッッッッッッ!!!!!!」
頭に血が上り、叫び声を上げる竜。その手足が、拘束されている鉄の鎖を引きちぎろうと懸命にもがく。
「まだまだあるぞ、レッドホーク!」
勝ち誇った笑みを浮かべるトランザ。
「そして貴様はマリアをさっさと捨て、今度はホワイトスワンへ想いを寄せている!」
「…な、…んだと…!?」
トランザの口を突いて飛び出した突拍子のない言葉に、竜は抵抗することすら忘れ、呆然とする。
「違うか?貴様がそう感じていなくとも、貴様の無意識の中の心はホワイトスワンへ傾いている!違うか?」
「…そ、…そんな…こと…!」
「…ない、か…。…だが、あの女はお前に想いを寄せているぞ…?」
するとトランザは大きく溜め息を吐き、
「あの女は魔性の女だ。一度、付き合い始めたブラックコンドルをさっさと振ったのだから。その腹いせにバイクを走らせていたブラックコンドルは運悪く、俺に見つかった。後は貴様らも知っている通りだ!そして…!」
と言い、不気味な笑みを浮かべた。
「…今度は貴様が、壊れる番だ!」
「…きッ、…貴様ァァァァッッッッ!!!!」
竜が何とかして拘束を外そうと懸命にもがく。だがトランザは余裕の笑みを浮かべ、
「無駄だ、レッドホーク。諦めろ!」
と言ったと思った次の瞬間、トランザは竜の右胸に再び吸い付いた。
「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その途端、竜の体に今まで以上に快楽の電流が流れ、艶めかしい声を上げた。
…ジュッ!!…ジュクッ!!…ジュクジュク…ッ!!
竜の右胸の、ココナッツ色の突起の周りにトランザの唾液が溢れ、淫猥な音が更に大きくなって行く。
「…ひ…ッ!!…く…う…ッ!!…はあ…ッ!!…んあああ…ッッッ!!!!…くふううう…ッ!!」
その刺激を、目を硬く閉じ、懸命に堪えようとする。一度は引きかけていた下腹部の疼きも、今、再び疼き始め、少しずつ頭をもたげ始めていた。
「…フフ…ッ!!」
それに気付いているのか、気付いていないのか、トランザが竜を見てニヤリと笑う。そして、
「…安心しろ、…レッドホーク…!」
と言った。
「…?」
少しずつ荒い呼吸をしながら、竜がトランザを見下ろす。
「…貴様のバージンは、…俺が奪ってやる…!!」
「…なッ!?」
その時だった。
不意にトランザが体を起こしたかと思うと、物凄い勢いで竜の顔に自身の顔を近付け、竜に口付けたのである。
「…!?」
呆気に取られる竜。だが、
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッ!!
と言う淫猥な音と同時に、トランザの舌が竜の口を割って侵入を開始する。
「…ん…ッ!?…んん…ッ!?」
これに驚いた竜が慌てて顔を背けようとする。だが、その顔をトランザの右手がガッシリと押さえ込んでしまい、それが竜の口腔内の蹂躙を許す。
…クチュクチュ…ッ!!…チュルッ…!!
くすぐったい音がするのと同時に、竜の口の中に、今まで感じたことのなかったくすぐったさが刺激となって伝わる。
「…ん…、…んん…!!」
その時だった。
竜の目が少しずつ虚ろになり始めたのだ。そして、それまでガクガクと抵抗を繰り返していた四肢の動きが止まったのである。
「…フフ…ッ!!」
それにいち早く気付いたトランザは、左手を静かに上げると、竜の右胸の、ココナッツ色の突起をクリクリと刺激し始めたのである。
「んんッ!!んんんんッッッッ!!!!」
その刺激に、竜の目が再び見開かれ、ビクンビクンと体を跳ねらせる。そして、体の中を熱い何かが駆け抜けるのを感じた。と、その時だった。
「…フッ!!…フハハハハ…ッ!!」
口を離したトランザが大声で笑い始めたのである。
「…あ、…うぅ…ッ!!」
その笑い声に、竜は自身の顔が真っ赤になったのが分かった。顔から火が出るとは、このことを言うのかと思うほどだ。
「やはり感じてしまっていたようだな、レッドホークッ!!」
トランザの目が、竜の体の1ヶ所を見つめている。
「…うぁぁ…ッ!!」
大きく見開かれた目が潤んでいるようにも見える。
「…貴様、勃起しているではないか!!」
ストレートに言うトランザ。
レッドホークのバードニックスーツ。白を基調とし、競泳水着のような形をした赤いパンツに黄色のラインが縁取られている下半身。その中心部分が大きく盛り上がり、竜のペニスがその形をクッキリと現していたのだった。